アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

チェンナイでいろいろと

2016-03-08 | インド映画

チェンナイでは今回、素敵な方にお目に掛かりました。A.P.インターナショナルという会社の社長、サンジャイ・ワードワー氏です。50才ぐらいのサンジャイ氏は、もともとはシンディー(パキスタン南部シンド地方の在住者)で、祖父の代に印パ分離独立によりインド側に移ってきた後、チェンナイに落ち着いた一家の出です。生まれはチェンナイなのでタミル語も母語と言ってよく、お父さんの後を継いで映画投資会社から出発、今では配給やソフト発売を含む大きな会社に育て上げました。「やっていないのは、タレントのマネージメントと映画製作だけ」という会社A.P.インターナショナルは、キルポウク地区の昔風のビルにありました。


上は社長室でのサンジャイ氏ですが、この社長室には、『チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター』(2005)のいろんなトロフィーが飾ってありました。日本でも、東京国際映画祭で上映されたあと公開された『チャンドラムキ』(そう言えば私が字幕を担当し、深尾淳一さんに監修してもらたのだった)は、インドでは804週(約2年と2ヶ月)にわたってロングラン、その時の記念トロフィーでした。A.P.インターナショナルは配給を担当、当時サンジャイ氏も来日して、その後も何度か日本にいらしているそうです。


ラジニの新作『Kabali』は撮影はもう終了、今は仕上げの段階なのだとか。『Robot 2』の企画も進んでいるそうです。チッティが復活するんでしょうか? また、日本でも今年公開が予定されているテルグ語映画『バーフバリ:はじまりの章(原題)』(2015)のタミル語版もサンジャイ氏の配給だそうで、「ポスター、ほしいです~」と言ったら、即2種類をプレゼントして下さいました。現在製作中の『バーフバリ』の後編、『バーフバリ:結末の章(原題)』の公開は、順調にいけば来年4月だそうで、楽しみですね。


いろいろお話をうかがったり、ビル内にある各種スタジオ(ソフト制作、デジタル変換等々、小さいながら輸入機器を配備したスタジオが6つぐらい備えられていました)を見学させていただいたりしたあと、お昼ご飯を食べに連れて行って下さったのは、庶民的なレストランMurgan Idli Shop(ムルガン・イドリー・ショップ)。ここでイドリーとワーダー、そしてプレイン・ドーサ-をご馳走になったのですが、4種類付けてくれるチャトニー(ココナツ、トマト、しょうが、コリアンダー)がいずれもおいしくて、また、特別にマドゥライから取り寄せたお米で作られるイドリーもいい味でびっくりしました。ドーサーのクリスピー感はハンパではなく、HPを見つけたので、今度ひとりで食べに行ってみようと思います。


その後、「南インドのパチもん映画グッズを手に入れられる店はないか?」という無理なお願いをしたところ、Casinoという映画館の近くで案内の人に繋いで下さり、かなり歩いてサングヴァール・ストリートという所へ。案内の人が交替したりして、結局連れて行かれたのが古いポスターを扱うお店(と言うか倉庫というか...)でした。『I(アイ)』など結構新しい作品のポスターがあったのですが、タミル語映画は全紙2枚組のポスターが多く、残念ながらあきらめました。『OK Darling』のポスターだけ1枚ものがあったので買ったら、何と1枚たったの10ルピー(17円)。なかなか人品卑しからぬポスター屋さんでしたが、二度と行けないぐらいわかりにくい場所でした。一応入り口の写真も付けておきますので、タミル語映画のポスターを熱望している方はトライしてみて下さい。入り口に立っているのは、案内してくれた人です。



こんな今回のハイライトと言ってもいい出会いの他、2日前には楽しい出会いもありました。『Jai Gangaajal(ガンジスの聖水万歳)』を見に行った、ACSシネマTナガルでのこと。


終わって場内の惨状(前のレポートにも書きましたが、鑑賞態度も感心しなかった観客たちは、客席にゴミをぶちまけたような状態で映画館を離れて行きました)にがっかりしながら外に出てみると、エレベーターの前で男の子2人とお母さんが待っていました。ここのエレベーターは、公開作品のポスターが貼ってあって楽しいのです。

左は間もなく公開の『Kapoor & Sons(カプール父子)』のポスターです。で、その母子を見ていると、どうやら男の子2人は双子のよう。お揃いのお洋服で、とってもかわいいのです。お母さんが私の視線に気付いてにっこりしてくれたので、「双子のお子さんですか?」とヒンディー語で言ったところ、「あらまあ、ヒンディー語が話せるのですか?」と話が弾みました。


その後お父さんも加わってくれたこのご一家、ピンチャー(Pincha)さん一家はラージャスターン州の出身。今チェンナイで働いているとのことで、ヒンディー語映画なのでご一家で見に来たようです。双子君はヤシュ(Yash)君とアンシュ(Ansh)君と言い、写真を見てもわかるように将来イケメン確定のお子さんたちです。美人のお母さんはマドゥ(Madhu)さん、お父さんはバンワル(Bhamwar)さんと言うのですが、何とバンワルは蜜蜂、マドゥは蜜ですから、「えー、カップルとして最高じゃないですか!」と言ったら、「そうなのよ、でもお見合い結婚なんですけどね」とのこと。『pk』(2014)の中のラージャスターン訛りについても教えてもらったりと、つい長話してしまいました。


「チェンナイにいる間に、一度ぜひ家に来て」と言われたのですが、いろんな予定があったのでゴメンナサイをしてしまって申し訳なかったです。ヤシュ君とアンシュ君、勉強がんばってね。


このほか、チェンナイではまだ一部路線しか走っていない(Koyambedu-Alandur間のみ)地下鉄に乗ったり、友人に教えてもらった自転車をテーマにしたレストラン「Cyclo Cafe」に行ったり(場所はここ)、あちこちふらふらしています。シクロ・カフェは、自転車好きの人なら夢中になりそうなディスプレイがいっぱいで、自転車が座席になっていたり、トイレの表示も自転車マークだったりと、「インドもおしゃれになったわねー」という感じ。


お店のマネージャーに、「インドにも競技チームがあるのですか?」と聞いたら、まだまだこれから、とのこと。昨年TIFFで上映された中国・香港映画『破風』(2015)を思い出しながら、お店をあとにしました。こんな風にチェンナイも面白いので、皆さん、ぜひ行ってみて下さいね。


 


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2 コメント

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チェンナイ (アールーゴービー)
2016-03-12 19:25:01
3月1日にデリーからチェンナイに引っ越してきました。
男性がみんな、ラジニの映画に出てくる悪役に見えます。
最初はデリーを離れたくなかったのですが、ヒンディー映画もタミル映画も観ることができて、その点はうれしいです。
タミル語も全然わからないしなぁと思っていたら、けっこうヒンディー語を話せる人がいて、びっくりしました。
久しぶりにタミル映画を観に行って、大興奮の観客と一緒に騒いでみたいと思います。
アールーゴービー様 (cinetama)
2016-03-14 01:21:51
コメント、ありがとうございました。

チェンナイにいらしたとは、どこかですれ違っていたかも知れませんね。
チェンナイのジガルタンダーを思い出すと涎が出ます...。

私は今、ムンバイに移ってきて、テレビで『Bajrangi Bhaijaan』を見ています。
ちょうどナワちゃんがテレビ番組で訴えているところです。
テレビでは、タミル語映画始め、南インド映画のヒンディー語吹き替え版も結構やっていて、朝はシャラトクマールのオートリキシャ・アクションを見たりと、劇場上映作品でいいものがないので、テレビ三昧です。

面白いタミル語映画をご覧になった時には、またコメントをお寄せ下さいね。

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