アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

世田谷区弦巻でリッチなインド料理をいただく

2017-05-24 | 日常

ある方に誘ってもらって、世田谷区弦巻にあるインド料理店「Indian Canteen AMI」に行ってきました。事前にその方から、この店のオーナー・シェフが東京外大のウルドゥ語科出身の方であることを教えてもらい、こちらの紹介記事を読ませてもらいました。また、私が最近は方向音痴ぎみだと言ったら、その方が心配して、最寄り駅から「AMI」までの一番わかりやすい行き方を書いて下さるなど、至れり尽くせり。さわやかに晴れわたったある日のお昼過ぎ、駒澤大学駅からのんびりと10分ちょっと歩いて、無事お店まで辿り着きました。途中、上馬4丁目の信号の所に小さな郵便局があったので、手紙を出しがてら寄ってみると、記念切手やJPグッズのストックがとても豊富でびっくり。若い男性局員の方のオススメトークに、つい聞き入ってしまいました。猫のクリアーファイルなど、いまどきの流行をうまく取り入れてあって、JPもなかなか商売上手ですね。


そんな寄り道をしながら辿り着いた弦巻2-8-15の「Indian Canteen AMI」、昼食時間をずらして午後1時頃に行ったのですが、お店の前では3人も、並んで待っているいる方がありました。中のお席が10数席しかないので仕方がないのですが、それにしても人気が高いようです。お店の名前は「インディアン・キャンティーン・アミ」と読むらしく、「アミ」はウルドゥ語の「アンミー(お母さん)」からついたようです。シャー・ルク・カーンのファンの方は、映画『ライース』(2017)の予告編で何度も聞かされた、「アンミー・ジャーン・カヘティー・ティー(母さんがいつも言っていた)」というセリフを思い出しますよね。シェフの伊藤恵美さんのお名前「えみ」にも通じることや、フランス語の「アミ(友だち。モナミのアミですね)」やベンガル語の「アミ(私。アミ・トマケ・バロバシは愛の言葉ですね)」にも通じるので、店名に決まったのだと前述の記事にありました。


シェフの伊藤恵美さんは、東京外大ウルドゥ語科在学中に休学して7ヶ月パキスタンに留学、また卒業後は宝石関係の会社でも働いたため、何度もムンバイに出張したのだとか。パキスタンはイスラーム教の国で、どちらかというと肉食、つまりチキン料理やマトン・ラム料理がメインだったそうですが、宝石関係のインド人にはグジャラート州出身の人が多く、こちらはベジタリアンがほとんど。というわけで、伊藤さんもベジタリアン料理がごひいきになり、お店のメニューにもチキン・カレーのほか、野菜カレーがあれこれ上がっています。この日私たちがいただいたのは、さつまいものカレーに、大根等を入れた本日のカレー。ちゃんとメモしてこなかったのが悔やまれますが、それにサラダが2、3種付き、こんな風なプレートになって登場してきます、じゃじゃ~ん!


写真を見ているだけでも、喉が鳴りますよね。手前がサラダで、ビートのサラダにお豆のサラダともう1種のサラダ。そして、カレーの方は右側が本日のカレーで、左側がさつまいものカレーです。ごはんの右手に立てかけてあるのは、パーパルですね。結構大きいプレートなので、全部食べるとお腹いっぱいになります。このように2種類のカレーを選択すると1,200円、1種類だと1,000円のランチですが、1,000円のランチでも量は十分の感じでした。

さつまいものカレーは、「えー、さつまいもでもカレーができるの?」と思う方がいるかも知れませんが、実は今、私が凝っているカレーなのです。というのも、「インド通信」の発送作業で出す賄いカレーが10年1日どころか40年1日のごとく変わり映えしないので、たまには違う物を、と我々が「シェフ」と呼んでいる渡辺玲さんの本「カレーな薬膳」(晶文社、2003)で見た、「さつまいものアーンドラ風コザンブ」というのを今年初めから作り始めたのでした。「コザンブ(Kozhambu)」というのは、南インド風の酸っぱさと辛さのある、汁気の多いカレーのことを指すようです。「さつまいものコザンブ」はこれに甘さが加わるので、結構日本人にはウケる味となります。というわけで、「AMI」のさつまいもカレーやいかに、とオーダーしてみたのでした。


で、出て来たさつまいもカレーは、渡辺シェフのレシピのものとよく似ています。ただし、私が作るものよりははるかに洗練されたお味で、マスタードシードの効き具合がもう最高。右側の本日のカレーもおいしくて、カレーだけお代わりしたいぐらいでした。あとでお話を聞くと、渡辺シェフのレシピと似ているのもそのはずで、伊藤さんの日本でのインド料理習得は、渡辺シェフからだったそうです。とはいえ、これだけ味がビシッと決まったものが出せるのは、伊藤さんご自身の努力と才能があったからでしょう。本当に味がよくて、ほかのカレーも絶対また食べに来よう、と固く決心したのでした。


お忙しい合間にちょこちょこっとお話をうかがってみると、伊藤さんが学んだのは東京外大がまだ北区西ヶ原4丁目にあった頃だそうです。東京外大が府中に移転したのが2000年なので、その最後ぐらいでしょうか。今活躍中の字幕翻訳者のFさんが伊藤さんと同学年だそうで、Fさんはヒンディー語の専攻なのですが、ヒンディー&ウルドゥの卒業生でもインドに関わる職業に就ける人が少ない中、この学年はスターが2人出たことになります。入学当時の主任教授は鈴木斌先生だったそうで、鈴木先生は2005年に72才で亡くなられましたが、学生を愛して下さった鈴木先生が生きていらしたら喜ばれただろうなあ、とそんなことも思ってしまいました。

お店のスタッフはシェフの伊藤さんだけなので、混んでいるとお料理が出てくるまでに時間がかかることがありますが、どれだけ待ってもここのお料理は食べる価値があります。さっきご紹介したこちらの記事の最後に地図も載っていますので、一度ぜひどうぞ。お店の電話番号が非公開なので、道に迷われるといけないため、方向音痴の私でも辿り着けた知人による文章での案内を付けておきます。ちょっと回り道になるそうですが、わかり易い案内ですので、これを見ながら行ってみて下さいね~。

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駒澤大学駅からですと、西口を出ていただき、通りを右へ。 最初の曲り角を右に入るとすぐにドラッグストアのTomod'sがありますので、 その道を10分弱真っ直ぐに進んでいただきますと上馬四丁目、という信号(交差点)が 見えます。 その信号を左に曲がっていただきますと、3~4分で"華屋与兵衛"が見えてきますの で、 それを通り過ぎて更に真っ直ぐ進んでいただくと、反対側にサンクスが見えます。 サンクスの右斜め前、つるまき動物病院の隣がAMIです。
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