アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

2016年もたくさんのアジア映画を

2016-01-02 | アジア映画全般

新年のご挨拶申し上げます。今年は申年、それにちなんで、アジアのサルたちの絵をどうぞ。


12年前に香港で買った年賀カード(年のところはシールを貼ったのですが、透けて見えますね~)。中国語圏で一番有名なサルと言えば、もちろん孫悟空です。「藝之軒」というカード出版元のクレジットが裏にあるのですが、画家の名前などはなし。


これも、以前香港で買ったカードです。「月をつかまえたくて(水中𢭐月)」という画題で、画家は侯寶明(中国天津市)、カード発売元はDragon Heart。中国の故事「猿猴取月」に由来する画で、このお話、元々はインドの故事だったようです。水に映ったお月様を取ろうとサルたちが次々と数珠つなぎになってぶら下がったものの、いざ水面に手が届くという時にサルの重みで枝がポキンと折れてみんな水中に、ということで、無知や愚かさ、あるいは骨折り損を言う時に使うたとえなのだとか。この現代民画は、サルたちの描き方がとってもチャーミングで大好きです。


そして、インドで一番有名なサルはハヌマーン。古代叙事詩「ラーマーヤナ」に登場するサルの武将で、魔王ラーヴァナにさらわれた妻シーターを捜すラーマ王子に協力し、様々に活躍するスーパーおサルさんです。よく描かれるポーズが上の図で、左手に抱えているのはヒマラヤの山。ラーヴァナとの戦いの中でラーマの弟ラクシュマナが傷つき、その傷に効く薬草を採りにランカー島からヒマラヤの山中にひとっ飛びしたものの、薬草が隠されていたため、「えーい、いちいち探すのは面倒だ。山ごと持って帰ることにするぞ」と山を引っこ抜いて持ち帰ったエピソードを描いたものです。インドのポストカードから取りましたが、ハヌマーンはヒンドゥー教の神々と同じぐらい崇められていて、神様シールでもいろんなデザインで登場しています。


ハヌマーンの別名はいっぱいあって、その一つが「バジュラングバリー(Bajrang Bali)」。「強固な体格を持った強者(つわもの)」というような意味で、「バジュラング」だけで呼ばれることも。こういったことから、力自慢の人々、特にクシュティーと呼ばれるインド式レスリングをする人々に信奉されているのがハヌマーンで、2015年の大ヒット作『バジュランギー兄貴(Bajrangi Bhaijaan)』もこのハヌマーン信仰が下敷きになっています。劇中で出てくる、ハヌマーン・ジャヤンティ(ハヌマーンの誕生祭)を祝うシーンはこちらです。

'Selfie Le Le Re' FULL VIDEO Song - Salman Khan | Bajrangi Bhaijaan | T-Series


そして、今年もお年賀状をたくさんいただきまして、どうもありがとうございました。

毎年楽しみな各配給会社さんからのお年賀状の中に、今回もアジア映画公開情報がちらほら。わかっているものだけ、書き出しておきますね。

彩プロ(配給)


『ヘリオス 赤い諜報戦』  公式サイト 
2015年/中国/広東語・北京語・韓国語・英語/119分/原題:赤道
 監督:(リョン・ロクマン)、(サニー・ルク)
 主演:張學友(ジャッキー・チュン)、張家輝(ニック・チョン)、張晨(チャン・チェン)、余文樂(ショーン・ユー)、チ・ジニ、チェ・シウォン、王学圻(ワン・シュエチー)
※1月9日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開 

 

スキップ(宣伝)


『メモリーズ 追憶の剣』 公式サイト
2015年/韓国/120分
 監督:パク・フンシク
 主演:イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ゴウン、ジュノ(2PM)
配給:クロックワークス
※1月23日(土) 新宿バルト9ほか全国公開。台湾映画『黒衣の刺客』を思わせる、美しい時代劇作品。 

『内部者たち(原題)』
2015年/韓国
 監督:ウ・ミンホ
 主演:イ・ビョンホン、チョ・スンウ、ペク・ユンシク
配給:クロックワークス
※3月TOHOシネマズ新宿ほか全国公開。2015年観客動員数第4位、とご紹介したばかりの本作が早くも公開とは嬉しいです!

 

TWIN(配給)


『ドラゴン・ブレイド』 公式サイト 
2014年/中国・香港/103分/原題:天将雄師
 監督:李仁港(ダニエル・リー)
 主演:ジャッキー・チェン、ジョン・キューザック、エイドリアン・ブロディ、チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)
※2月、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー。2015年中国映画興収第8位。 

『背徳の王宮』
2015年/韓国/131分
 監督:ミン・ギュドン
 主演:チュ・ジフン、キム・ガンウ、イム・ジヨン
※3月19日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー。なお、18歳未満の方はご覧になれません。 

『The Long Way Home(英題)』
2015年/韓国/原題:西部戦線
 監督:チョン・ソンイル
 主演:ソル・ギョング、ヨ・ジング、イ・ギョンヨン
※春公開予定 

『Northern Limit Line(英題)』
2015年/韓国/原題:延坪海戦
 監督:キム・ハクスン
 主演:キム・ムヨル、イ・ヒョヌ、チン・グ
※春公開予定。2015年韓国映画観客動員数第6位の作品です。

 

アンプラグド(配給/宣伝)

『あなた、その川を渡らないで(仮題)』
2014年/韓国/ドキュメンタリー
 監督:チン・モヨン
※初夏公開予定。韓国で2014年観客動員数第9位となった話題のドキュメンタリー映画。

あと、私が舌を巻いた斬新なアイディアの韓国映画『ビューティー・インサイド』(2015)も1月22日(金)から公開されます。こちらは、のちほど別途ご紹介する予定。2016年も素敵なアジア映画がたくさん公開されますので、ぜひ映画館に足を運んで下さいね。そうそう、配給会社の皆様、インド映画もぜひよろしく!!

<追加>

1月2日に届いたお年賀状から、情報を追加でアップします。

岩波ホール(上映予定作品)

『鏡は嘘をつかない(原題)』
2011年/インドネシア/原題:Laut Bersemin
 監督:カミーラ・アンディニ
 主演:ギタ・ノファリスタ、アティカー・ハシホラン
 配給:パイオニア映画シネマデスク
※2011年の第24回東京国際映画祭で上映され、アジア映画賞スペシャル・メンションを獲得した作品。カミーラ・アンディニ監督はガリン・ヌグロホ監督の娘です。字幕がありませんが、現地版予告編を付けておきます。

The Mirror Never Lies (Indonesian)


『シアター・プノンペン』
2014年/カンボジア/原題:The Last Reel
 監督:ソト・クォリーカー
 主演:マー・リネット、ソク・ソトゥン、トゥン・ソーピー
 配給:パンドラ
※2014年の第27回東京国際映画祭で『遺されたフィルム』という題名で上映された作品。これも女性監督の作品で、2015年のあいち国際女性映画祭でも上映されました。英語字幕付き予告編はこちら。

 The Last Reel - Official Cinema Trailer (English version)

東南アジア映画もどうぞよろしく! このほか、タイ映画の公開もチラと聞こえてきていますので、詳細がわかり次第お伝えします。



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2 コメント

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Unknown (きたきつね)
2016-01-06 16:46:11
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

『遺されたフィルム』公開されるんですね!嬉しい!
カンボジアに縁ができてしまったので、観られることを心から願っています。

ブログ、今年も楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
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きたきつね様 (cinetama)
2016-01-06 23:21:39
コメント、ありがとうございました。
新年快樂!

『シアター・プノンペン』と改題された『遺されたフィルム』、プノンペンの暴走族(?)から話が始まるので「ええっ?」と思っていたら、うまーく昔の映画に話が軌道修正されていき....という上手な作りの映画になっています。
公開を楽しみにお待ち下さいね。
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