アジア映画巡礼

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「インド映画完全ガイド」裏話:カラーページは画像が命!

2015-09-25 | インド映画

「インド映画完全ガイド~マサラムービーから新感覚インド映画へ」の編集は、本当に大変なことが多かったので、今後皆様のお役にたつかもと思い経験したことを書いてみることにしました。今回は、画像についてのお話です。

映画のスチール、つまり画像は、その映画が公開される時に宣伝のため、配給会社または宣伝会社からマスコミに提供されます。たいていメインの画像1枚と、サブの画像数枚が提供されるのが普通ですが、お願いすればもっとたくさんもらえたりしますし、あるいは「この脇役が光っていたので紹介したいから、彼の顔がよくわかる画像はないでしょうか」とお願いしてもらったりすることもできます。この「アジア映画巡礼」のようなブログやHPといったネット媒体は、比較的たくさん写真が使えるため、いつも6~10枚画像をいただいています。


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 and Ishaan Talkies

たとえば、上写真の『マルガリータで乾杯を!』の場合は、メインのほか8枚画像をいただきました。これらの画像は、使う時には必ず画像のソースとなるクレジットを入れる、公開情報を入れる、といった制約があり、勝手にどこにでも使うことはできません。というわけで、『マルガリータで乾杯を!』は10月24日(土)よりシネスイッチ銀座で公開され、その後全国で順次ロードショー公開されていきますので皆様、どうぞよろしく。そうそう、ついでにと言っては何ですが、あいち国際女性映画祭でショナリ・ボース監督が気がついた映画のバージョン違いは、やはり日本に売ったエージェントのミスだったそうで、公開時にはきちんとオリジナル版が上映されるそうです。あいち国際女性映画祭でご覧になった方も、ぜひもう一度見てみて下さいね。

こういった公開時の宣伝のために提供を受けた画像は、映画の公開が済むと使うことはできません。本当は全部削除しなくてはいけないのですが、そこはついもったいなくて、パソコンにセーブしたままに。今回の本を作るに当たってはそれが役に立ち、ページ見本を作ったりできました。

でも、実際に本に使用するためには、再度画像をもらい直さないといけません。というわけで、それぞれの作品の配給会社にお願いして、新たに画像をいただきました。また、親しい配給会社の方には、「以前にいただいているこの画像があるのですが、使ってもいいでしょうか?」という了承を得て、公開時にいただいた画像を使ったりもしました。

こういった画像は、今回すべて無償で提供していただいたのですが、普通は公開時を過ぎると画像の提供に費用が派生することが多いのだそうです。私も経験がないのではっきりとはわからないのですが、人の話を聞くとカラーページとモノクロページで違ったり、表紙は結構高い使用料を取られたりするそうです。今回は、Blu-ray、DVD等のソフトを紹介する、ということで全部の会社が無償で提供して下さり、本当にありがたかったです。

さらに、スター紹介ページの写真も、デザイナーさんの意見では映画のスチールの方が断然いい、とのことで、各社にはスター紹介ページや他のページでも使わせていただくことがある、という点を了承していただきました。もちろん作品名とクレジットを入れるわけですが、確かにスター紹介ページは、スターのスナップ写真よりも映画の画像を使ったものの方がインパクトがあります。

スターのスナップ写真を使ったのは、アヌシュカー・シャルマーと、ダヌシュ、ヴィクラムの3人ですが、このアヌシュカー・シャルマーの写真についてはとてもラッキーなことがありました。最初は私がムンバイで撮った彼女の写真(上)を使おうと思って、ご本人に許可を得ないと、とインド映画界ダイレクトリー("Film India Directory 2015" Rs.1500)を見てアヌシュカーのマネージャーを探しだし、彼女にメール連絡したのでした。するとすぐ返事が返ってきて、「あなたが使いたいと言っている画像はもう古いわ。新しい画像を提供するからこれを使って」と2枚もスナップ写真が送られてきたのです。スナップ写真と言ってもちゃんとプロのカメラマンが撮ったもので、ブロマイドみたいな美女写真でした。重ねて「クレジットはどう入れましょう?」と聞くと、「そうね、じゃ、カメラマンの名前を入れておいて。きっと彼が喜ぶと思うから」と名前を教えてくれたのでした。

さて、どんな写真かは、「インド映画完全ガイド」を見てのお楽しみ。

ダヌシュとヴィクラムの画像は、以前から知っていた画像提供会社のゼータイメージという所に連絡を取り、そこから画像サイトを紹介してもらって探しました。ゼータイメージは画像1枚5,000円+税と格安で助かりました。その後に友人が教えてくれた画像サイトアフロは、いい写真が多いもののお値段が高くてとても手が出ません。書籍では、中面使用で20,000円、表紙だと30,000円も取られるので、よほど予算が潤沢な書籍しか使えませんね。今回の本で使った画像をこの値段で計算すると....うう、頭が真っ白になりそうなのでやめましょう。表紙だけでも、表と裏で12枚も使っていますからねー。


そんな幸運に恵まれた画像集めだったのですが、大問題もありました。それは「解像度」。写真に詳しい方はご存じだと思いますが、どれぐらいぎっしり描点が詰まっているか、という物差しです。「dpi(ドット・パー・インチ)」という単位で表され、1インチの長さの中に何個の点というかモザイクが入るかが表されています。つまり、解像度が低いとギザギザとした感じの線になってしまい、特に大きくした画像ではハッキリとわかってしまいます。

私は当初これを画像のサイズと勘違いしていて、これぐらい大きい画像なら大丈夫だろう、と各社からいただいた画像で安心していたのでした。ところがデザイナーさんは、片っ端から「解像度不足」の烙印を押していきます(笑)。作品紹介とスター紹介ページでは、カラー80ページ中約30ページがNGとなり、本当にがっくり。たとえば、ディーピカー・パードゥコーンのページはこんな感じです。


で、仕方なく、画像を提供して下さった配給会社やソフト会社にまた泣きつくことになりました。画像使用の権限が配給会社からソフト会社に移っている作品も結構あり、まったく知らない方におそるおそるお願いしたりと、この作業の時が一番大変でした。でも皆さん面倒がらずによく対応して下さり、1社だけ「縮小前のものがあった」と送って下さったほかは、「チェックしたのですが、これ以上解像度の高い画像はありませんでした」というお返事をきちんと下さいました。

あとでいろんな方に聞いてみると、映画の配給ではこれぐらいの解像度の画像を使うのが普通で、それで大判ポスターも作ってしまうのだそうです。我々の目にはそんなに悪い画像に見えないのですが、プロのデザイナーさんから見ると「使えない」レベルだそうで、『マダム・イン・ニューヨーク』や『ダバング 大胆不敵』がイラストのメイン画像になったのも、それがどうやら原因だったらしいのです。それにしても、ヴィジュアル中心の本を作るからにはそういった知識は当然持っているべきで、自分の知識不足に泣きました。

で、ご安心下さい、ディーピカー・ファンの皆様、本の中には「解像度不足」なーんていう烙印は出てきません。差し替えられてどんな画像が使われているのかは本をご覧になってのお楽しみ、ですが、他のページの画像も、「解像度不足」と言われたなんて考えられないぐらい、きれいなページになっています。デザイナーさんの努力と妥協(笑)のお陰です。

書き出すとどんどん出てくるのですが、ひとまず今日はこのへんで愚痴をやめておきましょう。「インド映画完全ガイド」(世界文化社、2,000円+税)は、10月8日発売の予定です。



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3 コメント

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Unknown (まな)
2015-10-11 00:43:48
こんばんわ。

「インド映画完全ガイド」楽しく読ませていただいております☆
アヌシュカの写真とっても素敵でした!
ところでそのアヌシュカのページで気になることがひとつ。
デビュー作のタイトルが「A Match Made in Heaven」となっていましたがなぜこの英語表記なのでしょうか?
(「Rab Ne Bana Di Jodi」のことですよね?)
気になってしまったもので・・・。

まだ半分までしか読めていませんが、
つづきもゆっくり楽しみたいと思います♪
まな様 (cinetama)
2015-10-11 09:58:39
早速のコメント、ありがとうございました。

読んで下さって、とても嬉しいです。
アヌシュカーの写真、いかにも女優という感じで美しいですよね。

映画のタイトルのことですが、この作品は2010年の沖縄国際映画祭で上映された時に、この英語タイトルで上映されました。(下に、この映画祭のウィキのアドレスを付けておきます)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%A5%AD
映画祭で上映された作品は、原則としてその上映タイトルで、というのがP.006の凡例に書いてあると思いますが、それでこうしたものです。
実は最初、沖縄国際映画祭で上映されたことをうっかり忘れていて、校正の途中でバタバタと直したため、もしかしたら直し漏れがあるかも、ですが、他の作品もこれを原則にしています。

というわけで、凡例なども確認なさりながら、読んでみて下さいね。
Unknown (まな)
2015-10-11 22:37:13
ありがとうございます!

沖縄国際映画祭で上映されていたのをすっかり失念しておりました。
その時のタイトルだったのですね。
凡例は承知しておりましたがこのタイトルでの表記をあまり見かけないせいか「?」となってしまいお手数おかけしました。

一度に呼んでしまうのが少しもったいない気もしていますのでゆっくりと読み進めようとおもいます。

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