アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

劉〔火華〕の毛沢東、張震の蒋介石

2011-06-05 | 中国映画

今日は日曜出勤でした。私の行っている大学は、節電に協力するため前期授業の終了を早めることになり、不足分を日曜日授業で補っています。5月、6月、7月に1回ずつ割り振って、火水木の授業が日曜日に行われるので、学生諸君も大変です。まあ今年は非常事態ですから、これぐらいのしんどさも仕方ないですね。

そんなわけで「日曜日は休み」というリズムが狂ってしまい、やや疲れて帰宅後ぼ~んやりとネットサーフィンをしていたら、何だかすごい映画を見つけてしまいました。間もなく中国と香港で公開される、『建党偉業』です。

このタイトルから思い浮かぶのは、2009年のオールスターキャスト中国映画『建国大業』。「国」と「党」、「大」と「偉」が違うだけで、監督も同じ韓三平(ハン・サンピン)と黄建新(ホアン・チェンシン)が担当しています。今回は、今年が1921年の中国共産党創設から90年にあたることから、1911年の辛亥革命から共産党創設までの10年間を描く大作になったようです。う~ん、100周年ならわかるけど、90周年ってちょいハンパじゃありません? 10年後はムニャムニャになるかも知れないから、今のうちに作っておこう、ということかも知れませんね。

公式サイトからダウンロードした壁紙です。

 

配役をちょっとだけ挙げてみます。

  毛沢東・・・・劉〔火華〕(リウ・イエ)
  周恩来・・・・陳坤(チェン・クン)
  蒋介石・・・・張震(チャン・チェン)
  袁世凱・・・・周潤發(チョウ・ユンファ)

予告編を見ると、劉〔火華〕の毛沢東は意外に似合っているんですが、それだけに見たいかと言われるとちょっとビミョー。陳坤の周恩来は、もっとビミョー。『建国大業』では蒋介石の息子蒋経国役だったしぃ~。その蒋介石を張震がやるっていうのも、あんまり見たくないような....。何となくこういうのを上手に演じちゃうと、将来”毛沢東役者””蒋介石役者”とかになってしまいそうな恐れがあるんですよね。昔、古月という毛沢東以上に毛沢東らしい役者さんがいましたが、劉〔火華〕も将来アブナイかも....。

發哥の袁世凱は面白い配役ですが、実は予告編にもう一種類あって、それが何と「お笑い篇」。みんなのNG場面を集めてあり、こういう感じだと發哥も1980年代に戻ったみたいでとってもいいですね。大皇帝にもなった袁世凱、案外ヌケ作に描かれているのかも知れません。

このほかの出演者は(読み仮名は省略させて下さいねー)、中国のスターでは、周迅、范冰冰、趙本山、王学圻、陳道明、郭涛、廖凡、張涵予、侯勇、陶澤如、李雪健、姜武、余少群(梅蘭芳役)、戚玉武ら、香港からは、劉徳華、呉彦祖、呂良偉、梁家輝、方中信、任達華、張家輝、チョイ役で楊千〔女華〕、曾志偉、方力申、そして呉宇森監督まで! さらに台湾から王力宏も出演してます。あと、湯唯が毛沢東の恋人役で出る予定なのですが、毛沢東の遺族から恋人の存在に関してクレームがついたとかで、出演場面がちゃんと生かされているかどうかは不明です。もっと配役に関して詳しく知りたい方は、中国語版Wikiのページをどうぞ。

 6月半ばに中国や香港へ行かれる方があったら、『建党偉業』をぜひお見逃しなく。

 


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジャンプ!エディ・ポン~台... | トップ | 香港映画館ばなし »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (きたきつね)
2011-06-05 22:42:41
ごぶさたしています。
發哥が袁世凱…と思ったのですが、この「お笑い予告編」はいいですね。こんな映画だったら見たいです。
中国がこんなスタンスで映画を作り始めたら、それはほんとに怖いという気もしますが…。
こちらのブログでも紹介させてくださいね。
返信する
きたきつね様 (cinemata)
2011-06-06 00:01:21
早速のコメント、ありがとうごさいます。

実は、最近のそちら様のブログにアップされた香港街ネタが面白く(特に、”大漁”の警官には大笑い!)、それに刺激されて、きたきつねさんのブログに触れつつ淘大花園ネタを書こうかと思っていたところでした。2,3日のうちにアップしますので、またお寄り下さいね~。
返信する
タン・ウェイ出演場面カット疑惑 (アハマド)
2011-06-06 13:05:53
「ラスト、コーション」で活動を禁止されたタン・ウェイが当局の横槍で出演場面を削除された疑惑について、こちらの英語紙ジャカルタ・ポストが報じてました。確かAPかロイター配信だったと思います。ありそうな話ですが、多分真相は明らかにならないような気がしますね。
返信する
アハマド様 (cinetama)
2011-06-06 18:51:47
コメント、ありがとうごさいました。

昨日いろいろ映像を見たところによると、湯唯(タン・ウェイ)は製作発表にも出ていたので、中国映画界への復帰作になるはずだったのでは、と思います。いつもゴタゴタに巻き込まれ、かわいそうですね。
『ラスト、コーション』でも広東語をちらと披露していましたが、『月満軒尼詩(ヘネシー道を横切って)』では見事な広東語をしゃべっていましたし、英語も上手だし、中国映画にこだわらなくても可能性は開けるのでは、と思います。『月満軒尼詩』の下町労働者お姉ちゃんキャラはすごく似合っていたので、あの庶民路線で今後は魅力を発揮してほしいものですねー。
返信する
見てきました (水木ゆう)
2011-07-02 06:14:09
 どうもはじめまして。
 中国在住ですが、この映画見てきました。何がびっくりしたってこの映画、なかなかおもしろかったです。今までけっこうこの手の国策映画を見てきましたが、たいていすごくおもしろくないのに、この映画は良い出来でした。

 で、こちらでも取り上げられている張震の蒋介石ですが・・・・・・シスターになっていました。・・・いや、蒋介石が政敵を暗殺するためシスターに変装(女装)するというストーリーなのですけどね。しかも蒋介石の出番って実質シスター姿の場面しかなかったような・・・。

>陳坤の周恩来は、もっとビミョー
 私も宣伝写真とか見た時は周恩来が『建国大業』の蒋経国にしか見えなくてどうしようかと思いましたが、実際に映画見ると違和感は無かったです。と言うか、違和感を感じるほど周恩来の出番が無かった。2、3分くらいしか出ていなくて、たぶん陳坤目当てで来た人は怒るんじゃないかと思います。

 それでは、突然のコメントで失礼しました。
 
返信する
水木ゆう様 (cinetama)
2011-07-02 11:04:46
興味深いコメント、ありがとうごさいました。先日のアメリカ在住の方に続いて、中国在住の方からもコメントをいただけるなんて! 文字通り、「歓迎光臨!」です。

コメントがとても的を射てらっしゃるのでブログも拝見したところ、トップに「シスターな蒋介石(張震)」が出てきて吹き出してしまいました。「大陸中国で放映された『辛亥革命以降の歴史を題材とした映画・テレビドラマ』を紹介するブログ」とのことですが、対象となる作品が膨大も膨大、ものすごい数になるのでは? でも、お若いので(プロフィールも拝見してしまいました)、これからどんどん制覇して行って下さるものと期待しています。

なかなかおもしろかったとおっしゃる『建党偉業』、私も先入観を持たずに見てみますね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国映画」カテゴリの最新記事