アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

台北2日目の収穫

2012-12-28 | 台湾映画+韓国映画

さーて、いよいよ本格的に台北街歩き&映画館巡りを始めます。日本で調べた天気予報では、今日から年内いっぱいはずっと雨マークだったんですが、朝になると割と天気がよくなってきていてホッとしました。まず、善導寺の写真からどうぞ。

台北駅まで歩いてもすぐのはず、と思い、朝の散歩がてらプラプラ歩きました。で、捷運台北駅で3日間の乗り放題パスを購入。440元=台湾ドル(1,320円。1台湾ドルは約3円)はちょっと高い気もしますが、いちいち切符を買う手間が省けるのでまあいいか。ご参考までに、1日パスは180元、2日パスは310元、あと5日パスもあってこちらは700元です。初乗りが20元なので、結構乗らないと元が取れませんね。

で、一駅乗ってやってきたのが西門町。やっぱりここが一番落ち着きます(笑)。1980年代の末から何度も通ってきてるもんねー。でも、4年ぶりに来ると映画館の場所を忘れてしまい、獅子林という映画館に行くはずが、見当たらなくて映画館街の武昌街に来てしまいました。結局そこの樂聲という映画館で、10時からの『花様(本当はさんずい偏ですが、これで代用)』を見たのですが、最初の回はどこの劇場でもチケットが割引になるので210元でした。日本からジェリー・イエンのファンが数人見に来ていて、台湾人の女性が「あらー、日本人が大勢いるわよ~」とお友達に言っている声が聞こえました。はいはい、私も日本人です。

 

『花様』は、島にある遊郭花様楼を舞台にした物語で、明の時代ということになっています。遊郭の女主人月娘(呉君如)は島を仕切っている海賊の頭海爺(任達華)の愛人で、今は「花様雙陪」と呼ばれる美人双子姉妹小霜(陳意[さんずい+函])と小雪(陳妍希)を得て連日大賑わいでした。小霜には海爺の右腕刀把(言承旭)という想い人がおり、そして小雪は新しくやってきた技芸の師文秀(鄭元暢)に想いを寄せるようになりました。最初は小雪の方が人気があったのですが、彼女の体にある変化が現れ、月娘は彼女を追い出してしまいます。代わりに小霜が人気者になり、金持ちの茶商李二少が彼女に夢中になるのですが....。

監督は周美玲(ゼロ・チョウ)で、実は映画自体はそれほど期待していなかったのですが、なかなかの力作でした。姉妹の父はハンセン病で亡くなっており、それが姉妹にも....という設定や、海賊と役人の戦いにからむ商人とか、ストーリーに結構広がりがあって思ったよりも面白かったのです。とはいえ、ゼロ・チョウ独特のねっちこい演出や、アップを多用した絵作りなどには少々辟易しました。さらに、ジェリーの一番の見せ場とも言えるアクション・シーンがもたもたした演出で全然よくないなど、推薦したい作品かと言うと「う~ん」でした。ジェリーももうちょっと魅力的に使ってほしかったですねー。一番魅力的に描いてあったのは、海爺役のサイモン・ヤムでした。サイモン・ヤムのファンでもある私は、それはそれで嬉しかったんですが。 

お昼は昔行きつけだった安食堂街で牡蠣オムレツ(60元)、肉団子スープ(25元)、白菜の甘酢漬け(25元)。あれ、以前はこのあたり、どの店も自助氷(甘味をいろいろ並べて好きな物を入れてくれ、その上にかき氷をかけてくれる)をやっていたのに、すっかり姿を消しましたねー。

このあと次の映画までいろいろお買い物。誠品書店で本や絵はがきを買ったり(1000元以上買ったので5%引きに)、黒橋牌食品でビーフやポークのジャーキーを買ったり。黒橋牌食品では若い女性店員さんがとてもおススメ上手で、つい800元もお買い物をしてしまいました。おマケにお菓子までくれた、明るくてハキハキした模範店員さんをパチリ! としたのが上の写真です。

あとは、中華路の東側もちょっとチェック。このあたりは電気製品街で、オーディオ専門店とか(『インファナル・アフェア』でアンディとトニーが出会ったようなお店ですね)液晶テレビ専門店とかカメラ専門店とか、いろいろあって面白いです。上写真のように、グイ・ルンメイちゃんとエディ・ポンがニコンの顔としてあちこちにいました。カメラ製品街は、看板がフィルムのデザインになっています。その向かいにある私の大好きな台北中央郵便局は外面を修復中でしたが、中は営業中だったので絵はがき用の切手を買いました。日本までは10元だそうです。安い!

その後は西門町に戻り、おやつを食べてあとの2本に備えました。おやつは、「葱[手偏+爪]餅」というものを初めて食べたのですが、これがインドで言えばローティー(小麦粉を練って層にし、それを平たくして焼いたもの)そのもの。プレインは25元、卵を付ければ10元増し、その他、ハム、チーズ、とうもろこし等を加えても10元増しという、なかなか工夫したおやつでした。私が買った時は次から次へとお客が来て、「おじさん、プレインに卵付きちょうだい」と声をかけたら「見ての通り忙しいんだよ」と文句を言われてしまいました。ところが、私が品物をもらった頃からおじさんの挙動がおかしくなりました。左の写真、右の方を気にしていますが、どうやら取り締まりの人だか警官が来るという情報が入ったみたいで、向かいにあった屋台はいち早く遁走。おじさんも、心ここにあらずという態で餅を焼き続けていました。屋台はやっぱり違法なんですねー。

その後、絶色影城という、ユニクロが入っているビルの8~11階を占める映画館で韓国映画を2本。『泥棒たち』『オオカミ少年』です。これはどちらもアタリ!でした。『泥棒たち』はKotaniさんがコメントを寄せて下さった通り、サイモン・ヤムが日本語をしゃべります。マカオのカジノを舞台にした強奪作戦で、まさにアジア版『オーシャンズ11』のこの映画ですが、キム・ユンソク、オ・ダルス、キム・スヒョンは中国語というか普通話をしゃべるし、サイモン・ヤムと日本人夫婦に化けるキム・ヘスクはサイモン・ヤムよりも達者な日本語をしゃべるといった具合に、ものすごい多言語映画になっています。香港側は普通話と広東語が入り乱れますし、英語もキム・ヘスとアンジェリカ・リーとの会話に登場。キャストといい言語といい舞台といい、まさにグローバルです。チェ・ドンフン監督の頭の良さについて行くだけで精一杯でしたが、盗みのアクションでチョン・ジヒョンが活躍するところなど、痛快なシーンも多くてスカッとしました。が、イ・ジョンジェ様の扱いがちょっともったいなかった....。

『オオカミ少年』もとても見応えがありました。ファンタジー処理をしてある部分もあって、むしろもっとリアルな方が、とも思いましたが、こういう一部ファンタジーの方が若い観客は受け入れやすいと思います。オオカミ少年役のソン・ジュンギが熱演で、ぐっと引き込まれて見てしまいました。

映画が終わったらもう7時半を過ぎていたので、夕食は同じビルにある香港料理の店に。点心2種と高山ウーロン茶でサービス料もついて403元。湯葉巻き揚げがとってもおいしかったのですが、私にしたら贅沢な食事です。ピンもあればキリもあった、今日のご飯でした。さて、明日はいよいよ『血滴子』を見なくっちゃ!


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