アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

台湾新幹線で台中へ(上)

2017-11-08 | 旅行

昨日は映画祭をお休みし、台中へ日帰り旅行をしてきました。「高鐵(高速鉄道)」と呼ばれる台湾の新幹線で約1時間の旅です。高鐵は日本の新幹線なみというか、スカイライナー的な存在で、安いので近距離の人も結構利用しています。南港が始発となり、そこから台北→板橋→桃園→新竹→苗栗→台中→彰化→雲林→嘉義→台南→左營と走るのが今の路線で、そのうち左營の少し先、高雄まで路線が延びるようです。途中、いくつかの駅を飛ばして行く列車もあり、そういう列車だと南港から左營まで、2時間ほどで行ってしまいます。車体も内部も、新幹線仕様でした。

 

チケットを予約したのは2日前で、窓口の女性は英語もきちんと話せてとても親切でした。私が持っていた時刻表が古く、ちょっと予約に手間取ったので、「新しい時刻表はありますか?」と言ったらしばらく捜してから、わざわざ日本語の時刻表を捜し出して渡してくれました。こういうところ、台湾の人の親切に頭が下がります。

 

チケット代は時刻表に700元(2800円弱)と書いてあったのですが、それより安くて片道670元でした。「離峰優恵」とあるので、ピーク(峰)時間を過ぎていることによる割引のようです。その他、何日か前に買うと安いチケット代が設定されていたりと、いろいろ嬉しい特典があります。切符は最後に改札口に入れてもまた戻ってくるので、こんな風に記念品にできます。お弁当の広告が車内にもありましたが、こちらでは「辨當」ではなく「便當」と書いて、「ビンタン」と読みます。100元(400円弱)は安いですね。


車窓からは、工場やマンション、そして農村地帯が見えます。台北に飛行機で降りる時、多くのため池があって目を奪われたのですが、それが地上になるとこんな風景になるのですね。台湾のドキュメンタリー映画『天空からの招待状』(2013)を思い出してしまいます。この映画の齊柏林(チー・ポーリン)監督が少し前にヘリコプター事故で亡くなられたのが、残念でたまりません。この作品の予告編を、しばらくお楽しみ下さい。

『天空からの招待状』映画オリジナル予告編

台中には時間ピッタリに着きました。改札口を出てすぐの所に観光案内所がある、というので行ってみると、そこで衝撃の事実(?)を知らされました。この台中駅は「高鐵台中駅」で、普通の台中駅は別にあり、そこに行くには在来路線「台鐵」に乗って3駅先に行かないといけないのです。どうりで回りが静かだと思いました...。君は新神戸みたいな存在だったのか。写真のように、コンコースに台鐵に行く表示が出ていて、少し歩いて在来線の駅「新烏日(シンウーリー)」に行けます。こちらに「新」がついている、ということは、高鐵と台鐵との乗り換えのためにわざわざ駅を作ったのかしら。新しいピカピカの駅なので、多分そうだと思います。新烏日→烏日→大慶→台中、と乗り継ぎますが、電車の本数が少なく、昼近い時間帯では30分に1本程度しか走っていません。

 

この新烏日駅、面白いスーベニアショップがあって、ここでしばらく遊んでしまいました。台湾中の鉄道グッズを置いているお店で、下のような巨大なジオラマまであります。鉄ちゃんが来たら、いろいろ大人買いしてしまうだろうなあ、というお店でした。


で、在来線に10分ほど乗って台中駅へ。ここも新しくてきれいな駅でした。何かのガイドブックで「昔の駅がそのまま残っている」とあったのですが、旧駅は帰途に見ることにして、まずは台中公園に行ってみることにしました。ところがここで、とんでもない勘違いをしてしまいます。今いる新しい駅が、ちゃんとした駅前だと思ってしまったのです。あとで分かったのですが、この新駅の裏側にある旧駅側がメインの町並みで、観光案内所でもらった地図に書いてあった名所のある側なのでした。


そんなこととは知らず、とりあえずグーグル地図で今いる場所を捜してみると、先の方に公園が出て来ます。2.28記念公園とのことで、台中公園はそういう名前でも呼ばれているのかしら? とずんずん行ってみることにしました。しかし、行けども行けども公園に行き当たりません。おまけに暑くなってきて、30分も歩くと汗みずくに。やっと、興大附農という、国立中興大学の附属農学校の巨大な敷地を通り過ぎて、それらしきものが見えてきました。


2.28事件はご承知のように1947年に発生し、多くの犠牲者を出した、本省人と外省人が対立した事件です。しかし、これはどう見ても台中公園じゃないよなあ。もう疲れてぐったりしていたのですが、とりあえず台中駅まで行けるバスのバス停を捜してみることにしました。というのも、観光案内所の女性が勧めてくれて、パスモかスイカみたいな交通系のカードをセブン・イレブンで買ったのです。「10キロ以内ならバスは無料になるし、台北の地下鉄にも乗れるし便利ですよ」というわけで少し歩いてバス停を見つけ、涼しいバスに乗って台中駅まで。こちらのバスは、2つある乗降口のうちどちらから乗ってもよく、乗る時にカードを機械にタッチします。そして、ボタンを押して降りる時にも、機械にカードをタッチすればOK、というシステムです。降りるのも、前、後ろ、どちらでもかまいません。

 

そうして着いたのが、新駅とは反対側にある旧駅でした。こちらがメインなのか~。しかし、この駅前、何か活気がなく、建物も古びていて、つぶれたレストランとかがそのままになっています。お昼なのでご飯を食べたいのですが、目立つのは「補習班」と呼ばれる予備校ばかりで、気温が30度ぐらいまで上がってきたこともあって、頭がクラクラしてきました...。(続く)

 


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2 コメント

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台中駅 (エドモント)
2017-11-09 19:52:21
cinetamaさん なかなか大胆な旅をしますなぁ~。
あまり細かく調べずに、行き当たりばったりな旅も良いですね。台湾だと、よほど交通が不便な場所に行かない限りは、何とかなるから可能ですし。
そうなんです。台湾高鐵は、在来線(台鐵西部幹線)の駅と隣接している駅が少ないのです。
台鐵新烏日駅は、高鐵乗り換えの為に出来た新しい駅で、台中出身の方の話では、高鐵(新幹線)の工事が始まるまでは農村地帯だったそうです。
台鐵台中駅は、いわゆる駅前百貨店が無い場所で、駅前が殺風景かもしれませんね。しかも、高架化され新站(駅)になりましたから、工事箇所が多く余計に感じるかもしれません。
ちょっと歩いて緑川を超えると、飲食店が増えて来ます。日本統治時代眼科だった建物を利用したスイーツ店"宮原眼科"も緑川の近くにあります。
これから、高架下の整備や、バスターミナル整備も行われるでしょうから、次回訪問の際は、もう少し食べるお店が増えていることでしょう。
それにしても、金馬奨影展で楽しみながらの台中行き、羨ましいです。
エドモント様 (cinetama)
2017-11-10 00:02:07
コメント、ありがとうございました。
台湾にお詳しいエドモントさんが、以前話して下さった嘉義へ行く、というアイディアも頭をよぎったのですが、まずは近場から攻めてみました。

私も一応、ガイドブック(友人が編集に関わっていて、以前もらった2年ほど前の版)を読んだり、ネットで調べたりしていくのですが、いつもどこか抜けているんですね。
でも、こういうドジをいろいろやった方が、発見はあるしネタにもできるしで、面白いでしょ。

エドモントさんのご説明で、駅の件はやっぱりそうか、と判明、ありがとうございました。
高鐵は、多くの駅が「新神戸」か「岐阜羽島」なんですね。
今度から、その覚悟で行きます。

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