アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン>前売り開始

2017-09-15 | インド映画

第6回目となった<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン>、略称IFFJ。明日9月15日(土)からいよいよ前売り開始です。今年は本数がさらに増え、そのため期間も延長となった上、インド人ゲスト来日も復活するなどスケールアップ。全16本とあっては当日券¥1,800で見ていると破産しそうで、前売りの1回券¥1,500、3回券¥3,900を上手に使って見ないといけませんね。公式サイトで作品情報をしっかりチェックして、ご覧になりたい作品を選んで下さい。予告編もそちらで見られます。このブログでも一応上映作品をご紹介しますが、コメントは作品情報から漏れた事柄や個人的な感想などを書いておきますので、まずは公式サイトをじっくりとご覧くださいね。その上でこちらをお読みいただければ幸いですが、ここではついでに、インド映画連続講座ご参加の皆さんのために、タイトルの意味をちょこっと書いておきます。


『スルターン』
 2016/ヒンディー語/169分/原題:SULTAN
 監督:アリー・アッバース・ザファル
 出演:サルマーン・カーン、アヌシュカー・シャルマー
Cinetama's Comment:日本語字幕版DVDも小規模販売されているのですが、大スクリーンでこそ楽しむべき秀作です。フェミニズムの視点がしっかりと入っていることに拍手パチパチ。個人的には、『わが人生3つの失敗』(2013)に出演しながら、他の2人、スシャーント・シン・ラージプート(『M.S.ドーニー』)やラージクマール・ラーオ(『クイーン』)に遅れを取っていたアミト・サードが、光る役で出ていて大満足。スルターンのコーチ役ランディープ・フッダーにもご注目下さい。本作の大ヒットにより、アリー・アッバース・ザファル監督は、本年12月末公開予定の『Tiger Zinda Hai(タイガーは生きている)』(『タイガー 伝説のスパイ』の続編)の監督も任されました。

Sultan Poster

『心~君がくれた歌~』
 2016/ヒンディー語/157分/原題:AE DIL HAI MUSHKIL
 監督:カラン・ジョーハル
 出演:ランビール・カプール、アヌシュカー・シャルマー、アイシュワリヤー・ラーイ
Cinetama's Comment :「Ae(おお、とか、ああ、とかの意味になる間投詞) Dil(心は) Hai(~である) Mushkil(難しい)」なんですが、IFFJ公式サイトの解説にあるとおり、「まったく、心ってヤツはどーしようもないな」という感じのタイトルです。ボリウッド映画界の目下の流行、海外を舞台にぐじゃらぐじゃらと恋模様、というのをボクも作ってみましたbyカラン・ジョーハル的な作品で、アイシュワリヤー・ラーイ・バッチャンのゴージャスな姿が拝めます。

Ae Dil Hai Mushkil Poster

『バドリナートの花嫁』
 2016/ヒンディー語/139分/原題:BADRINATH KI DULHANIA
 監督:シャシャンク・カイタン
 出演:ヴァルン・ダワン、アーリヤー・バット
Cinetama's Comment:「Badrinath(バドリーナート。ここでは人名ですが、ウッタラーカンド州にある聖地の名前でもあります) Ki(~の。後ろに女性名詞が来るので女性形) Dulhania(花嫁)」で、インドで見た時の感想はこちら。この記事では「舞台はラージャスターン州のコーター」と書いてしまったのですが、IFFJ の解説では「ジャーンシー」になっていました。一部のロケ地がコーター、というだけだったのですね、すみません。東武ワールドスクエアみたいな場所が登場するのですが、コーターにある「世界七不思議公園(Seven Wonders Park)」というのだそうです。北インド中部の観光スポットが何カ所が出て来るほか、シンガポールも登場。

 Badrinath Ki Dulhania Poster

『フライング・パンジャーブ』
 2016/ ヒンディー語/ 148分/原題:UDTA PUNJAB
 監督:アビシェーク・チョーベー 
 主演:シャーヒド・カプール、アーリヤー・バット、カリーナー・カプール
Cinetama's Comment:「Udta(発音は”ウルター”で、飛ぶ、浮遊する、空中に舞う、などの意味) Pujab(パンジャーブ州)」で、Netflixでの邦題は『パンジャブ・ハイ』。Netflixでは人名表記等が一部「ありゃりゃ」だったので、ちゃんとした字幕でぜひ。昨年のボリウッド映画の中で一番の問題作、と言っていいい作品ですが、さすがにこれではパンジャーブ州の人は気分を害するだろう、と思う箇所も。アーリヤー・バットが熱演を見せるほか、シャーヒド・カプールやシク教徒警官役のディルジート・ドーサーンジも見事な演技を見せてくれます。

Udta Punjab Poster

『ディシューム~J&K~』
 2016/ヒンディー語 /116分/原題:DISHOOM
 監督:ローヒト・ダワン
 出演:ジョン・エイブラハム、ヴァルン・ダワン、ジャクリーン・フェルナンデス
Cinetama's Comment:監督のローヒト・ダワンは主役ヴァルン・ダワンの兄で、2011年に『Desi Boyz(インド人青年)』で監督デビュー。人気コメディ作品を量産した父デヴィッド・ダワンの血を引いてか、今回のアクション・コメディも上手に料理しています。脚本もローヒト・ダワンで、ひとひねりあるストーリーといい、上記以外の豪華な出演者(カメオも含む)の使い方といい、なかなかグー。昨夏見た時のご紹介はこちらです。

Dishoom Poster

『ハッピーただいま逃走中』
 2016/ヒンディー語/120分/原題:HAPPY BHAG JAYEGI
 監督:ムダッサル・アズィーズ 
 出演:ダイアナ・ペーンティ、アバイ・デーオール
Cinetama's Comment:「Happy(本名はハルプリート・カウルという女の子の呼び名) Bhag(バーグナーは”逃げる、走る”でその語幹形) Jayegi(ジャーナー”行く”の未来形ですが、語幹+ジャーナーで”~してしまう”の意味になります。”逃げてしまうだろう”という意味で、主語が女性なので”ジャーエーギー”と女性形になっています)」。インドとパキスタンにまたがるコメディで、当時パキスタン・ファクターを入れ込むのがボリウッドのミニ・トレンドになっていたのですが、この作品が公開された直後の9月にカシミールで19人のインド人兵士が死亡する襲撃事件が発生。以後、パキスタン人俳優排斥が叫ばれたほか、パキスタン・ファクターを映画に登場させることなどできなくなってしまいました。昨夏見た時の感想はこちら。ダイアナ・ペーンティーは『カクテル』(2012)とはがらりと印象が違ってびっくり。

Happy Bhag Jayegi Poster

『アキラ』
 2016/ヒンディー語/136分/原題:AKIRA
 監督:A. R. ムルガダース
 出演:ソーナークシー・シンハー、コンコナー・セーン・シャルマー、アヌラーグ・カシュヤプ
Cinetama's Comment:未見。ヤシュ・チョープラー監督が『命ある限り』でアヌシュカー・シャルマーの役名を「アキラ」としたばっかりに、ボリウッドでは「アキラ」は女性名というのが定着してしまった感があります。まあ、女性名でもあるのですが、日本では池井戸潤の本のように、男性名と考えるのが普通ですよね。タミル語映画『ガジニ』(2005)など多くのヒット作を作っているムルガダース監督のアクション・ヒロイン、楽しみです。

Akira Poster

『幸せをつかむダイエット』
 2016/マラーティー語/108分/原題:VAZANDAAR
 監督:サチン・クンダルカル 
 出演:サイー・タームハンカル、プリヤー・バーパト
Cinetama's Comment:未見。「Vazandaar(ヒンディー語で「ワザン」は”重さ”、「ダール」は”~を持っている”なので”重さのある”という意味なのですが、マラーティー語も同じ?)」

Vazandar: Biggie Poster

『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』
 2016/英語/64分/原題:THATS WHAT IS ALL ABOUT
 監督:ヴィディ・カースリーワール
 出演:スーラジ・バルジャーティヤ、サルマーン・カーン
Cinetama's Comment:未見。監督のヴィディ・カースリーワールは、『プレーム兄貴、お城へ行く』の監督スーラジ・バルジャーティヤ(バルジャーツヤー)の姪だそうで、同監督のヒット作『Vivah(結婚)』(2006)の助監督なども務めたほか、自身でも映画を1本監督しています。この作品ですが、上映時間が短いのと、ドキュメンタリーだということで、チケット代が¥1,000とかに....ならないですよね(ため息)。

Prem Ratan Dhan Payo Poster

『ラマン・ラーガヴ 2.0 ~神と悪魔~』
 2016/ ヒンディー語/ 133分/原題:RAMAN RAGHAV 2.0
 監督:アヌラーグ・カシュヤプ 
 出演:ナワーズッディーン・シッディーキー、ヴィッキー・コウシャル
Cinetama's Comment:未見。「Raman(人名) Raghav(人名)」ナワちゃんの主演作ですが....。

 Raman Raghav 2.0 Poster

<追記>見ました。「殺したいから殺した。メシを喰うように人を殺した」という主人公に慄然。しかし、その論理で振り返ってみるとストーリーに矛盾も生じるという、脚本の弱さも。そのラマン/ラーマナン(ナワーズッディーン・シッディーキー)に対するのが警部のラーガヴ/ラーガヴァンで、演じているのは何と『生と死と、その間にあるもの(Masaan/火葬場)』(2015/Netflixで見られます)のヴィッキー・コウシャル。今年の3月に撮影現場でチラと彼にも会ったのですが、その時のさわやかな素顔(↓)とは全然違うダーティーな警部役で驚きました。

この作品、インドでの検定は「A」指定ですし、過激な性表現とヴァイオレンス・シーンがあるので、お気を付け下さい。(そう言えば、『フライング・パンジャーブ』もA指定ですね。こちらも、高校生以下のお子様とご一緒にいらしたりなさらないよう、ご注意下さい)

『ベーフィクレー~大胆不敵な二人~』
 2016/ヒンディー語/130分/原題:BEFIKRE
 監督:アーディティヤ・チョープラー
 出演:ランヴィール・シン、ヴァーニー・カプール
Cinetama's Comment:「Befilre(”be/~のない”+”fikre/心配、悩み、考え”=憂いのない)」タイトルの通り、な~んも考えてない2人が、豪華なパリのアパルトマンやセーヌのほとりで、あ~んなことやこ~んなことをやってしまいます(お肌露出度高し)。カラン・ジョーハル作品にシンクロする、ボリウッド映画界の目下の流行、海外を舞台にぐじゃらぐじゃらと恋模様、というのをボクも作ってみましたby アーディティヤ・チョープラー的作品で、いくら仲良しさんでもそこまでシンクロしなくても...と思うのは私だけ?? カメラマンの小野山要さんはパリ在住の方のようで、こちらに詳しい紹介インタビューが。

 Befikre Poster

『サルカール3』
 2017/ヒンディー語/124分/原題:SARKAR 3
 監督:ラーム・ゴーパル・ヴァルマー
 出演:アミターブ・バッチャン、ジャッキー・シュロフ、アミト・サード
Cinetama's Comment:未見。「Sarkar(支配者、為政者。”旦那様”等の呼びかけ語にもよく使う)」シリーズもいよいよ3作目、『ゴッド・ファーザー』に並びましたね。今回は、アミト・サードが演じるサルカールの孫世代が登場、どんな展開になるのでしょうか。

Sarkar 3 Poster

『僕の可愛いビンドゥ』
 2017/ヒンディー語/116分/原題:MERI PYARI BINDU
 監督:アクシャイ・ローイ 
 出演:アーユシュマーン・クラーナー、パリニーティ・チョープラー
Cinetama's Comment:未見。「Meri(私の。修飾される語が女性名詞なので女性形) Pyari(かわいい、愛おしい。これも同じく女性形) Bindu(人名)」アクシャイ・ローイ監督はこれまで短編を撮ってきて、それが認められて本作で監督デビュー。

Meri Pyaari Bindu Poster

『M.S.ドーニー ~語られざる物語~』
 2016/ヒンディー語/184分/原題:M.S. DHONI
 監督:ニーラジ・パーンデー 
 出演:スシャーント・シン・ラージプート、ディシャー・パターニー、キアラー・アドワーニー
Cinetama's Comment:クリケット選手としては、サチン・テーンドゥルカルと並んで人気のあるM.S.ドーニー選手の半生を丁寧に描きます。こんな過程をたどって有名選手になっていくのか、という歩みが興味深く、特に国鉄勤務時代のシーンなどは驚くことばかり。インドのクリケット人気の基礎部分を知ることができます。

M.S. Dhoni: The Untold Story Poster

『始まりは音から~インド詩七篇~』
 2016/ヒンディー語/122分/原題:SHOR SE SHURUAAT
 監督 :ラーフル・V・チッテラー、アミーラー・バルガヴァ他
 出演:アトゥル・クルカルニ、サンジャイ・ミシュラー
Cinetama's Comment:未見。「Shor(騒音、叫び) Se(~から、という意味の後置詞) Shuruaat(始まり)」7人の若手監督によるオムニバス、とのことなので、全員の名前、性別、略歴等を挙げておきます。(順不同)
・アミーラー・バルガヴァ(バールガヴァ/女性)~ニューデリー出身。『女神は二度微笑む』(2012)の製作現場助手等も務める。
・スプリヤー・シャルマー(女性)~ムンバイがベース。ナーゲーシュ・ククヌール監督の助監督を長く務める。
・アルニマー・シャルマー(女性)~プネーのFTII卒業。『カクテル』(2012)や『ファニーを探して』(2014)の助監督。
・アニー・ザイディー(女性)~短編小説、エッセーなどを書く作家であり、短編映画の監督も。
・ラーフル・V・チッテラー(男性)~ムンバイがベース。ミーラー・ナーイルの助監督を務める。
・サティーシュ・ラージ・カシレーッディー(カーシーレーッディー?/男性)~テレビ畑から映画界へ。イムティアーズ・アリー監督の助監督を務める。
・プラティーク・コーターリー(男性)~テレビや短編映画の俳優としてキャリアをスタート。短編やミュージック・ビデオを製作。

Shor Se Shuruaat Poster

『マントラ』
 2017/英語/90分/原題:MANTRA
 監督:ニコラス・カルコンゴール
 出演:ラジャト・カプール、カルキ・ケクラン
Cinetama's Comment:未見。「Matra(祈りの言葉、呪文)」ニコラス・カルコンゴール監督はメーガーラヤ州シロン出身のようです。

Mantra Poster

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上映スケジュールも公式サイトからチラシをDLしてご確認ください。公式サイトでは、作品の使用言語が一部間違っていたりしますが、チラシでは正しく表記されていますので念のため。


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