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「君の名は。」 (2016年 日本映画)

2016年10月01日 | 映画の感想・批評


 今年の夏は日本中がオリンピック~パラリンピックのリアルな感動に沸き、映画興行は今一つの感があったが、8月下旬にこの作品が公開されるや否やそんな心配も吹っ飛んだ。予想もつかない超特大ヒットに業界もうれしい悲鳴をあげている。10月2日現在、興行収入は128億円を突破し、200億円も夢ではない。そうなれば「千と千尋の神隠し」に続く、日本アニメ史上2位の記録となるのだが、その夢も日に日に現実味を帯びてきた。
 いったいこの社会現象ともいえる快挙はどうして生れたのだろう。その理由を探ってみた。まず、劇場に入ってみて、観客のほとんどが10~20代の若者であることに気が付く。中には往年の名作「君の名は」と同じ題名に魅かれて入場したとみられる熟年の姿もあるが、若者たちに火がつけば広がり方は大きい。口コミやネット、あらゆる情報手段を使って、今得た感動を多くの“友だち”に伝え共有しようとする。公開時期もよかった。8月下旬といえば、夏休みの子ども向け作品の勢いが一段落したころだが、学生たちはまだ長~い夏休みの真っ最中。やっと自分たちが本当に見たかった作品の登場となったわけだ。
 監督は2002年に短編作品「ほしのこえ」でデビューした新海誠。その後「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」「星を追う子ども」「言の葉の庭」と、海外の映画祭にも出品が続き、次世代の監督として高い評価を受けファンを増やしてきた。そこに作画監督として「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」等のジブリ作品を手掛けてきた安藤雅司が加わり、メジャーな作品に仲間入り。そういえばキャラクターたちの顔つきもジブリ作品に出てくる面々と何となく似ていて安心感が。
 これぞ新海作品と思えるところは、なんといっても色彩豊かな美術背景だ。とことん細部まで描かれた画は、今までにない美しさとリアル感にあふれ、舞台となった東京の街並みや飛騨の自然がキラキラ輝いて見える。そこに感動した多くの若者たちが『聖地巡礼』と称し、登場した場所を次々と訪れているというから面白い。
 そしてこの作品の最大のテーマと言える「人と人とのつながり」を「ムスビ」という言葉と組紐に託し、災害の続く世界から人々の命を救う手段としたところも見事。主人公たちの心の叫びを鮮烈に語るRADWIMPSの音楽も心にキュンと響く。
 人はみな「運命の人との出会い」をいつもどこかで待ち望んでいるのだ。もう会えたかな、「君」と。
(HIRO) 

監督:新海誠
脚本:新海誠
作画監督:安藤雅司
撮影:福澤瞳(チーフ)
音楽:RADWIMPS
声の出演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子
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