チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

あまりにひどい防衛局の虚偽説明---大浦湾沿岸部での「付替道路」工事について

2015年12月17日 | 沖縄日記・辺野古

  防衛局は11月末から大浦湾のシュワブ基地沿岸部のヤニバマ(通称「米軍レジャービーチ」)で、工事用仮設道路工事を始めている(この工事の概要と問題点については、当ブログ・12月3日版を参照されたい)。

 この工事用仮設道路は、昨年仲井真前知事が退任直前に設計概要変更申請を承認した「工事用仮設道路」には含まれておらず、何故か「中仕切岸壁新設工事」の設計書の中に「付替道路」として記載されている。しかしこの「付替道路」は、埋立護岸工の施工のための工事用進入路であり、海岸部に栗石を入れた網(根固め用袋材)を並べて造成する工法も「工事用仮設道路」と全く同一である。

(ヤニバマから小さな岩礁を超えて根固め用袋材が置かれ、隣のクバマまで「付替道路」が造成されている。撮影12月3日

 私は、大浦湾に船で出ている際にこの工事が始まったことを確認し、名護市教委や沖縄県海岸防災課に現地写真や関係資料を提供し、設計概要変更申請を出さない公有水面埋立法違反、埋立承認の際の留意事項違反、赤土等流出防止条例違反、文化財保護法違反工事だと指摘した。

 県は防衛局に、詳細な図面等の提出を求めるとともに「この新たな道路を追加する場合、公有水面埋立法に基づく設計概要変更承認申請が必要となることから、手続が終了するまでは、当該道路を施工しないよう申し添えます。」と指示した(12月4日)。また名護市教委も、試掘調査予定地との関係を確認するために現地立入調査を求めた。 

(上図の工事用仮設道路①と同②の交点近くの朱色の部分が今回、工事が始まった「付替道路」)

 防衛局は県の文書照会に対して、12月14日、「各種作業の安全性と効率性を確保するため、パネルなどを一時的に敷設している」とわずか1枚の文書を送っただけで、県から求められた図面等の資料は全く提出していない。

 また、名護市教委は12月15日、やっと立入が認められたが、この道路工事の手前で同行した防衛局職員により、「米軍の許可が出ていない」として、それ以上現場に近づくことは拒否されたという。その際の防衛局職員は、「仮設道路ではない。フロートなどを海に浮かべるために鉄板を敷いている。フトンカゴ(網に石材を入れたもの)も置いていない。」と説明したという。 

 このようなふざけた説明は許されない。防衛局は、「一時的にパネルを設置している」「フトンカゴは置いていない」と説明しているが、私がこのブログで紹介した多くの写真だけではなく、地元紙の記者が海上から撮影した写真でも、現場には根固め用袋材(石材を網に入れたもの)が並べられ、その上にパネルが敷かれていることは明らかだ。

 また、「フロートなどを海に浮かべるために鉄板を敷いている」という説明も噴飯ものだ。大浦湾に張り巡らされているフロートは、クレーンでヤニバマに並べられ、作業船で海に引き出されている。今回、造成されている道路は、途中で90度に曲がっており、フロートをまっすぐに引き出すことはできない。

              (網に入った石材を吊り上げている。撮影12月3日

(ヤニバマから小さな岩礁を超え、クバマに根固め用袋材が敷かれている。その上にパネルが置かれる。撮影12月4日

 

 上図のように、今回の「付替道路」は、大浦湾奥のK-9護岸設置のための工事用進入路である。防衛局はなんとか年内にでも大浦湾に「捨石」(護岸工の基礎となるゴロゴロとした岩)を投入しようと狙っており、その準備作業が始まっているのだ。しかし、全くの違法工事であるだけではなく、防衛局が繰り返している虚偽説明は許されるものではない。

 このような違法工事をただちに中止させ、撤去させることが必要だ。沖縄県と名護市の毅然とした対応が求められる。

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