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神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「経営に関する法律情報」、
「ビジネスITスキル情報」)による専門家の記事を掲載しています。

本日は、「経営に関する法律情報」をテーマとした法律事務所 佐(たすく)
弁護士 佐々木光春氏の7回目の記事となります。
今回のテーマは「職務発明に関する実務対応(その1)」です。
なお、前回のブログを見逃した方はこちらからご覧いただけます!
製造物責任法(その2)
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経営に関する法律情報 第7回

職務発明に関する実務対応(その1)

 今回と次回は、今年4月より改正法が施行されている職務発明についてお話しします。
 
 「職務発明」の正確な定義は特許法第35条第1項にありますが、簡単に言ってしまうと、職務発明とは、
従業員などが職務上、特許権の対象となるようなアイディアを発見した場合のことです。
 職務発明に関しては、権利帰属(特許を受ける権利が会社に帰属するのか、従業員に帰属するのか)や
権利が会社に帰属する場合の対価などが問題となってきます。これらの問題に対処するため大企業の99%
が職務発明に関する規程を整備しておりますが、中小企業の場合には、この点に対する関心はあまり高くなく、
規程を設けて対応している会社は全体の20%程度にとどまっているのが現状です。
 
 法律上、職務発明についての規程作成が義務づけられているわけではなく、中小企業にとってこのような
規程整備に要する負担は小さなものではありませんので、会社の事業の内容(特許が問題となる事業を
対象としているか)などを考慮して、あえて規程を設けないという対応をとることも十分合理的な判断です。
もっとも、職務発明制度について十分な理解がないが故に何らの対応もとられていないという会社も散見されます。

 職務発明制度について、一番多く、また、重大な誤解は、職務発明に関する規程や契約がないまま職務発明が
なされた場合、当該発明について特許を受ける権利を原始的に取得するのは、会社ではなく、従業者であるという
ことです(特許法第29条1項柱書、同法第35条3項参照)。感覚的には、従業者が会社の業務として行った開発で
ある以上、当然、それによる権利も会社に帰属するようにも思えますが、特許法は、そのように定めていないのです
(もっとも、会社には「通常実施権」という非独占的・非排他的に特許発明を実施できる権利が認められます(特許法第35条1項)。)。
 例えば、製品等の開発委託契約を締結する際に、企業間では、「開発にかかる特許権は委託者に取得させる」旨の
条項を設けておきながら、開発業務に従事させる従業者との間では職務発明に関する規程や取り決めを設けていない
ケースがありますが、このようなケースでは、特許を受ける権利は、あくまで開発受託会社の従業者個人に帰属し、
開発受託会社自体には帰属しませんので、開発受託会社としては開発委託者に特許権を取得させることができず、
債務不履行になってしまうという問題が生じ得ることになります。

 このように、職務発明について特許を受ける権利を会社に帰属をさせたい(帰属させる必要がある)という場合には、
あらかじめ職務発明に関する規程を設けるなど、会社として積極的な対応をとる必要があるのです(余談になりますが、
今年4月の新特許法改正前は、規程などを設けても原始的に会社に権利帰属させること自体認められていませんでした。)。
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法律事務所 佐(たすく)
 弁護士 佐々木 光 春

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