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神奈川県中央会では、3つのテーマ(「経営革新情報」、「経営に関する法律情報」、
「ビジネスITスキル情報」)による専門家の記事を掲載しています。

本日は、「経営に関する法律情報」をテーマとした法律事務所 佐(たすく)
弁護士 佐々木光春氏の14回目の記事となります。
今回のテーマは「賃貸借契約の勘所(その3)」です。
なお、前回のブログを見逃した方はこちらからご覧いただけます!
賃貸借契約の勘所(その2)
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経営に関する法律情報 第14回



賃貸借契約の勘所(その3)


前回は、土地や建物の賃貸借契約は、契約期間が満了しても自動的に契約更新される場合があるというお話をしました。


もっとも、この自動更新は、

①借地借家法の適用が認められる賃貸借契約であることと、

②賃貸人から「正当の事由」がある更新拒絶がなされていないこと

が前提となります。


①は特殊な賃貸借契約の場合ですので、次回お話しすることにして、今回は、②についてお話しします。



借地借家法6条と28条は、「正当の事由」を判断するのに以下の事情を考慮することを求めています。


 ⅰ.土地又は建物の使用を必要とする事情

 ⅱ.借地又は建物の賃貸借に関する従前の経緯

 ⅲ.土地又は建物の利用の状況

 ⅳ.借家に関しては建物の現況

 ⅴ.財産上の給付



まず、ⅰですが、これは、賃貸人と賃借人のどちらが、どの程度、土地や建物の使用を必要としているのかという問題です。
賃貸人側に土地や建物の使用を必要とする事情が認められない場合には、
ⅱ以下の要素がどんなに強くても、「正当の事由」は肯定されませんので、
大家さんから更新拒絶を受けた場合には、最初に、「立ち退きした後の土地(建物)を何に使う考えなのか」を確認すべきことになります。


たとえば、賃貸人が被災してしまい住める建物が賃貸中の建物しかないので立ち退いて欲しいという場合と
賃貸人に立ち退いてもらってから売却すれば高額で売れるので立ち退いてもらいたいという場合では、
「正当の事由」が認められるかどうかの見通しが全く異なることになります。


また、賃借人側の必要性も検討されることになりますので、「正当の事由がない」として立退き要求を拒絶する場合でも、
代替物件があるのかどうかといった調査はしておかなければならないことになります。


次に、ⅱ賃貸借に関する従前の経緯については、なぜ賃貸借契約を締結するに至ったのか(取引関係など特別な関係に基づくものかどうかなど)、
賃料が相当か、賃貸借契約を締結してからどれくらいの期間が経ったか、賃貸借契約期間中の賃料は遅滞なく支払われていたかなど、
様々な事項が検討されることになります。


第三にⅲ土地や建物の利用状況については、
周辺地域における土地の標準的利用との差異や建物の種類・用途に則った利用がなされているかといった事情が検討されることになります。

 
第四に借家の場合には、
ⅳ建物の現況として、建物の経過年数、残存耐用年数、建物の腐朽損傷の程度、
大修繕の必要性の有無、修繕費用、当該地域における土地の標準的使用に適った建物であるかなどが考慮されます。


最後にⅴですが、前回お話ししたような借地借家法による契約の自動更新についてご存じない方でも、
「立退料」という言葉を耳にしたことのある方はほとんどだと思います。

実は、この立退料は、「財産上の給付」という形で借地借家法に登場するものです。
他の考慮要素は、いずれも、調整がきかないものですが、「財産上の給付」は金額的な調整をすることも可能ですので、
他の考慮要素から認められる正当事由の充足度に応じて、「正当事由」が肯定されるために「財産上の給付」が必要かどうか、
必要だとしてどれくらいの金額になるのかが決められることになるのです。


以上のように、「正当の事由」の有無や「正当の事由」を補強するための立退料提供の必要性とその額は、
土地や建物を巡る様々な要素を考慮して決められることになるのです。

  


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法律事務所 佐(たすく)
 弁護士 佐々木 光 春

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