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神奈川県中央会では、3つのテーマによる専門家の記事を載せています。

本日は「労働関連情報」をとして株式会社人財経営センター須田労務マネジメント事務所 須田徹也氏の第50回目の記事となります。

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何故、労働審判への申立件数が増えているのか?


労働問題に関して、弁護士が講師を務めるセミナーや執筆した書籍では、裁判例を引用して労働事件の争点や対応策が解説されています。裁判例が頻繁に出てくると、いかにも訴訟事件が多発しているのではないかと誤解してしまいますが、現実的には裁判に至るのは稀なケースで、身近で聞いたことがある人は少ないものと思われます。

ところが、昨今の企業業績の悪化などを背景にして、裁判にまで至らないまでも労働基準監督署などに寄せられる相談件数は毎年増え続けています。そこで、年々複雑化する労務問題を通常の裁判ではなく、簡潔かつスピーディーに解決することを目指して、労働審判制度というものが平成18年4月に創設されました。

この制度は、裁判官1名、労働側審判員1名、会社側審判員1名の合計3名で構成され、3回以内の審理でスピード解決を図る仕組みです。
通常の訴訟であると1年以上かかるものが、労働審判制度だと申立てから事件の終結まで平均約70日で終了し、使い勝手が良い制度といわれています。この制度は、裁判のように判決が言い渡されわけではなく、まず調停案が提示され、それに応じない場合に審判が下されるというものです。この審判に不服があり、どちらかが異議申し立てをすると訴訟に移行します。創設以来の統計では、8割近くが調停案を受け入れているということで、極めて解決率の高い制度といえます。

この労働審判への申立ては急増しており、創設された平成18年度から4年間で4倍にも達しています。労務トラブルの増加に比例して申立件数は今後も増え続けることが予想されます。
短期間にこれほど件数が伸びたのは、上述のとおり、使い勝手のよい制度であるという評判が広まったからです。
それと今後は、弁護士数が増えた結果、業界内の競争が激化し、新たなマーケットでもある労働審判に解雇、雇止め、未払い残業代問題などの労働事件を持ち込む弁護士が増える、といわれています。

労働問題をビジネスの対象にするのは馴染まず、不適切とも思われますが、しかし、現実のようです。

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株式会社人財経営センター 代表取締役 須田徹也(社会保険労務士)
http://www.jinzai-info.com


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