chuo1976

心のたねを言の葉として

「やぎさん ゆうびん」  まどみちお

2013-02-27 05:50:24 | 文学
「やぎさん ゆうびん」  まどみちお




しろやぎさんからおてがみ ついた
くろやぎさんたら よまずにたべた
しかたがないので おてがみかいた
ーさっきのおてがみ
 ごようじ なあに
くろやぎさんからおてがみ ついた
しろやぎさんたら よまずにたべた
しかたがないので おてがみかいた
ーさっきのおてがみ
 ごようじ なあに



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「ぞうさん」  まどみちお

2013-02-23 05:17:29 | 文学
「ぞうさん」  まどみちお

  


ぞうさん、ぞうさん、おはながながいのね
そうよ、かあさんもながいのよ
ぞうさん、ぞうさん、だれがすきなの
あのね、かあさんがすきなのよ





1948年または1951年作詞  團伊玖磨(だんいくま)作曲
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「さくら」   まどみちお

2013-02-21 06:21:28 | 文学
「さくら」   まどみちお



まいねんの ことだけれど
また おもう
いちどでも いい
ほめてあげられたらなあ...と
さくらのことばで
さくらにそのまんかいを...
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「なんでもない」   まどみちお

2013-02-19 06:02:38 | 文学
「なんでもない」   まどみちお



なんでもない ものごとを
なんでもなく かいてみたい
のに つい なんでもありそうに
かいてしまうのは 
かく オレが
なんでもないとは かんけいない
なんにもない にんげんだからだ
ほら このみちばたで
ホコリのような シバのハナたちが
そよかぜの あかちゃんとあそんでいる
こんなにうれしそうに!
なんでもないからこそ
こんなに なんでも あるんだ
天のおしごとは
いつだって こんなあんばいなんだ
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「ぼくが ここに」       まど・みちお

2013-02-18 05:36:02 | 文学
  「ぼくが ここに」       まど・みちお



ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない

もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない

ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも

その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として
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「私が歌うと」   谷川俊太郎

2013-02-17 04:58:19 | 文学
「私が歌うと」   谷川俊太郎




私が歌うと 世界は歌の中で傷つく
私は世界を歌わせようと試みる
だが世界は黙っている

言葉たちは いつも哀れな迷子なのだ
とんぼのように かれらはものの上にとまっていて
夥しい沈黙にかこまれながらふるえている

かれらはものの中に逃げようとする
だが言葉たちは 世界を愛することが出来ない

かれらは私を呪いながら
星空に奪われて死んでしまう

──私はかれらの骸を売る
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「私は言葉を休ませない」  谷川俊太郎

2013-02-16 05:32:25 | 文学
「私は言葉を休ませない」  谷川俊太郎




私は言葉を休ませない

時折言葉は自らを恥じ 私の中で死のうとする
その時私は愛している

何も喋らないものたちの間で 人だけが饒舌だ
しかも陽も樹も雲も 自らの美貌に気づきもしない

速い飛行機が人の情熱の形で 飛んでゆく
青空は背景のような顔をして その実何も無い

私は小さく呼んでみる 世界は答えない

私の言葉は小鳥の声と変わらない
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「さながら風が木の葉をそよがすように」  谷川俊太郎

2013-02-15 05:49:13 | 文学
「さながら風が木の葉をそよがすように」  谷川俊太郎




さながら風が木の葉をそよがすように
世界が私の心を波立たせる

時に悲しみと言い時に喜びと言いながらも
私の心は正しく名づけられない

休みなく動きながら世界はひろがっている
私はいつも世界に追いつけず
夕暮や雨や巻雲の中に 自らの心を探し続ける

だが時折私も世界に叶う
風に陽差に四季のめぐりに 私は身をゆだねる──
──私は世界になる
そして愛のために歌を失う

だが 私は悔いない
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「一篇」   谷川俊太郎

2013-02-13 06:08:23 | 文学
「一篇」   谷川俊太郎




一篇の詩を書いてしまうと 世界はそこで終わる
それはいまガタンと閉まった戸の音が
もう二度と繰り返されないのと同じくらい
どうでもいいことだが

詩を書いていると信じる者たちは
そこに独特な現実を見出す
日常と紙一重の慎重に選ばれた現実
言葉だけとか言えばそうも言えない
ある人には美しく
ある人には分けの分からない魂の
言いがたい混乱と秩序

一篇の詩は他の一篇とつながり
その一篇がまた誰かの書いた一篇とつながり
詩もひとつの世界をかたちづくっているが
それはたとえば観客で溢れた野球場と
どう違うのだろうか

法や契約や物語の散文を一方に載せ
詩を他方に載せた天秤があるとすると
それがどちらにも傾かず時に
かすかに 時に激しく揺れながら
どうにか平衡を保っていることが望ましいと
ぼくは思うが
もっと過激な考えの者もいるかもしれない

一篇の詩を書く度に終わる世界に
繁る木にも果実は実る
その味わいはぼくらをここから追放するのか
それとも ぼくらをここに囲い込んでしまうのか

絶滅しかけた珍しい動物みたいに
詩が古池に飛びこんだからといって
世界は変わらない

だが世界を変えるのがそんなに大事か

どんなに頑張ったって詩は新しくはならない
詩は歴史よりも古いんだ

もし新しく見えるときがあるとすれば
それは詩が世界は変わらないということを
繰り返し僕らに納得させてくれるとき

そのつつましくも傲慢な語り口で
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「うつむく青年」   谷川俊太郎

2013-02-12 05:41:29 | 文学
「うつむく青年」   谷川俊太郎



うつむいて
うつむくことで
君は私に問いかける
私が何に命を賭けているかを

よれよれのレインコートと
ポケットからはみ出したカレーパンと
まっすぐな矢のような魂と
それしか持ってない者の烈しさで
それしか持とうとしない者の気軽さで

うつむいて
うつむくことで
君は自分を主張する
君が何に命を賭けているかを

そる必要もない
まばらな不精ひげと
子どものように
細く汚れた首筋と
鉛よりも重い現在と

そんな形に
自分で自分を追い詰めて

そんな夢に
自分で自分を組織して

うつむけば
うつむくことで
君は私に否という

否という君の言葉は聞こえないが
否という君の存在は私に見える

うつむいて
うつむくことで
君は生へと一歩踏み出す

初夏の陽はけやきの老樹に射していて
初夏の陽は君の頬にも射していて

君はそれには否とはいわない
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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf