chuo1976

心のたねを言の葉として

「わたし」   工藤直子

2012-09-30 03:44:58 | 文学
「わたし」   工藤直子




きょうは みょうに気持ちが しずかだ

きのうは あんなに はしゃいでいたのに

きのうの わたしと

きょうの わたしと

ちがうひとみたい



そういえば いつかはプンプン怒ってたし

わんわん泣いた日も あったけ・・



わたしの中に 何人の「わたし」がいるんだろう

あしたは どんな「わたし」に 会うんだろう
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「すきなこと」   工藤直子

2012-09-29 05:08:25 | 文学

「すきなこと」   工藤直子





こ こ に  こ う し て す わ っ て

こ ー ん な  あ く び を し た り

                   あ ー ん な  た め い き を つ い た り

                   泣 く か と お も え ば  笑 っ た り

 

               



                   な に や っ て ん だ  ば っ か な や つ  と

                   じ ぶ ん の あ た ま を  こ づ い た り ・・・

                   と ど の つ ま り は  こ れ も

                   す き で  や っ て い る の か  と

 

               



                   そ の せ い で し ょ う か  わ た し は

                   ふ し あ わ せ も  愛 し ま す
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「ひかるもの」   工藤直子

2012-09-28 05:00:23 | 文学
「ひかるもの」   工藤直子


      からすえいぞう

さんぼんまつの うえから
ひかるものを みつけた
とんでいくと
ちいさな みずたまりだった
さっきの ゆうだちで
できたのだな
「おまえ ひかってるぜ」
みずたまりは「うふふ」といった
みずたまりと おれは
ゆうやけをみながら
しばらく はなしした

「おまえ じつに ひかってる」
もういちどいって わかれた

うちに つれてけないものな
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「花」    工藤直子

2012-09-27 06:51:18 | 文学
 「花」    工藤直子




花が ひらく というのは

花が 死ぬ ことでしょうか



いのちの終わりが美しいー

一瞬 そう思うことがあります



花が ひらくとき

花と向かいあって坐ります



そして いのちを思います
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「ふきのとう」  工藤直子

2012-09-26 05:04:27 | 文学
「ふきのとう」  工藤直子


    
夜があけました
朝の光をあびて たけやぶのたけのはっぱが
「さむかったね うん、さむかったね」とささやいてます
雪がまだ少しのこって あたりはしんとしています
どこかがでちいさな声がしました
「よいしょ よいしょ おもたいな」
たけやぶのそばのふきのとうです
雪のしたにすこしあたまをだして 雪をどけようとふんばっています
「よいしょ よいしょ そとがみたいな」

ごめんね、と雪がいいました
「わたしもはやくとけて水になり とおくへいってあそびたいけど」
とうえをみあげます
「でも竹やぶのかげになってひがあたらない」
とざんねんそうです

すまない、と竹やぶがいいました
「わたしたちもはやくゆれておどりたい ゆれておどれば雪に日があたる 
でもはるかぜがまだこない はるかぜがこないとおどれない」
とざんねんそうです

そらのうえでおひさまがわらいました
「おや はるかぜがねぼうしているな 竹やぶも雪もふきのとうもみんなこまっているな」
そこで南をむいていいました
「おーい はるかぜおきなさい」
     
おひさまにおこされてはるかぜは おおきなあくび
それからせのびしていいました
「や、おひさま や、みんなおまちどう」
はるかぜはむねいっぱいいきをすい ふうっといきをはきました
     
はるかぜにふかれて 竹やぶがゆれるゆれるおどる
雪がとけるとける 水になる
ふきのとうがふんばる せがのびる
   
ふかれて ゆれて とけて ふんばって もっこり
ふきのとうがかおをだしました
「こんにちは」
もうすっかりはるです

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「ライオン」  工藤直子

2012-09-25 05:27:58 | 文学
「ライオン」  工藤直子



雲を見ながらライオンが
女房にいった
そろそろ めしにしようか

ライオンと女房は
連れだってでかけ
しみじみと縞馬を喰べた
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「時間」    工藤直子

2012-09-24 04:35:29 | 文学
「時間」    工藤直子



はたけに 野菜の芽が出た

2センチほどの双葉でバンザイして

となりの杉に手をふっている


わたしの短い「じかん」と

あなたの長い「じかん」が

いま ここで出会いましたね

というように
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「あいうえ・おーい」   工藤 直子

2012-09-23 06:21:03 | 文学
「あいうえ・おーい」   工藤 直子




むかし むかし おおむかし

ホモ・サピエンスの ごせんぞさまが

さいしょの さいしょに しゃべった言葉は

なんだろな?

きっと「あ」だ

    あー おれ生きてるな

    あー いいな

つぎは きっと「おーい」だよ

みんなに そのこと  いいたくて

「おーい おいでー」と

手をふった

なかまは どうしたとおもう?

耳をすませて たちあがり

「ん?」「ん?」「ん?」と かけてきた

きっと そうにちがいない

むかし むかし おおむかし                       

ごせんぞさまの おしゃべりは

「あ」ではじまって「ん」でおわる
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『ひるねのひ』 工藤直子

2012-09-22 04:58:14 | 文学
『ひるねのひ』 工藤直子



          すみれほのか

 きょうは あたたかい
 かぜが やさしいね
 ちょうちょ とんでるよ
 ありも あるいてる

 かげろうが ゆれてるね
 ひるね したくなる
 すみれいろの ゆめ
 きっと みられるね

 ひるねから さめて
 せのび してみれば
 まだ ひはながい
 とろとろと はるのひ
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「哲学のライオン」  工藤直子

2012-09-21 05:47:13 | 文学
「哲学のライオン」  工藤直子





ライオンはてつがくが気に入っている

かたつむりが、

ライオンというのは、獣の王で哲学的な様子をしているものだ

と教えてくれたからだ。

きょうライオンは「てつがくてき」になろうと思った

哲学というのは坐りかたから工夫した方がよいと思われるので、

尾をまるめて腹ばいに坐り、前肢を重ねてそろえた

首をのばし、

右斜め上をむいた

尾のまるめぐ工合からして、その方がよい

尾が右で顔が左をむいたら、でれりとしてしまう

ライオンが顔をむけた先に、草原が続き、木が一本はえていた

ライオンは、その木の梢をみつめた。梢の葉は風に吹かれてゆれた

ライオンのたてがみも、ときどきゆれた

(だれか来てくれるといいな。「なにしてるの?」と聞いたら「てつがくしてるの」って答えるんだ)

ライオンは、
横目で、
だれか来るのを見はりながらじっとしていたが誰も来なかった

日が暮れた。

ライオンは肩がこってお腹がすいた

(てつがくは肩がこるな。お腹がすくと、てつがくはだめだな)

きょうは「てつがく」はおわりにして、かたつむりのところへ行こうと思った。

「やあ、かたつむり。ぼくはきょう、てつがくだった」
「やあ、ライオン。それはよかった。で、どんなだった?」
「うん、こんなだった」

ライオンは、てつがくをやった時のようすをしてみせた。

さっきと同じように首をのばして右斜め上をみると、

そこには夕焼けの空があった。

「ああ、なんていいのだろう。ライオン、あんたの哲学は、とても美しくてとても立派」
「そう?・・・とても・・・何だって?もういちど言ってくれない?」

「うん。とても美しくて、とても立派(りっぱ)」

「そう、ぼくのてつがくは、とても美しくてとても立派なの?

                  ありがとうかたつむり」

ライオンは肩こりもお腹すきも忘れて、

じっとてつがくになっていた。
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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf