chuo1976

心のたねを言の葉として

「こんこんこな雪ふる朝に」  三好達治

2013-01-31 06:51:55 | 文学
 「こんこんこな雪ふる朝に」  三好達治



こんこんこな雪ふる朝に
梅がいちりんさきました
また水仙もさきました
海にむかってさきました
海はどんどと冬のこえ
空より青い沖のいろ
沖にうかんだはなれ島
島では梅がさきました
また水仙もさきました
赤いつばきもさきました
三つの花は三つのいろ
三つの顔でさきました
一つ小島にさきました
一つ畑にさきました
れんれんれんげはまだおきぬ
たんたんたんぽぽねむってる
島いちばんにさきました
ひよどり小鳥のよぶこえに
こんこんこな雪ふる朝に
島いちばんにさきました
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3 コメント

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失礼します (通りすがり)
2013-11-26 20:29:09
この詩のテキストは、童話屋の『パタポンU+2460』初版から、引用なさいましたか?
初版には誤植があり、「梅にむかって」ではなく、「海にむかって」が正しいのです。
後刷りでは、訂正されています。
詩人のことばを誤植とは、誠に困った
ものですね。
Unknown (chuo)
2013-11-29 06:27:04
引用ミスのご指摘ありがとうございます。
恥ずかしいミスでした。

この詩には、平成にはない風景を感じます。
Unknown (通りすがり)
2013-11-29 17:23:36
いえいえ、これは、出版社のミスですから。
図書館でも、初版で入れていることが多いのでしょう。梅、で覚えている方が結構いらっしゃいます。
空間の広がりを感じ、五感を呼び覚ますような詩ですね。

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