中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

オリンピックを目指していた頃

2016年08月23日 | Weblog

 普段ほとんどテレビと無縁の生活を送っている私ですが、リオ・オリンピックの体操だけは何度も観てしまいました。

 というのも、高校・大学時代に体操部で選手をやっていたので、あの競技には人一倍思い入れがあるからなんですね。

 冒頭の写真は高校の新人戦での演技。(膝が出ているため曲がっています。しかも足先がピッとしていません)
 平行棒の端から蹴上がりで入って向きを変え、そのままV字バランス。そこで倒立して移行したらバーの中央へ跳び再び倒立……それが冒頭の場面です。


 しかし……


 ここまでは完ぺきだったのですが、このあと悲惨な結果が待ち受けていました。



 平行棒のバー間隔は試合前に自分用のピッチに調整するのはご存知ですよね。今夏のオリンピックでもコーチがメジャーを持って来て計測しているシーンを何度か観ました。
 そのあと選手が腕と掌で間隔を確認することを忘れていないのは当然です。


 ところが、あの日、私はそういう微調整を怠り、前の選手が演技したままの状態で競技に臨んでしまったのです。
 前に演技したのはちょっと大きな人だったので、当然、バーの間隔も広くなっていました。
 
 ここから背面に回転し、肩をバーにあてて一回転&開脚カット…そういう予定だったのに、練習の時より幅広の平行棒は私の肩を支えてくれるわけもなく、そのまま落下してしまいました。

 恥ずかしかった……


 こんな技で落ちるなんて……


 このあと気を取り直して演技を続けたのですが、結果は確か6点台(当時は10点満点で採点していたのよね)。
 最悪のデビューとなったのです。


 今回のオリンピックでも、日本人選手がずいぶん落下していましたが、私は落下どころか、鉄棒から降りられなくなるという信じられない事態に陥ったことがあります。
 あれは大学の新人戦でした。

 皆さん、掌を守るプロテクターというのをご存知でしょうか。今じゃ、こんないいものが出ていますが、当時は自分にあった良いものがなく、そのため皮を買ってきて自分で制作していました。
 掌のサイズを計測し、指の直径を計って自前のプロテクターを作っていたのです。ただ強力なミシンがなくて手縫いでしたが……

 これがいけませんでした。

 大車輪で回っているうちに、自家製プロテクターの縫い目がほどけてきて、掌にあたる部分の皮が、なんと鉄棒に巻きついていってしまったのです。
 そのため私は宙づりに。
 こうなると自力では降りることもできません。
 結果は、4点台でした……。


 体操競技は6種目もやっていると、いろいろな事件に遭遇します。
 それは高校時代の練習で起きました。

 昔の鞍馬は今の器具と基本的には変りませんが、跳馬が全然違うんですね。
 我々の時代には、鞍馬の取っ手を取り外すと、それが跳馬になりました。

 取っ手はボルトで固定されていたので、外したあとはその穴を布で埋めておかなければなりません。
 もしかしたら体操の強い学校は鞍馬と跳馬と別々に持っていたのかもしれませんが、うちの部は予算もないためこんな使い方をしていたのです。

 そしてある日のこと、私は跳馬に向かって走っていき、ロイター板から跳躍して馬の背に両手をついた途端、猛烈な痛みが指先から伝わってきました。
 鞍馬の取っ手を外した穴に指が入ってしまい、そのまま抜けずに前方宙返りにいってしまったのです。
 これは痛かった……。

 
 床運動の練習(高校時代)も大変でした。体育館は一つしかないので他の部と共用で、その棲み分けに苦労していたものです。
 平行棒、吊り輪、鞍馬、跳馬(鉄棒は屋外にあった)は使用するスペースがそれほど広くないため、かなり自由にできたのですが、床運動だけは無理でしたね。

 12m四方のマットなどあるはずもなく、いや、それ以前に3つ4つの部が同時に練習している体育館であんなに独占できるわけもなく、いつもは直線的に敷き詰めたマットで練習をしていました。

 しかし、大会が近付いてくると、そうは言っておられません。我々は仕方なく近くの空き地に行って練習をすることに。
 でもね、空き地といったって運動場みたいな更地ではありません。
 草だけならまだしも、笹が大量に生えている、そんな空き地だったのですから、練習前の笹刈りが大変でした。

 引き抜くのはとても無理。なるべく平らになるようカットするしかありません。
 大汗をかいて、だいたい綺麗に刈れたなと思うところで練習開始です。
   
 ところが、地面に手をつかないうちはまだいいのですが、バク転なんかのときは大騒ぎになります。
 後ろ向きで跳んでから回転するため、手をつく場所の状況が見えません。

 下手にカットした笹の切り株に手が刺さって血だらけになることもありました。
 これじゃあ、試合に出る前に意気消沈です。


 まあ、こんな体操部時代を送っていましたが、一つだけ自慢してもいいかなと思うことがあります。
 それは裸足での跳馬♪

 当時は6種目とも体操用シューズを履いて演技をする時代でしたが、私は跳馬だけは裸足でやっていました。
 今見ると皆さん裸足で跳躍をしていますよね。
 私は数十年前に時代の最先端をいっていたのです。

 オリンピックには出られませんでしたが…
 

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6 コメント

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体操 (とも2)
2016-08-24 07:00:45
隠された栄光の大公開ですね \(^o^)/
平行棒で落下しても6点台とは、かなり難度が高い組み合わせかと推察いたしますし、文面全体から酔華サンの体操競技にかけていた情熱が伝わってきました。

平行棒の幅の調整、手作りのプロテクター、鞍馬の穴の話もですが、体操なのに野外練習のトコロからラストまで、昔を懐かしく思いだしなから読ませていただきました。

しかし、オリンピックの体操はよく頑張ってくれました。 同じ人類かと思うくらいにレベルが上がっているのですが、ほんとにちょっとしたトコロで「ふむふむ」とひとり頷いていたりします(笑)

あの頃のように自由に身体を動かすことは無理ですけれど、少し身体を動かしたくなりました。
未知との遭遇 (冬桃)
2016-08-24 11:07:53
酔華さんにこのような過去が!
生きてると、いろんなことを知りますねえ。
いやあ、お喋りな私は、あちこちで
広めてしまいそう!
Unknown (いその爺)
2016-08-24 14:55:32
鉄棒と繋がるなんて怖い!
ってその前に大車輪ですか?!  すごい!( >_<)

体操選手独特の筋肉に常々驚異を感じています。
シャツに隠された酔華さんの肉体に興味津々です!
昔は (管理人)
2016-08-25 06:51:55
>とも2さん
高校時代は授業中に技の絵を書いて研究していました。
おかげで勉強が遅れてしまいましたがね。

たまにはバイクを降りて自転車にしてみませんか。
いい運動になります。
体操命 (管理人)
2016-08-25 06:55:58
>冬桃さん
もともと小学校時代から鉄棒が大好きで、
コウモリ・宙返りなんかをやっていました。
でも6種目となると、練習は大変なんです。
それでも楽しかった・・・
 (管理人)
2016-08-25 06:57:04
>いその爺さん
ウルトラCが最高だったのに、
今じゃH難度なんていうところまで行っちゃいましたね。
鉄棒で手を離す技は私の頃でもありましたが、
手を離して宙返りするのは凄いです。

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