乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

餅は餅屋に

2008年02月18日 | 福島県立大野病院事件
2年前の2月18日は、福島県立大野病院産科医が逮捕された日です。
この事件を私が知ったのは、あるTV報道からでした。その後もこの事件の情報はすべてTVから得ていました。

しかし、TV報道とは視聴率を意識した一方的な情報の得方です。
事件に纏わる情報を全て報道するわけじゃない。予めディレクターらのスクリプトがあり、それにそった情報を視覚的、効果的、劇的に放映する。。。

それに気がついたのは、自分が乳がんになって医師たちのブログを読むようになってからです。医師の目からは、この事件は全く別の意味があるようです。

2年前のマスコミの報道では、「経験のない医師」が「無理矢理胎盤をはがした」が主でした。
未熟な手術で失敗したのかと思ったのです。それがある産婦人科医師ブログを読むと、「強い癒着胎盤の頻度は0.01%(1万分娩に1回)」とありました。これじゃ経験がない医師と表現するのはおかしいでしょう。

更に私が驚いたのは、検察側になった鑑定医のプロフィールです。産科医の経験が少なすぎる。裁判の焦点は、専門的な知識・経験の不足を問う専門性の高い領域のはずなのに。

で、別の産婦人科医のブログによると、検察側証人は癒着胎盤の手術経験はかなり昔に助手として入った1件のみ。当然、癒着胎盤のエコー像は実際に見たことはなさそうで、それなのに「エコー像より癒着胎盤を疑うべきであった」と証言している、とありました。

自分に甘く他人に厳しい態度を取るにしても、自分の経験もなく頭で考えるだけでは、専門家ではありません。“精通”してこそ、専門家でしょう。そしてこういった裁判は、専門家が鑑定しなくちゃ意味がない。

情報の取捨選択が複雑になった時代です。また、一般の人でも自由に情報が発信できる時代でもあります。私もその一人ですけどね。

TVやネットの画像など、視覚に訴える媒体はインパクトが強い。だからこそ、情報を入手する媒体はバランスよく自身に備えることが、自分の身を守ることになると私は思っています。

リンク先の医師のブログを読むと、最初にTVで放映された映像や解説が極めて一方的な見方であったか、改めて考えさせられます。
私はマスコミ関係者と仕事をすることもあります。彼らは、報道のポイントは、「事実を客観的に報道する」と言います。で、私から見るとそれは時々、「自分たちに責任がかからないように報道する」に映ることがあります(^^;)。

医学史上最悪の刑事事件

最凶さんへのリンクはこちら
この処置がミスだとサツが言ったから2月18日は崩壊記念日

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6 コメント

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客観的報道 (yuko)
2008-02-19 20:45:42
この事件については、よく知りませんでしたが。
どのような事件でも報道の仕方によって、視聴者、読者の印象を左右できます。
報道関係の方からノエルさんは「客観的報道」という報道のポイントをお聞きになったとのことですがその言葉には???です。
客観ってありえるのでしょうか。主観的報道しかないでしょう。
つまり、焦点を絞っていかないと、報道は何を伝えようとするか分からなくなります。
常に何かの視点をもって、報道しているでしょう。
それなのに、客観的報道とは。
自信を持ってスタンスを明らかにして報道している、と言ってほしい。
同じ事件でも、とりあげる人の考え方により、焦点の当て方は違う。また印象はかなり異なると思います。報道の世間に与える影響は大です。
報道者の理性と良識が必要だと強く感じます。


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yukoさん (ノエル)
2008-02-19 23:09:56
>客観ってありえるのでしょうか。主観的報道しかないでしょう。
つまり、焦点を絞っていかないと、報道は何を伝えようとするか分からなくなります。

原稿チェックをする際、デスクがよく使う言葉が「自分の考えを押し付けてはいけない」でした、、、これって「主観を押し付けてはいけない」と同義語ですよね(笑)。私は「事実だけを記事にしなさい」と解釈したのですが。

で、事実だけを記事にした新聞なんて、読んだことないなあと思っています(爆)。おっしゃる通り、報道原稿にしても、ポイントを絞った書き方をしないと読み手は理解しずらい。何をポイントとするか、これは主観が入りますよね。

また各報道機関により、そのポイントは少しづつ違います。全社同じだと売れませんから(これも爆)。
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主観的報道 (海砂)
2008-02-20 19:39:15
記事自体を日誌のように5W1Hに書いたとしても、ポイントをどこに置くかは多少の主観が入るでしょう。主観の全く入らぬ記事は読み手にとってはつまらないものだとも思います。

以前購読していた新聞のことですが、ある宗教団体に対して厳しい内容の記事を掲載しました。その新聞社はおそらくそれなりの裏付け調査の後、確固たるポリシーを持ってその記事を書いたのでしょう。しかし信者の一斉不買が起こると、ほどなくしてその団体の広告を載せるようになりました。

小さな新聞社ではこのように主観がガラリと変更することもあるのだなあと思いましたね。「あの新聞社は相当な財政難ではないのか?」などと噂がたったものです。
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海砂さん (ノエル)
2008-02-20 19:46:24
主観がガラリと変更する、、、って、それは主観とか客観とかとは別で、本当に財政難だったのでは???(笑)

まあ、そのような新聞社だと、「自分たちに責任がかからないように報道する」のに徹するのが、一番無難ですかしらん。
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メディアによる誘導 (最凶)
2008-02-23 01:32:40
はじめまして。史上最凶の乳ガン患者こと最凶と申します。4年前に乳ガンの温存手術をしており、メディアによる医療の扱いに関心を持っています。
この事件に限らず、医療問題についてのメディアの姿勢は、客観性も独自のスタンスも無く、患者と医療者の対立を煽る事で、われわれ受け手の注目を集めようとしているようにしか見えません。爆笑問題などのテレビはその最たるものでしょう。
ノエルさんがその違和感に気づいたのは、角度を変えた情報をキャッチする事ができたからと思いますが、一般にはなかなか伝わらないようです。その意味でも、ここでの発言には大きな意味があると思います。
こちらに記事をトラックバックさせていただきます。
今後ともよろしく。 
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最凶さん (ノエル)
2008-02-23 13:17:40
初めまして。最凶さんのHP読みました。

強度胎盤癒着の発生率は0.01%という情報を、最凶さんは2年も前に書き込んでらしたのですね!(尊敬) 
この数字を知っていたら、私の報道当初の印象は全く違うものになっていたでしょう、、、無知はいかんです、大事な自分の主治医の熱意を自ら折ってしまうことにもなりかねません。

私は日頃、雑誌・新聞社と仕事で接しておりますので、メディアの様子については書きにくいこと、多々ありです。が、最凶さんの書き込みを読むと、言いにくいことをズバッと書かれ、大変心地よいです。触発されました(笑)。
今後ともよろしくお願いいたします。

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