町長のひとり言

和食店料理長の『ひとり言』

夢は叶う!

2007年08月18日 | 料理
板場になって13年、ずっと想い続けていた夢がいくつかある。
そのひとつが中学の時の先生にお返しをしたいという事だった。
特に中3の時の担任の先生に。
当時の自分は時代とも言えるのだが、いわゆるヤンキーというやつで
それはそれは迷惑をかけまくってた。
今時の教師ならおそらく、知らん顔してほったらかしにされるのが
オチだろうと思う。だけど当時のうちの中学の先生たちは
そうではなかった。生徒一人一人に真剣になって話したり、
時には怒られて殴られる事もあった。卒業して何年も後に知った話だが
その頃の校長先生が自由にやらせなさいという人だったらしく、
かなりうちの中学は荒れてたほうだったのでタバコなんて当たり前だし
喧嘩もしたし、パーマかけて学ランは刺しゅうだらけでみたいな。
でも、いじめが見つかった時だけは殺されるかと思うぐらい
しばかれた。 だからと言って今みたいに親が
先生にどうこう言うわけでもなく、なんならもっとやってくださいぐらいな
感じだった。どこかで自分も悪い事をしてるという意識があったんだと思う。
そしてそれを真正面からダメだと、本気になって怒ってくれる先生たちもいた。
だからこんなにすばらしい大人になれたんだと思う。
そして、そんな先生に少しあまえて、わがまま言ってた気がする。
前置きが長くなったが、その先生が今日うちの店に来てくれた。
それも、中2の時の担任、中3の担任、英語の先生、音楽の先生、
当時の先生ばかりが6人で!
突然の出来事にかなりの動揺と昂る思いで舞い上がった。
やっとお返しが出来る、夢がひとつ今日叶った。
話をしてると先生は涙を流して喜んでくれた。思わずつられて自分まで
泣きそうになった。
いままで13年、自分で言うのもなんだが決して楽な道ではなかった。
毎日毎日ボコボコに蹴られて悔しくて泣いた日もあった。
店を変わって、新しい店で今までやってきた事がまったく通用しなくて
今まで何をやってたんだろうと、この仕事にむいてないんじゃないかと
挫折しそうになった事も何度もあった。それでも自分の夢は、板場として
一人前になって先生たちにいつか、「先生、勉強はしなかったけど、
先生たちのおかげでここまで来れたよと、やっとお返しが出来るように
なれたよ。」とその一言がどうしても言いたくて・・・。
ちっぽけな夢と笑われるかもしれない。こんな話どこにでもあると
バカにされるかもしれない。でも今日ほど板場を続けてきて
よかったと思った日はない。
夢は叶う。想いはいつかきっと・・。 そう信じてきてよかった。


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1 コメント

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Unknown (ゆきえ)
2007-08-20 21:09:30
いい話ねぇ~