『死んでもいい』 Phaedra (希・米) 1962年制作
監督 ジュールズ・ダッシン
音楽 ミキス・テオドラキス
主演 フェードラ … メリナ・メルクーリ
アレックス … アンソニー・パーキンス
タノス … ラフ・ヴァローネ
エルシー … エリザベス・エルシー
主題歌 『フェードラのテーマ』 ( Phaedra's Theme ) 演奏・サウンドトラック
義理の息子を愛した王妃をテーマにしたギリシャ悲劇の古典『フェードラ』を現代に置き換えた重厚な恋愛悲劇。
海運王の娘フェードラは船舶業のタノスと結婚しロンドンに留学中の彼の先妻の息子アレキシスを迎えに出かける。
しかし、フェードラは一目で彼に恋してしまい、アレキシスも義母に魅せられて、その数日の間に二人は恋に狂う。
二人の関係はやがてタノスの知るところとなるが、フェードラはアレキシスを愛していると言ってタノスのもとを去る。
怒ったタノスはアレキシスを激しく殴打する。すべてが終わったと悟ったフェードラは薬物をあおってベッドに横たわり、
一方アレキシスは狂ったようにスポーツカーを疾走させて断崖から墜落する。
主題歌の『フェードラのテーマ』はミキス・テオドラキスの作曲によるものです。
映画では映画史上最高の愛情表現と称される暖炉の前のラヴシーン映像にレコードから演奏曲が流れます。
それと、フェードラとアレキシスがピアノに二人並んで唄うシーンではギリシャの古い民謡『ロドスティーモ』を
取り入れていました。また、アレキシスが疾走する車の中で叫ぶように唄っていたのはセバスチャン・バッハの
トッカータとフーガBWV.540でサウンドトラック盤では"Goodbye Johann Sebastian"となっています。
レコードとしてはメリナ・メルクーリが唄った『フェードラのテーマ』と、アレキシスが映画の冒頭で叫んだ『フェードラ』
という音声の入ったEPのサントラ盤の演奏がリリースされていました。LPのサウンドトラック盤には『ロドスティーモ』
や『さらばヨハン・セバスチャン』も入っているようです。
↓はメリナ・メルクーリの『フェードラのテーマ』 YOUTUBEより
↓は映画より『ロドスティーモ』 YOUTUBEより
お書きのように、この「死んでもいい」の暖炉の前のラブシーンは、「映画史上最高の愛情表現」でしょうね。(しかし、これも「旅の友」でお書きのように、この「死んでもいい」はおもしろみのない、ありふれた題名ですね。「フェードラ」でよかったですね。)
濃厚なラブシーンやベッドシーンは、たくさんありますが、にぎり合う手と手、見つめ合う目と目、ベッドシーンも控えめに見せていますが、情感は高まります。
実際の映画で使われたのは、演奏曲のようですが、このyoutubeのように、メルクーリの歌声をかぶせるのもおもしろかったように思います。(ストレート過ぎですかね(^^))
この歌はドリス・ディでも、もちろんマレーネ・デートリッヒでもジュリー・アンドリュースでもダメですね(^^)。
これはメルクーリの声ですね。
この映画の曲は初めて聞きただけに驚きは大きく、取り憑かれたように何度も繰り返し聞いてしまいました(^^)。
このような曲をご紹介いただき、ありがとうございました。
映画には数多くのラブシーンがありますが、他に類を見ない見事な表現だと思います。
激しく表現すればどうしてもポルノ風になってしまいがちですが、そういった直接的な
描写をせずに、意図的なボケ(bokeh)の領域で作り上げた映像美は素晴らしいの一言です。
そして主題歌を唄っているメルクーリのハスキーさがこの曲にぴったりですね。
私のお気に入りの一曲なのですが、情感を大切になさっておられるいせえびさんの
お気に召してとても嬉しいです。
コメントありがとうございました。