お気に入りその1258～ふたりでしゃしんを

今回のお気に入りは、ふたりでしゃしんを　です。

お気に入りのくまのアーネストおじさんシリーズ。
もう一冊読みました。
「ふたりでしゃしんを」です。

表紙の絵がたまりません。
これまでで一番幸せそうなセレスティーヌの表情。
見ているこちらまでうれしくなります。

ある日セレスティーヌは、アーネストの鍵のかかった引出しをこっそり開けます。
そこにはアーネストの子どもの時から若いころまでの写真がたくさん入っていました。
その中の1枚。
たくさんの子ねずみたちに囲まれた若いアーネストの写真に目が止まりました。
アーネストの隣にはかわいい白い女の子がいます。
誰、この子？
不機嫌につぶやくセレスティーヌ。
そしてどの写真にも自分が写っていないことに気づきます。
自分はどうやって生まれてきたのか？
初めて疑問に思ったのはこの時でしょう。

そのことを知ったアーネストは彼女の出自には触れず、直ぐに二人でおめかしをして写真屋さんに向かいます。
そこにはすっかり機嫌を直したセレスティーヌがいました。
アーネストは内心、ほっとしたことでしょう。
何とかこの場は切り抜けた、と。
最終巻「セレスティーヌのおいたち」に真っ直ぐにつながる大切な巻です。

最後に。
本書は、表紙を開くとその内側に著者・バンサンの写真が載っています。
カメラに向かってほほ笑む彼女の表情は、表紙で幸せそうに微笑むセレスティーヌによく似ています。
彼女は甥っ子、姪っ子との実話を物語に取り入れたそうですが、セレスティーヌの表情も姪っ子の表情を思い出しつつ描いたのではないでしょうか。
だからバンサンの表情に似ていることも当然。
そう思いませんか？