鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

50代後半の中年オヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1273~あの夏

2016-11-07 12:26:06 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「あの夏」です。

お気に入りの「くまのアーネストおじさん」シリーズ。
今回はセピア色一色、ペンと筆だけで描いたデッサン絵本「あの夏」です。

人間のお婆さんとの交流が描かれています。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
アーネストとセレスティーヌは、ふたりにとって大切なひと、ガズーをなくした。
ふたりでガズーのうちを訪ねたときのことを、静かに思い出しながら語る。
単色の絵で、こまやかな心情を描いている。
=====

セレスティーヌは体調を崩して入院していたガズーが退院したと知り、会いに行きたいとアーネストにねだります。
アーネストはいろいろな理由をつけては引き延ばします。
ガズーの死が近いことを知っているからです。
随所に出てくるアーネストの心の声。
「セレスティーヌが見てる。しっかりしなくちゃ。」
親しい人が徐々に弱っていくのを見る辛さ。
アーネストが落ち込むのは当然です。
幼いセレスティーヌには自分と同じ思いをさせたくない。
その優しさが彼を無口にさせます。
ガズーの本当の状態を知らないセレスティーヌはアーネストの態度に疑問を持ちます。
こういうところで心の擦れ違いが生じます。
お互いを思いやる心が、擦れ違い、疑心を生み、やがて心が離れることもあります。
最後は二人で亡き友の思い出の場所を訪れたり、亡き友の話をしたり。
ふたりはゆっくり平静を取り戻していきます。

ふたりの心の擦れ違いが大事に至らず、ほっとしました。
もっともこちらは主題ではなく、友の死をいかに受け入れるかが主題の物語だから、余計な勘繰りでした。

本書はセピア色のデッサンで描かれており、心の動きを丁寧に描くには最適だったと思います。

誰しも大切な人の死は受け入れがたいけれど、その人との思い出を誰かと語り合うことで、ゆっくり時間をかけて心の平静を取り戻していきます。
アナグマの死を少しずつ受け入れていく「わすれられないおくりもの」を思い出しました。
どちらも忘れられない作品です。

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