毎日木っ端みじん

*** リバイブすれば怖くない ***

「はやぶさ」帰還間近

2010-05-18 03:33:51 | 日常
 「あの」小惑星探査機はやぶさが、センサーを用いて地球と月の姿を捉えられる距離にまで戻ってきたようです。
 
「はやぶさ」が、故郷、地球をとらえた!
 
 
 「はやぶさ」といえば、壊れちゃったというのに何かの拍子に自分で勝手に充電して飛び続けていた、ということから「や、やるなお前」感といいますか、一気に親近感を抱いたのですが、それだけではなかったようで、先読みと偶然と力業と粘りと技術力にあふれた顛末は↓の動画をご覧になっていただくとざっくりとおわかりになると思われます。
 
 
探査機はやぶさにおける、日本技術者の変態力‐ニコニコ動画より転載

 
 転載元のニコニコ動画さんのほうでは顛末を補間される素晴らしいコメントが黄色い文字で入っているのですが、他コメントがあまりに多すぎ本編すらかき消すような状態になっていますので残念ですがこちらを・・・・
 
 
 
 考えてみればものすごい非効率的なプロジェクトですよね。
 膨大なお金と技術をつぎ込んで、取れるかどうかもわからない、役に立つかどうかもわからない石のかけらを削ってくるために、たった一抱えほどの機械を3億km彼方の小惑星帯にまでぶん投げて、戻ってくるのに7年ですから。しかも戻ってくると言ったって探査機自体は大気圏で燃え尽きますからリサイクルも不可。
 
 でも、こればっかりは、やってみることそのものが価値なんでしょう。計画立案から得られたデータを分析し終わるまで一分一秒がすべて財産になる、のちへの糧となる、そんな事柄の積み重ねがやがていつかエンタープライズになるんだろうなぁ・・・・(考えの行き着くところが多少一般的でないあたりはご勘弁を・・・・
 
 
 「我々はどこから来たのか、どこへ行くのか」という問いは、自然科学やSF関係者の間で好んで出されます。
 私としては、『最初からここにいるのよ!』という「ファンシィダンス」の真朱さんのセリフに軍配をあげたいところですが、彼女の場合は進化論や宇宙生成の謎とは別に、私個人はずっとここにいる、ここで生き抜いていく、という決意表明と受け取りましたので論点が異なります。「我々」じゃない「私」だ、という選択です。私もそちらを選ぶタチですが、その「私」を構成する要素が遠く星の炉の中で生まれたという説にもしみじみと心惹かれます。
 
 お金がかかろうとも、機材すべてがゴミになってしまおうとも、得られたデータが世間一般にすぐ役には立たなかろうとも、虚空に向かって一生懸命手を伸ばす、そんな宇宙探査というものに向かう人々の心がとても愛おしく大切に思えます。
 いつか、We are not alone と言える日が人類全体に訪れることを願ってやみません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 こちらは欧州の宇宙探査ロケットArianeの30周年記念ムービー。
 
Ariane achievements highlighted in new films
 
 さすがはおフランス! センスが垢抜けてます。
 ロケットというものの持つ悲しいほどの不器用さと美しさがとても良く表現されている気がします。
 
 
 
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 いやん、絶版T_T
 
 
 
 最後にこれを。文句なしの名著です。
 
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