病院設計者のブログ

病院・診療所の新築・建替・リフォームに関する事や、その他色々な事について書いていきます。

産婦人科の設計-病棟7

2013-05-13 | 産婦人科

分娩室・手術室-1

 

分娩室は産婦人科にとって最も重要な

部屋の一つだと思います。

 

病棟の職員にとっては、この部屋のつくり

かたが、病棟の作業効率をおおきく左右

する、とても重要な部分だと思います。

 

そこで、私が分娩室を設計する上で最も

重視しているのは、患者さんの不安感の

払拭です。

 

作業効率を上げるために、患者さんの

不安感を払拭する事を重視する。という

のは少しおかしい気がすると思います。

 

患者さんにとっては、不安いっぱいの中、

痛み苦しみ、新たな生命の誕生が行われる

場所ですので、プライバシーや、清潔感等

とても関心が高いと思いますが、職員の

作業効率などは一見どうでも良い様な

気がします。

 

分娩は手術や検査のように、時間を

決めて行い、必要時間もだいたい

分かるものとは異なり、分娩の場合は

大まかな予定はできても、いつから始

まり、どの位時間がかかるかを決める

のはとても難しい事だと思います。

 

患者さんは陣痛がはじまり、陣痛室等

を経て、分娩室へ入ってきます。

 

分娩台の乗ってすぐ産まれる、

という人もたまに居ますが、

人によっては長時間分娩室に

乗っている場合もあると思います。

 

その場合、職員がずっと付きっきりで、

見なくてはなりません。

 

しかし病棟では、新生児のケアや

処置、入院患者さんの授乳サポート

ナースコール対応等様々な作業を

おこなわなくてはなりません。

 

夜勤などは、人員も限られており、

患者さんが落ち着いている時等は、

少し部屋を離れる場合もあると

思います。

 

職員が、新生児のケアをしている時に

分娩室の患者さんが、ナースコールで

呼んでも、新生児室と分娩室が遠く離

れており、分娩室にナースがくるのに

少し時間がかかってしまった。という様

な事が起こったとします。

 

職員が離れる場合は、状態が安定して

おり、緊急性は無い場合ですので、

大きな問題は発生しない思いますが、

患者さんの心理的な面では、とても

大きな不安を与えることになると思います。

 

分娩室内に職員が居なくても、いつも

見守られている、呼べばすぐ来てくれる、

という事が、患者さんの不安感を減らす

とても重要な要素だと思います。

 

分娩室は、陣痛室はもちろんの事、

ナースステーション、新生児室、

授乳室、沐浴室等の病棟の関係

諸室とのつながりが、とても大切

になってきます。

 

これらをどのようにして配置していくかを、

院長先生や診療所の考え方に沿って、

職員のそれぞれの動き方を具体的に、

検討し、十分話合い慎重に決めていく

ことがとても大切だと思います。

 

次回はもう少し具体的なことについて

書いていきたいと思います。

 

 

医療環境デザイン研究所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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