西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

たぬき

2010-08-25 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
137-「たぬき」(1865・慶応元年)


正式名は「昔噺たぬき」という。
群馬県館林の茂林寺に伝わる、分福茶釜と、
「かちかち山のたぬき」の話を交ぜた、酔狂な曲。

『自体我らは 田舎の生まれ
 月に浮かれて 腹鼓
 打つやうつつの夢の世を
 狸寝入りか 
 あゝら不思議や
 忽ち広がる大金玉
 八畳敷を炉にかけし
 茶釜尻尾をオヤオヤ
 オヤオヤ振り立てて
 狸囃子の音につれて』

これは意訳の必要はないだろう。
長唄でこれほど、おふざけの過ぎる曲は他にない。
いたずら好きの杵屋勝三郎(2世)は、
さぞや楽しんでこれを作ったのだろうなあ。

 〓 〓 〓

tea breaku・海中百景
photo by 和尚
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする