西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

娘道成寺―23

2009-03-28 | 曲目 (c)yuri saionji
娘道成寺―4


次も同じく”江戸土産”で、各地の有名な遊里を読み込んで鞠唄に仕立てた。

『恋の分け里
 武士も道具を 伏編笠で
 張りと意気地の 吉原

 花の都は 歌でやわらぐ 敷島原に
 勤めする身は 誰と伏見の墨染め

 煩悩菩提の 鐘木町より
 浪速四筋に 通い木辻に
 禿立ちから室の早咲き
 それがほんに色じゃ
 ひいふう みいよう

 夜露雪の日 下の関路も
 共にこの身を 馴染み重ねて
 中は丸山 ただ丸かれと
 思い染めたが 縁じゃえ』

江戸吉原の遊女は、張りと意気地が信条だ。
京の遊里は島原。
『歌で和らぐ…』とは、敷島の大和歌、つまり、「京は和歌でしょ」。

伏見の遊里は鐘木町。
墨染め桜が有名。「坊さんもこっそり来るよ」。
奈良は木辻、長崎は丸山。

つまりおおざっぱに意訳すれば、
「全国いずれの客人も、雨、露、雪、霜をもいとわず
馴染みの里にせっせと通う。どうぞおきばりやす」
となるか。
コメント
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