魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-

 世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記

ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-キュクロプスの国

2012-12-18 | 僕は王様
 
 翌朝、オデュッセウスは12人の部下たちを率いて上陸、島を探索する。海岸近くに洞窟を見つけて覗いてみると……
 仔羊や仔山羊の群れと、籠に盛られたチーズの山。洞窟の主はどうやら留守らしい。

 食料を奪ってさっさと逃げようとせがむ部下たちを、オデュッセウスが制する(彼は好奇心が勝って、洞窟の主を見てみたいと思ったわけ)。で、一行は勝手に洞窟に入り込み、火を起こして仔山羊を焼き、チーズと乳と持参した葡萄酒とで食事を始める。

 が、ほどなく洞窟の主が帰宅する。主が持ち帰った薪の束を投げ落とした地響きに、度肝を抜かれたオデュッセウスら一行、あたふたと火を消して物陰に隠れる。それは一つ眼巨人キュクロプスのポリュペモスだった。
 ポリュペモスは放牧から連れ帰った羊たちを奥へと追い込むと、洞窟の穴を大岩で塞ぎ、火を起こす。で、オデュッセウスらが残した飲み食いの跡に気づいて、洞窟のなかをあちこち捜し始める。

 そこでオデュッセウスが丁寧に名乗り出る。我々はトロイアから漂着した。どうか一夜の客としてもてなしてもらいたい。と。ところが……
 ポリュペモスはせせら笑って、2人の部下をつまんで岩壁に頭を叩きつけて脳天を潰し、手足をもいで串刺しにすると、火に炙って、骨一本残さずにばりばりと貪り食ってしまった。
 ……うう、長い戦争を生き延びて、こんな死に方、やりきれない。

 To be continued...

 画像は、エカスベア「ポリュペモスの洞窟から逃げ出すオデュッセウス」。
  クリストファー・ウィルヘルム・エカスベア
   (Christoffer Wilhelm Eckersberg, 1783-1853, Danish)


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