聖書あれこれ:預言者ヨナ

 
 大江健三郎「宙返り」にヨナの話が出てきたので、読み直してみた。以下、備忘録。 

 ヨナは旧約聖書「ヨナ書」に登場する預言者。
 イスラエルの仇敵、異教徒の国アッシリアの首都ニネベに悔い改めを求め、ニネベが悔い改めた後にはニネベを滅ぼすことを取りやめた神。こうした神の意志に対して拒んだり、異を唱えたりするヨナ。二者のやりとりには、深い含意があると解釈されているらしい。

 あるときヨナは、ニネベに赴いて悔い改めるよう呼びかけよ、という神の言葉を聞く。ところがヨナは、それを拒んで、船に乗り込んでタルシシュへ逃れようとする。
 そこで神は海上に大嵐を起こす。船乗りたちは恐怖して各々自分の神に祈ったが、ヨナはと言えば船のなかで熟睡している。

 船長は、「どうしてそんなふうに眠っていられるんだ。さあ、起きて自分の神に祈れ」と言う。
 船乗りたちは、誰のせいで嵐が起こったか、籤を引く。すると籤はヨナに当たる。船乗りたちが問い詰めると、ヨナは、自分はヘブライ人だ、神から逃れ、神を怖れている、と白状し、自分を海に放り込め、と言う。
 船乗りたちは陸に漕ぎ戻そうと努めたが、むなしく、とうとうヨナを海に投げ込むと、一転、海は静まる。

 ヨナは神が使わした大魚に呑み込まれる。魚の腹のなかで、ヨナはつらつらと神に祈りを捧げる。三日三晩の後、神が命じて、魚はヨナを海岸に吐き出す。

 To be continued...

 画像は、A.P.ライダー「ヨナ」。
  アルバート・ピンカム・ライダー(Albert Pinkham Ryder, 1847-1917, American)

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