ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-王女ナウシカア(続々)

 
 で、オデュッセウスは一人遅れて、王の館へ向かう。途中出会った、水汲みの少女に化けたアテナ神に案内されて。
 宴の広間を通り抜け、オデュッセウスはアルキノオス王の前に進み出ると、王の隣に座っていた王妃アレテに取りすがる。どうかあなたの夫王が、私を故国に送ってくださいますように。

 びっくり仰天の一同だったが、王は自分の隣の、お気に入りの息子の席に、息子を立たせてオデュッセウスを座らせて、夕食を振舞う。宴が終わり、一人広間に残ったオデュッセウスに、王妃アレテが声をかける。あなたの衣装には見憶えがあるのですが……
 オデュッセウスがナウシカアに助けられた経緯を語ると、王のほうは、娘が自らオデュッセウスを案内して来なかった非礼を詫びる。オデュッセウスは、いや、姫はそう申し出てくれたのだが、自分が遠慮したのだ、と、咄嗟にナウシカアをかばい立てる。そんな彼を王は気に入って、こんな男が娘の婿になってくれればいいのに、と洩らす。

 ……オデュッセウス、またもや結婚の危機。

 さて王はオデュッセウスをイタケへ送り届けることを約束し、彼は王妃の用意させたベッドで、いそいそと安らかな眠りに就いた。

 翌日。アルキノオス王はパイアケス人たちを集め、オデュッセウスを故郷に送ることを提案する。新しい船を海に降ろして、最良の漕ぎ手たちを選ぼうではないか。……パイアケス人は海の民であり、王はと言えば海神ポセイドンの末裔なのだった。

 To be continued...

 画像は、セロフ「オデュッセウスとナウシカア」。
  ヴァレンティン・セロフ(Valentin Serov, 1865-1911, Russian)

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