ギリシャ神話あれこれ:木馬の詭計

 
 トロイア軍の、難攻不落のイリオスへの籠城に、ギリシア軍の攻撃は手詰まりとなった。が、イリオス陥落の条件を整えた今、何とか局面の打開を図りたいところ。

 ここで予言者カルカスが、夢の予兆を一同に告げる。
 儂は次のような夢を見た。鷂(ハイタカ)が鳩を追い、鳩は岩穴に隠れた。鷂は岩穴の前で鳩が出てくるのを待ったが、鳩は出てこなかった。鷂は岩穴のそばを去り、藪に隠れた。すると鳩は鷂が去ったものと思い、安心して出てきた。そこで鷂は飛び出し、襲いかかって鳩を殺した。という夢を。

 するとオデュッセウスが提案する。ならば我々も奸計を用い、巨大な空洞の木馬を作って諸将を潜ませ、トロイア勢自らの手で木馬をイリオス城内に運び込ませよう、と。

 戦争に倦んでいたギリシアの諸将は、オデュッセウスのこの計略に即座に賛同し、予言者カルカスもまた大いに賛辞を送る。
 が、まだ参戦して間もないネオプトレモスとピロクテテスの2将だけは、戦闘を渇望し、正面から戦って城壁を突破すべきだ! と、奸策に不服を表明する。
 そのとき、二人の前に突如の落雷。眼前にゼウス神の神意を見せつけられた二人は、この木馬の計略にすごすごと従うことに。

 こうしてギリシア軍は、優れた工匠であるエペイオスの指揮のもと、木馬の建造に着手する。

 To be continued...

 画像は、ティエポロ「トロイの木馬の建造」。
  ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ
   (Giovanni Battista Tiepolo, 1696-1770, Italian)


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