ザールの珠玉の田舎町(続々々々々々々々々)

 
 シェンゲン(Schengen)はルクセンブルクにある小さな町で、ルクセンブルク、ドイツ、フランスの三ヶ国の国境が接している。ハンスさん、そこに向う車のなかで、今走っているのはドイツだ、ルクセンブルクだ、とか、対岸に見えるのはフランスだ、ドイツだ、とかと、いちいち説明してくれる。

 ルクセンブルク、ドイツ、フランス3国の国境が交わる、このモーゼル川畔の町シェンゲンにて、その昔、共通の出入国管理と国境の自由な移動を定めた「シェンゲン協定」が調印された。川岸には協定記念碑が立つ。
 この記念碑のそばに車を停めて、降り立った私たち。記念碑さえなければ、何の変哲もない、のどかな田舎町の川辺に見える。

 ハンスさん、あっちはフランス、そっちはドイツ、こっちはルクセンブルクだ、そして国境は川の真ん中だ、と注釈する。へ~え、陸続きの国って不思議だねえ。

 シェンゲン協定についても、EU体制に絡めて、ハンスさんは熱心に説明してくれる。自分はそれほどドイツが好きじゃない。EUになってから、ドイツは以前ほど住み好くはなくなった。今はルクセンブルクに住んでいる。云々。
「理解できている?」
「ア・リトル(少しだけ)」
「オ~OK、ま、ま、いいでしょ。私はもともとババリアンなんだが……」
 野蛮人(barbarian)?? あ、バイエルン人(Bavarian)ね。
「イエス、イエス! バイエルン出身なんだ!」
 私たちが理解できると、ハンスさんはさも嬉しそうな笑顔を見せて喜ぶので、私たちまで嬉しくなる。

 To be continued...

 画像は、シェンゲン、協定記念碑近くのモーゼル川畔。

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