ザールの珠玉の田舎町

 
 リューデスハイムでは古城を見向きもしなかった相棒。ライン川を下る船の上で古城に目覚め、ザンクト・ゴアールで一気に古城にハマったらしい。以来、積極的に古城を巡ろうとし、「お城よ、お城」と古城を抱き締める。

 ドイツではユースホステルを泊まり歩くつもりだった相棒は、ヨーロッパのユースを網羅したガイドブックを日本から持参していた。が、ザンクト・ゴアールのユースで、思いがけず、ドイツのユースがすべて掲載されている無料ガイドブックをゲット。以来、日本のガイドブックにはない箇所にまで範囲を広げて、ユースを探すようになった。
 で、何々ブルク(ブルク Burg は城の意)という地名には古城があるに違いない、と、日本のガイドブックには一切名前の載っていない、どんな町かも分からないザールブルク(Saarburg)を予約した。

 が、そんなザールブルクに着いたのは、もう8時を過ぎてから。地図はない。携帯電話も持っていない。ユースに電話して道を訊こうにも、おそらく返事を聞き取れない。

 駅前の看板の地図を見て、ユースの場所を確認。なんだ、よかった。橋を渡ってすぐじゃないの。
 で、橋を渡って、それらしい建物を探したのだが、見当たらない。……このとき得た教訓。駅前の看板地図は、写真に撮って保存すべし。

 異国の空はどんどん夕暮れてゆく。その町のことを何も知らない東洋人二人、途方に暮れて、困惑顔を見合わせる。

 To be continued...

 画像は、ザールブルク、ザール城。

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