Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

僕が三脚を使わない理由?

2015年07月16日 | 世界で通用するArtistになるために学ぶ!
僕が三脚を使わない理由?

昨日僕のブログを読んだ方からこんなご意見を頂きました。
『ケントさんが普段三脚を使用されないのは「手振れ」させない自信があるからでしょう。
私は全く自信がありませんのでいつも三脚を使います。
三脚なしでは貴殿の様にブレずに撮影出来ない方も多数おります事をご理解下さい…。』
ご丁寧な文章と写真まで添付されていました。
それも三脚を使用した写真とそうでない写真。
使用前使用後か?
「三脚を使うか使わないかでこんなに差がありますよ!」
そう言う事を仰りたいのでしょうきっと。
(#^.^#)
ただちょっと観点がずれている気がします。
申し訳ありませんが…。
僕は前回も書きましたが、他人がどうしようと全く興味がありません。
僕が使わないだけで、三脚背負ってお婆さんが歩いていても何とも思いません。
そうされたいならそうすれば良いだけです。
他人の迷惑にならないなら、ご自由にされたら宜しいと思いますよ。

ただし、このブログはその様な人達を対象に書いている訳ではありません。
そういう方は「デジタルカメラマガジン」辺りをお読みになるべきです。
三脚の正しい使い方等書かれているはずですから。
僕はそういう方達のために書いていません。

仕方ないので毎回のようにまた書きます。
これから書く発想はもちろん僕自身の発想です。
他人の発想は分かりませんから…。
またこれから書く事を読んで、
「それは違う!」と突っ込まれても困ります。
もし違うと思えば、それはそれで良いでしょう。
100人Artistがいれば100通りの発想があります。
それがArtist(アーティスト)ですから。
(#^.^#)
僕が今日これから書く事は、
世界に出る事を目指しているハイアマチュアの写真家に向けて書きます。
プロの皆さんが読むのは自由ですが、
ご意見は無用です。
(#^.^#)
分かって頂けましたでしょうか?
写真に被写体があります様に、
僕には読者層のターゲットがあります。
けして毎回ただ目的なく書いている訳ではないのです。
また写真愛好家のために書いている訳でもないのです。
もっと明確な目標・目的を持った方、
ハッキリ言って世界に出ていこうと考えている方、
例えば既に外国の写真サイト等に投稿しながら、
僕の様に「ナショジオ」など世界的にメジャーなフォトコン等に挑戦されている方、
仕事を別に持ちながら世界で通用するフォトアーティストを目指している方等、
いずれもが意識を世界に向けている人達のために書いています。
ようするに、僕は自分の様に世界に挑戦していく写真家を増やしたいんです。
日本の素晴らしさを世界に紹介するには、写真を撮って世界に広める事が大切だと信じるからです。

そして、これまでにこういったブログサイトはありましたか?
殆ど無かったと思います。
まあ手前味噌な言い方ですが…。
(#^.^#)
・・・・・・
先に結論から言いましょう。
僕が三脚を必要な時以外(スローシャッターを使う時以外)使用しないのは、
貴重な撮影時間(シャッターチャンス)と構図の自由を失うからです。
この意味が理解出来るかどうか?
このブログを読む様な皆様なら分かって頂けると信じて書いています。
(#^.^#)


それでは写真をご覧下さい。

「朝日を浴びる美瑛の麦畑」

早朝の麦畑に朝日が当たっています。
「過焦点距離」だけ考えれば、とても簡単な撮影だと思います。
ただ僕はこの撮影は一分以内で済ませます。
そして直ぐに車に飛び乗り次の目的地に向かいます。
こんな場所で三脚立ててちんたらのんびり撮影しているのは観光客です。
(もちろんそれはそれで良いでしょう。どうか楽しんで下さい!)
でも僕には時間が無い。
太陽を追いかけているのです。
ある位置に太陽が無ければ出来ない撮影も多々あるのです。
それを逃したらお終いです!

例えば冬なら次の様な写真もそうです。


「融雪剤の撒かれた丘」

この場面を車で走っていて見つけました。
太陽が無いとインパクトが足りない写真です。
この太陽の位置が重要です。
直ぐに車を停め飛び降りて撮影、終了まで僅かに2分間でした。
ところで、実はもう一台車が先に来ていました。
30代のバリバリヤングです。
ジッツオの立派な三脚をゆっくり持ちだして僕の横でセットしていました。
僕は次の撮影地まで10分以内に行かなければならず、事故にならない程度にアクセルを踏みます。
そして次、


「夕陽と影」

この撮影は上の写真より、もっと太陽の位置が重要です。
この時三脚派の方達は皆さん相当待っていました。
ここだけ撮影しに来たのでしょうか?
僕は既に数ヶ所撮影終了済みです。
そしてこの撮影をまた5分間で済ませて、今日のラストポイントに向かう。
暫く走っていると、先ほどの青年とすれ違いました。
今のクリスマスツリーに行くのでしょう…。

しかし僕に言わせれば、時すでに遅しです。
高級なジッツオの三脚が素晴らしい写真を撮らせてくれる訳ではないのです。
むしろ注意しないと「本末転倒」になり、素晴らしいシャッタ-チャンスを逃します。
どんな優れた道具も目的を誤った者が使えば「豚に真珠」です。

大切な事は最終的に良い写真を撮る事が目的なはずです。
手振れしていなければ良い写真になるという訳ではありません。
今三脚を使うべきか否か?
そういう判断能力も写真術の技術の一つです。
ただその事にご本人は全く気がついていないかもしれません。
一度でも僕と撮影ツァーを行えば、プロとアマチュアの意識の差が分かるでしょう。
それほどに撮影時間と構図の自由度は貴重でその撮影意識に差があるのです。

最後に、
先日僕の宿をある外国人グループが貸し切りました。
そこで演出で夕食に寿司を握らせました。
目の前で料理長が寿司を握るのを、子供が珍しそうに見ていました。
次の写真です。


「てふてふの夕食」

こんな瞬間を撮るのに、普段から三脚を使っていたのではまず良い写真は撮れません。
スナップもストリートも、常に手持ちで撮るのが基本です。
瞬間で構図を決め撮ります。
その訓練が出来ていれば、いつだって必要な時に三脚は使えます。
しかしその逆は無理です。
ましてこのレベルの撮影で手振れするようなら相当問題ありでしょう。

そう言えば、今年の2月に、
某大手新聞社の記者になって約1年の若者が彼女と宿泊しました。
新聞社からNikonのカメラを支給されていました。
彼女の方はオリンパスのミラーレス一眼。
彼は立派な三脚を持ち二人とも僕のツァーに参加しました。
「今日のお天気なら、三脚は必要ないと思いますよ!」
そう声をかけましたが無視されました。

しかも車の中では、カメラの蘊蓄(ウンチク)を語りっぱなし。
まあ彼女の前で、カッコつけたいのは若いから仕方ないでしょうが、
殆ど間違った知識を語っていました。
もっとも彼女も正しいか否か理解出来ないでしょうから、
僕は一切口を挟みませんでした。
そして現場についたら、太陽の位置が絶妙なタイミング。
この瞬間を逃したらもはや撮影チャンスは無い!
それ位に素晴らしい場面!!

あ~それなのに、それなのに、彼は三脚を磨きはじめました。
「しばらく使っていなかったから、動きが滑らかじゃない…」とか何とか言いながら磨いています。
その間に僕は次々と構図を変えて撮影。
構図の自由を大切にする!シャッターチャンスを逃さない!
これがどれほど重要な事か?
それが分からない様ではアマチュアでもLow-レベルです。
しかもまだ入社して一年とはいえ、3大新聞社の記者ですからね。
シャッターチャンスの大切さは理解しているはずだと思っていました。
結局、僕が5カット以上撮影した後で、やっと三脚をセットし始めました。
しかし時すでに遅し。
太陽が傾き過ぎていました。

「次へ行きましょう!」
そう僕が声をかけると、
不機嫌そうな顔で、「まだ2回しかシャッター切ってません!!」そう言いました。
彼が撮影し終わるまでの無駄な時間で、僕は彼女に撮影方法と構図の創り方を教えました。
その後も常に彼は三脚をセットするのに時間がかかり、
彼が撮影を終えるまで僕は車の中で彼女を指導しました。

宿に戻り、夕食後に65インチ4K-TVを使って写真講座をしました。
きょう撮影した二人の写真を全て画面に出し比較しました。
撮影ポイントを回るうちにだんだん上達している彼女に対して、
常に最高のチャンスを逃している彼。
一目瞭然でした。
三脚を磨くより感性を磨くべきでしょう。

最後は写真を見ていた彼女もさすがに少々呆れた様で、
「そんなに三脚が大切なら今夜から抱いて寝たら!」
彼はそう言われていました。
きつ~~~~!
だってお部屋は「ダブル」だよ!!
悲し過ぎる一言だけど・・・他人事。ハハハ。
(#^.^#)
次の日早朝、
元気の無い顔で現れた彼を見て、僕は全てを悟りました。
(#^.^#)
チェックアウトの際に、彼は僕に言いました。
「僕、真面目に一から写真勉強し直します。ケントさん今度一人で来ますから個人レッスンして下さい。」
僕は頷きながら笑顔で言いました。
「いいですよ。だたし三脚持ってくるのは止めましょうね!」
(#^.^#)
ケント白石
北海道を世界に売り込む侍写真家
Professional & SAMURAI Photographer Kent Shiraishi
ケント白石 写真家の宿「てふてふ」
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