夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

末摘花

2016-10-14 22:52:06 | 日記
月に1度の源氏物語講座、先日は「末摘花」巻。
今回取り上げたのは、年の暮に末摘花が光源氏に元旦の衣装を贈り届ける場面である。

普通、元日の晴れ着を贈るのは、正妻(源氏の場合は葵の上)の役割なので、これは出過ぎた振舞いである。
その上、末摘花のあつらえた衣装も、それに添えた手紙も、詠まれていた歌も、どこからつっこんでいいのか分からない、というくらいの代物なので、解説しながら受講者のみなさんと笑ってしまった。

手紙だけで言えば、ごわごわした白い陸奥国紙(檀紙のこと。通常、恋文には薄様の色紙を用いる)に香りをぷんぷん染み込ませていて、風情のないことおびただしい。(私もこんなラブレターなら要らない。)

肝心の歌も、この有様…。

唐衣君が心のつらければ袂はかくぞそぼちつつのみ
(あなたのお心が薄情なので、嘆く涙で私の着物の袖はこんなにも濡れてしまっています。)

「枕詞の「唐衣」は「君」には掛からないし、恨む気持ちをこれほど露骨に詠んではダメでしょう。普通、和歌では、自分の心情を季節の景物に託して、それとなく表現するものですよね。」
という話をした。


正直、「末摘花」は、醜女でみやびを解さない姫君に対する、作者のきつい悪意を感じる巻なので、昔からあまり好きではないのだが、講座で取り上げるとなると、やはりたくさんの発見があり、受講者の方々と話し合いつつ、楽しく読み味わうことができた。
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