チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

東京アマデウス管弦楽団の”不思議”

2013年09月23日 22時39分57秒 | コンサート

東京アマデウスの40周年記念コンサートを、ミューザ川崎で堪能した

このオケは2年前の東日本大震災当日3.11に客演指揮者のジェフリー・リンクを迎えた。指揮者は成田に着陸できず名古屋に回された。
会場も閉鎖されコンサートは日延べになったが、彼の強い希望もあって、同年3月の彼岸にマーラーの「復活」を演奏したという。
そのオケが、震災で内装が壊れ、先日オープンしたばかりの、ミューザ川崎で、秋の彼岸に演奏をしてくれたのだから、不思議なめぐり合わせだ。演奏会場の予約は、2年ほど前にくじ引きで決まるそうなので、狙ってできることではない。
僕はミューザを見てみたいこともあって、この演奏会を楽しみにしていた。
無論東京アマデウスのレベルの高さは定評がある。

 

さて、今回も東京アマデウスはアマチュア離れした素晴らしい演奏を聞かせてくれた。
「トリスタンとイゾルデ」はチェロだけのソリで始まったが、これが超PPのが要求されるのは、見ていても明らかだが、実に見事だった。
メインのブルックナー8番も見事な演奏を聞かせてくれた。かぶりつきで聞いているから、指揮者も、チェロも、コンマスも実に良く見えた。

 

演奏はさておき、東京アマデウスって不思議だよな~と、色々考えながら演奏を楽しませてもらった。
その不思議の数々を思い起こしながらあげつらってみよう・・・

1)バイオリンも、チェロも男性優位
 特にチェロは男性のみ。第1バイオリンには女性一人。第2バイオリンも似たようなもの。普通アマオケでは女性が多いけどね。
 男ばかりが見えるというのは、カラヤン特集の映像で見たベルリンフィルみたい。
 なぜだろう・・・やっぱドイツ音楽中心だから?

2)弦楽器の厚みがすばらしい
 ワーグナーも、ブルックナーも弦のアンサンブルがすばらしかった。p、ppでの演奏が より印象に残った。
 特にビオラ、チェロ、コントラバスという中低弦の響きがすばらしい。
 このレベルの響きはアマチュアではなかなか聞けないけど、何か秘密があるの?

3)コンマスのバイオリンの音色が美しい
 以前の演奏会でも感じたが、かぶりつきで聴いているからなのか、コンマスのバイオリンが美しく届いてくる。
 コンマスの音が図抜けているのか、バイオリン族全員が一致して一つの音になって響いているからなのか・・・
 本当のところは判別できないのだけど、結果としてコンマスの音色が素晴らしいと感じるのだが、すごいバイオリニストなの?

4)管・打楽器には若き女性が沢山
 おじさんばかりの楽団かと思ってたら、バスクラ、Tp、Fl、ティンパニー・・・弦楽器の後ろに美貌の演奏者たちが次々と現れる。
 東大OBが多いと聞いていたが、彼女たちもそうなのだろうか。いずれにせよ、なぜこんなに若く可憐なる演奏者が集まってくれるんだ?
 綺麗な女性を惹き付ける特別な仕組みあがるのだろうか、あっても真似できないとは思うけど・・・

 

5)この楽団、公用語は英語?
 今回の指揮者はアメリカ人らしい。その彼がワーグナーとブルックナーを振っている。
 どちらも一筋縄で演奏できないだろうし、オケ全体のアンサンブルを合わせてゆくのは至難だと思う。
 となると、何回かのリハでは指揮者から細部に渡る指示、指摘があるであろう。指揮者は「母国語」で語るよね。
 アマデウスはいつも客演指揮者を招聘し、ガイジンも多い。やっぱドイツ人でも、アメリカ人でも英語でやるんだろうね・・・
 となるとぼくなんか「今なんて言ったの」なぞと、何度も聞きなおすに決まっている。
 すると、全体の進行も遅れるし、指示が通らないと指揮者もイラつくよね。

6)団員の入団テストは英語のヒアリングか?
 つまり団の「成員基準」のひとつは、英語ではないかなどと想像が飛んでいってしまう
 (こんなこと考えていたのはブルックナー8番の第2楽章あたり)
 演奏で入団テストしたあと、面接が英語で行われて、結構難しい問答が行われて「アヘ~おいら英語で落っこちた」という人もいたりして(^^; 

~演奏聞きながら(無論楽しみながら)いろいろ考えてる~

7)ミューザのすり鉢状の舞台の使用感はどんなだろう
 修理が行われたミューザ川崎は、元通りの素晴らしく音響効果が高い音楽ホールとしてよみがえっている。
 今回驚いたのは、弦は5プルト編成のうち、舞台の平場に2プルト、そのあと3プルトは階段上にせり上がってゆくしつらえになっている。
 つまりチェロの最後尾やバイオリンの最後尾は4段目あたりになり、客席最前列から見ると、見上げるような所で演奏している。
 無論演奏者は全員丸見えだ!そこが問題。
 全員の実力が晒されていると、ぼくのように”エアーチェロ”はしにくくなる。
 東京アマデウスの皆さんはレベルが高いから、きっといい気分だったのでは?

8)ワグネル・チューバはどうしたの?
 ブルックナーではワグネル・チューバが4本、ほかにフレンチHrも登場していた。朝日ホールに飾ってあるのは見たことあるけど・・・
 まさかあそこから盗んできたということもなさそうだし。この演奏会にはハープも2本立っていたね。財源が豊かなのかな~

9)チケットは2000円、すごい
 今回ひょんなことで、チケットを複数貰い損ねて、当日券を買わせていただいた。
 アマチュアながら2000円のチケット代は高いかな~・・・
 でも演奏レベルと会場を見合わせると、大変お値ごろに抑えられているとも思う。
 普通アマオケでは、参加費みたいにチケットを自腹で購入しているのが普通だと思うけど、東京アマデウスで同じことをやろうと思うと
 1回の演奏会での自己負担はかなり大きくなる気がする。だからこそ、素晴らしい演奏を届けることで、
 固定ファン(無論有料会員)を創って団財政強化を図っているのだと思う。
 額面上は高めのチケット代を「これはお得」と感じさせるだけの素晴らしい演奏がお客さんを納得させているに違いない。

10)そうそう、どうやってガイジンのプロ指揮者呼ぶの?
 どうやるんだ?ネットでメール? 現地の邦人が直接交渉?「友達の輪?」・・・ここら辺になると想像もつかない

● とま~今回の演奏会、音色の素晴らしさを堪能しながら、あんなこと、こんなことをいろいろ考えてしまったのであった。


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