ビックコミック・スピリッツコミックス・1巻。
大好きな冬目景さんの新連載!!
帯コメントには、
「きみよ出会い、扉は開かれた。
建築家の大学生・土神の建物をめぐる奇妙な冒険ーーー」
とのこと。
冬目さんの作品を読んでると、いつもの事ながら大学に通いたくなってきます(笑)
そして、毎回美術、または写真関連がテーマになる事が多いけど、
今回は建築。新しいですね。
建築家の1年・土神(にわ)は、祖父の遺した家で一人暮らしを始める男の子。
幼なじみで建築部品マニア、土神の事がちょっと気になる卯(あきら)。
二人はある日、解体中の洋館に出かける。
その建物で見つけたドアノブにふと触れた瞬間ーーー
なんと、古めかしい光景が目の前に広がり・・・
しかし、すぐに現実に戻ってしまう。
自分しか見れなかったようで、戸惑う土神。
そして土神はその夜、もう一度あの感覚を、と思い現地にいくと、不思議な女性に出会う。
その女性は、それが「建物の記憶」である事を告げる。
そしてその女性と土神が手を重ねた時、「建物の記憶」が動き出す・・・
実際にその建物に住んでいた人とゆかりは無くても、
残された手紙等から意思はわかる。
それが、「記憶」が見えるものの果たす事だと言わんばかりに。
ある日、卯に誘われてある家にやってきた土神は、謎の女性・真百合と偶然再会する。
今まで知らなかった自分の力への戸惑い、自分と同じ力を持つ彼女への親近感、
そして知らずのうちに自分の中での存在感が増してきている祖父。。。
そんな折、土神はバイト先でまた「記憶」を見る。
真百合に付いてきてもらうと、そのビルは「オーシャンビル」という名前ながらも、
戦前・戦後に翻弄されて、最後に海を見る事なく壊されてしまう。
それでは、建築者の「想い」が報われない。。。
そこで、投影機を使って「記憶」が見えた窓から海の景色を映し出してあげる一向。
うーん、なんとも素敵なエピソードですね。。。
基本的に、なんとも冬目さんらしい作品です。
ノスタルジックさと現代っぽさとが良い感じで調和されていて。
それでいて、生活感があって良い意味で洗練されていない世界観がなんともたまりません。
八重樫さん言っちゃいかん!な卯も、報われないヒロイン系ながらも可愛いし(笑)
真百合は冬目さん作品の定番とも言えるようなミステリアス美人系なキャラですね。
今後も彼女がストーリーのキーになっていくのでしょう。
2巻が早くも待ち遠しいです!!