千恵子@詠む...................

リンクにて開く世界は万華鏡 あれやこれやと交差の果てへ

重罪犯罪者も更生は可能だ

2013年02月27日 | 

クリエイティブ・コモンズの了承を得て、転載。

救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより。

重罪犯罪者も更生は可能だ

 

重罪を犯した人も生まれ変わることができると確信させる本に出会った。

坂上香著 『ライファーズ 罪に向きあう』 みすず書房。

 
 
ナヤ・アービターはかつて「更生不可能」「手の施しようがない極悪人」と烙印を捺された薬物依存・密売の重罪犯であった。
 
だがアービターは米国の治療共同体(TC)で、自らが更生を遂げ、社会に復帰した経験を活かし、81年、アミティというTCを設立し、重罪犯を対象に更生プログラムを開始する。
 
その結果は驚くべきものだ。殺人・強姦・薬物依存などの重罪犯が次々と更生を果たし、活き活きとした人間として社会に復帰してゆく。
 
さらに再犯率は三分の一以下という驚異的な実績を残す。この成果の原動力となったのは、なんとライファーズ(無期刑、終身刑)の人々だった。
 
獄中でアミティのプログラムを受けて生まれ変わったライファーズが、アミティのベテランスタッフを務めたのである。
 
 
TCのプログラムは友愛(アミティ)から成り立っている。
 
アミティには数多くのプログラムがあって紹介しきれないが、特徴的なのは、プログラムを受ける人が集まり、重罪犯となった経緯を幼少時の体験から解きほぐしてゆく。
 
誰かが指導するわけでなく、相互に相手への敬意と信頼関係を作ることによって、友愛に満ちた集団(サンクチュアリ)を形成する。
 
参加者はこれまでの自分をさらけ出し、罪を償う仲間たちは互いにエールを送りあい、徹底的に罪に向きあう。その姿を見た他の受刑者も、麻痺した心を開き、暴力や薬物への依存から自由になっていく。
 
 
坂上はTCでの体験を映像化しドキュメンタリー番組としてテレビ放映して全国から大きな反響を呼んだ。
 
 
だが予算削減の煽りを受け幾つかのTCが閉鎖され規模縮小を余儀なくされる。
 
しかし種は蒔かれた。
 
新たに生き直し始めた人々が確実に存在しているのだから、何らかの形で復活する筈だ。
 
 
著者である坂上は「そもそも刑罰とは何か? 刑罰という方法が本当に正しいのか、刑罰にはどのような効果があり、どのような副作用があるのか。
 
別の道はないのか。
 
刑務所という場以外にこの社会にはどのような選択肢が存在しているのか」という認識に到達するに至る。
 
日本の行刑政策とは真逆の考え方だ。
 
新たな人間に生まれ変わらせるのではないから、再犯率は増加の一途をたどる。
 
 
本書は特に受刑者にお薦めしたい一冊。
 
前著 『アミティ 「脱暴力」への挑戦』 日本評論社も、非常に示唆に満ちた内容。併せて一読をお薦めしたい。
 
 
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2 Comments

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大切な視点ですね (平野慶次)
2013-02-28 07:19:01
 大山さんのブログを時折楽しんでます。様々な本の紹介に啓発されたこともあります。坂上さんの紹介するアミティプログラムには随分前に大いなる期待を寄せていました。 

 日本でも随分前に、招聘企画もあり、ライファーズやアミティへの期待が膨らんだ時期がありました。結局は事務局が崩壊したと記憶しています。記憶ですから、間違ってるかもしれませんが、・・・  ではでは
視点 (大山千恵子)
2013-02-28 07:26:50
平野慶次さん コメント、どうもありがとう。

本書の中では、アミティ・カリフォルニアが縮小した記述がありますが...他州にも支部があるので「崩壊」とは思いませんでした。

その後も見ていきたいと思います。そして、この国の司法も。

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