真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

職人ばんざい~「カゲのヒーロー・鑑識」

2008-03-30 | 読書-2008
図書館の書架で目に留まった「カゲのヒーロー・鑑識」という本を読む。
中身もさることながら、出版に至る経緯がユニーク。
松田妙子・熊丸羽衣子の共著。2002年(財)住宅産業研修財団刊。

「人はウソをつく。しかし指紋はウソをつかない」等々のキメのお言葉もちりばめられた意義深い本でした。
指紋、足跡、似顔絵等々の分野での長年の精進の成果を、名人級「匠」の面々が上九一式村のオウム施設捜査の際に泊めて頂いた別荘オーナーである公安委員の求めに応じてご披露した、というものらしい。

衆議院議長まで務めた松田竹千代という政治家がいたそうで、その長女が松田妙子さん。セレブな世界ね。
http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/M/matsuda_t.html

東京都公安委員を務められた松田女史がお孫さんの熊丸羽衣子ちゃんと共著で著され、ご自身が理事長をされている財団から発行されたのがこの本、という事のようだ。
<http://www.hic.or.jp/jho/about/matsuda.shtml

つまり、こういう経緯かな?
1.華麗なる出自とご経歴の女性が、孫娘の小学校の卒業研究のために警視庁の鑑識課のベテラン捜査員にインタビューの段取りをつけてやったところ、その出来栄えがたいそうよかった。
2.これはより多くの人に読んでもらうべきだと思い、おばあちゃんがさらに詳細なインタビューを重ねて孫娘との形で共著で本にした。鑑識課は内部マニュアルまで見せるなどして全面協力。
…普段脚光を浴びることのない鑑識課の匠たちが、公安委員の先生のご尽力で本に紹介していただけるということで、(上層部の指示もあり?)張り切った、という様子が窺われて微笑ましい。
また、単なるヨイショ本になっていないところが好感が持てる。偉い人の名前がずらずら出てきて…というパターンになっていないところがエライ。「現場の職人」を愛する著者の見識だろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バークにまかせろ~「31ノッ... | トップ | 望みは何? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書-2008」カテゴリの最新記事