真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

キャパやサワダになんか、ならんでもよろしい~「死んだ英雄より、明日も生きられる弱虫のほうがよい」

2009-07-18 | 読書-歴史
沢田教一の墓参をする平敷安常さん

本の内容は、下記の記事をはじめとして多くのサイトで紹介されている通りなので、屋上屋は例によって回避。
平敷さんの語り口は非常に穏やかで、スクリーンに映し出される映像と真逆だった
同一記事を先日に続いて2回も貼ってしまった。
“テレビニュースのカメラマンには写真集がないので、そういうものを含めて書き残しておきたいという思いがあった。書き始めから編集者の手に渡るまでは10年くらいかかっている。”

本はこちら:平敷安常 作品一覧: 紀伊國屋書店BookWeb

強運というか、ツキを呼び込む力のある人だな。
トランプではカモにされたようだが、仕事となると、良い報道写真が撮れる=危険度が高い場所に行き合わせる、だけど殉職はしない、という際どいところで生き延びる、石川文洋さんと同じく沖縄出身の著者。

当時のTV局のカメラマンは、記者、カメラマン、サウンドマン(録音技術者)の3人一組で行動。
ヘリコプターで戦闘地域に降ろしてもらう際、ゆっくり接地などしてくれないので、カメラを回しながら、コードで録音機器と繋がったサウンドマンと一緒に飛び降りたのだと。

印象の強かった箇所の中から幾つか:

がめつい北部、中部は賢く南部は怠けもの~ベトナム人の地方気質なのだそうで。「フォー」は北部の麺で、中部、南部それぞれ別の麺がある由。(初歩的?いいからいいから。よくしらなかったんだからさ、こちとら)

テッドは若いのにタフでいい根性している~後にABCの大御所キャスターとして大成したテッド・コッペルの、若い頃の活躍(童顔!)。著者の戦友なのね。

クレイグはベトナムのフォークで農村を豊かに描いた~
87. 坊や大きくならないで アーティスト: マイケルズ(作曲: トリンコンソン 作詞: トリンコンソン(日本語詞 浅川しげる))

毎日新聞の浅川隆記者と著者が意訳したものである由。

「ジンクスに負けるな」とラストピクチャーを撮り合った

ニック・アーチャーは記者たちに引導を渡す役

ツキまくる私に出来事が勝手にカメラに飛び込んでくる

「おまえは危ない目に遭いすぎているよ。お前のその幸運が無限に続くと考えたら、間違いだ。幸運のジョーカーは、もうあまり残っていないかもしれない。そろそろベトナムから離れることを考えておけ」
~ほかにもたくさんあるけど、きりがないんでな。

カメラマンとしての技術・センスはもちろん、仲間やライバル局の連中にも愛される愛嬌、ギリギリで危険を回避する動物的カンなど、あらゆる要素がうまくバランスされた人物が、成果を上げてかつ無事に生き残ったのだろうな。

カミサマが「お前はキャパにもサワダにもならんでよろしいから、生き残って皆のことを伝えなさい」と命じたんじゃないかしら。

ベトナム戦争で活躍したカメラマン(というテーマ、素通りできないもんで)がらみのエントリ:
戦場カメラマンの老後~その1
…新聞社などのサイトをリンク貼っても、すぐに消えてしまうからいかんな、と改めて認識。
老カメラマン鎮魂の旅 (新書版の写真入り紀行から重たい写真集を思い出す)
きみはディッキー・チャペルを知っていたか
貴社の記者は無事に帰社 できるかな~記者をひきつける戦場の磁力

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« きみは基督教独立学園高等学... | トップ | 注目もひとしおの飯田先生 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書-歴史」カテゴリの最新記事