真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

キスカ撤退の指揮官~きみは木村昌福を知っていたか

2009-09-22 | 読書-歴史
『キスカ撤退の指揮官』
将口 泰浩【著】
産經新聞出版 日本工業新聞新社〔発売〕 (2009/08/15 出版)

そういう偉大なリーダーがいたという話は知っていたが、本で詳細を知る。
霧が期待通りに出なかったことで出直したことは知っていたが、とにかく突入させようとしか考えていない上層部からの強烈な圧力と、それに動じなかった木村少将の肝の据わり方に驚嘆。

上掲書は、木村の次男気(のぼる)氏や元部下、元キスカ島守備隊員らへのインタビューや彼らから提供された写真が載っていますというのが特徴か。木村の日記を気氏から見せてもらったらしいことから、丁寧な取材で関係者の信頼を勝ち取ったらしいことも窺える。

残念なことに、地名の表記や「てにをは」にも難があると思われるうえ、漢字変換ミスも複数。
そもそも、木村昌福の名がタイトルに入っていないのも奇妙だ。

さらに、戦史や軍事用語への基本的理解不足も明らかだ。
一例:「哨戒飛行艇」を勝手に「哨戒艇」に変えてしまっているでしょーが。

あのね、「飛行機」を「船」に化けさせないよーに。
たしかに、舟に翼が生えたようなもんだともいえるが・・

かくのごとく、だれかにちょっとチェックしてもらえば避けられたと思われる、お粗末なミスが多すぎるのは残念。

などなど、問題はあるものの、木村の事績を広く世に知らしめるという使命を負っている本として、価値がある。
ゆえに、今回取り上げた。
(紹介する価値がないとして取り上げなかった本が背景に多数あると知るまい・・)

木村昌福について:
海軍兵学校を118人中107番の成績で卒業

あわせて読みたい(入手できるならば、こっちを読んだ方がいいかもしれない)

木村は無口だし、自分の功を誇るような人ではないので、家族の著すら少しも知らなかったという

彼がキスカ撤収の立役者であることを、長いこと家族の者ですら知らなかったという挿話(エピソード)が残っている…リンク切れ1

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