まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

梅を愛でる5歳児

2017-03-21 07:28:07 | 日記


カメイドヒライシンコイワ

小学生の分際で年末アルバイトをしてた。
おばあちゃんちは床屋さん。
新年をさっぱりした頭で迎えたい人たちが
大晦日までの3、4日で集中してやってくる。

私の仕事は従兄弟のベビーシッター、
おせちの買い出しの荷物持ち、
店の床の箒がけ、パーマのアシスタント。

当時のパーマってなんか紙みたいので
毛先を包んでロットで巻いて楊枝みたいのを刺して
輪ゴムで止める仕様だった。
その、紙とロットと楊枝と輪ゴムを
順番に手渡す係。
「このおじさん、髪少ないのにこんなことして
大丈夫なのかな」なんて邪念が入ると
順番を間違えてしまうことも。

所詮は子供の手伝いなんだけど
猫の手だって借りたい慌しさに
おじさんもおばさんも
助かるなあなんて言ってくれて
帰りにはたんまりお小遣いもらえて
しかも夜は9時まで起きてても良くて
まとわりつく妹らもいなくて
なかなか楽しいイベントだった。

自宅の川崎市から江戸川区のおばあちゃんちまで
一人で電車に乗って行くんだけど
降りるのを間違えないように
呪文のように唱えながら総武線に乗っていた。

そんな呪文の一部、カメイドに
初めて上陸する機会が訪れた。
有名な天神様は駅から思いの外遠い。
道中、街頭スピーカーから古い歌が流れている。





石の階段を上がると池があり
小さくて真っ赤な太鼓橋が2つ
かかっている。
池の周りには季節を過ぎた梅
藤棚はまだ花芽もつけてない。
鴨と亀と鯉が泳ぎ、スズメやハトやヒヨドリが遊んでる。

道真公5歳の銅像の横に
当時詠んだ和歌が書かれている。
赤くてきれいな梅の花、僕のお顔にくっつけたいな。
そんな歌なんだけど
神童と言うよりはちょっと変わった幼児だな、という感想。
お花を顔にくっつけたいんだって。
天神様といえば梅。それにしても
そんなに小さい頃から夢中だったなんて。






江戸時代に太宰府天満宮の神官だった、道真さんの子孫が
全国行脚したのちたどり着いたのが亀戸村だったのだそう。
江戸の大半を焼いた明暦の大火の復興を進める場所として
天神様の信心が深かった将軍がここに社殿を寄進したのが
亀戸天神の始まりだという。
神官は飛び梅の枝を彫った御神体を持って
遠くは青森まで歩き回ったんだって。



梅のほうも、彼を追ってはるばる
飛んでいくのだから
想い想われる仲なのね。

来年はもう少し早く来てみようかな。




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