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勢力の強い高気圧の後面、東京湾では思わぬ強風が・・・・・

2017-05-24 08:57:55 | 日記
①5月23日15時の天気図 気象庁HPより引用




②5月23日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用



③5月23日15時のアメダス関東地方周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用


本州付近、勢力の強い高気圧に覆われて、各地で季節はずれの暑さが続いていましたが、当該、勢力の強い高気圧が次第に本州の東海上へ
勢力を後退させつつある23日日中、東京湾周辺では南西の強風となりました。

東京湾アクアライン海ほたるPAにある海上保安庁レーダー施設内と、東京都中央防波堤南端にある東京港波浪観測所の双方の風速計では、
23日午後、最大風速15㍍毎秒を超える南西の強風を観測しております。双方の風速計の接地高度は、地上50㍍程度とやや高所にあるにせよ、標準観測高度(地上10㍍)に換算しても、
およそ、12㍍毎秒〜13㍍毎秒に該当します。強風注意報発表基準に該当する強風だったわけです。

この強風のカラクリですが、

引用図①を見る限り、地上天気図上では、日中の東京湾での強風を暗示するものはありません。が、引用図②より、上空2000㍍〜3000㍍では、本州付近、概ね南〜南西風となって、勢力の強い高気圧の後面に入りつつあることがうかがえます。
一方、上空1000㍍付近では、本州中央部の各観測地点では、風向疎らで、風速が弱めですが、勝浦だけ、南西風で風速10㍍以上と強まっていて、勝浦では、上空2000㍍、3000㍍の風速より、上空1000㍍の風速が強まって折ります。

これは、関東地方周辺上空は、勢力の強い高気圧の後面に入り、南西風が卓越しましたが、依然に高気圧の強い勢力が残っていたため、中層では、下降
流が卓越して、西側に丹沢山地や伊豆半島が位置している勝浦の地形的特性も相まって、勝浦の下層(上空1000㍍)では、風速が強まったと推測されます。

また、引用図③より、東京湾周辺で強風となった23日15時、関東西部には南東〜南西風が合流して地形性の低圧部が形成され、この地形性低圧部の南東側で、風速が強まっています。

さらに、


④5月23日9時~21時までの勝浦のウインドプロファイラー時間高度断面図
 ⅰ:9時~15時 ⅱ: 15時~21時  気象庁HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


勝浦では、23日日中、上空1000㍍より下側では、上昇流と下降流とが交互に発生しており、これは、対流混合 を示すもので、この対流混合の結果、上空1000㍍付近の気流が地面の降りてきたことと、関東地方西部の日中発生した地形性低圧部により、東京湾周辺では、地表付近の気圧経度も局地的に増大したことも考えられ、以上2点の要因で、東京湾周辺の強風は発生した といえます。

勢力の強い高気圧の後面に入ると、今回のように、日中、東京湾岸では南〜南西風が強まります。用心するべしですね!!

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