カッパの女房

縁あってASDのカッパさんの嫁になりました。
カッパさんの飼い主・・・いや嫁として日々修行中です。

脇さん、お元気ですか?

2016-10-07 17:39:44 | 日常のあれこれ


私が小学校6年生の時の転入生は

「橘かほるさん」と言う素敵な名前の女の子だった。

かほるさんは小学生だけどセンスが良くて品が漂っていた。

お姉さん的で、誰に対しても分け隔てなく接する感じの良い人だった。

高校を卒業した年に、そのクラスの同窓会が開かれ

その幹事がかほるさんだった。

久々にあったかほるさんはすごい美人になっていて、

男子からモテモテだった。

露骨にアプローチする子もいた。

でも、かほるさんは鼻にかける風でもなく

「ごめーーん、君はタイプじゃない」と並み居る男子を軽くあしらっていた。

そのあしらい方も全然嫌味ではなく、

「オトナの女性だなーー」と私たちは感心して眺めていたものだ。



社会人になってしばらくすると、

またそのクラスの同窓会の通知が届いた。

幹事はやっぱりかほるさんだった。

でも、苗字が違っていて(旧姓橘)と書かれてあった。

新しい名前を見て驚いた。

えーーーー!!と叫んだ。

だって新しい名前が

「脇かほる」なんだものーーー!!

いや、おかしくない・・・おかしくないよ。

でもでも

私なら絶対イヤだ!

絶対に養子になってもらう!

なんだったら最初から付き合わないと思う。


そんな風にパニックになりながらも、

かほるさんの寛容さ寛大さに驚いた。

本当にぶれない女性だな。

思った通りのすごい女性だな。

達観してるなーー。

もう尊敬しかない。

もし自分の彼氏の浮気相手がかほるさんだったら、

彼氏を誉めてしまうかも知れない。

よくぞかほるさんを落とせたねってね。

もちろんかほるさんとの浮気も許す。

なんか自分がかほるさんと同等になった気分だからね。


あーーーそうか。

かほるさんの旦那さんもすごい人なんだ。

きっと素敵な人なんだ。

名前が周りからどう思われても気にならないほど、

幸せになれたんだよね。

結局、私はその回の同窓会は欠席した。

その時期はやさぐれていたし、

どうせ幸せな人しか参加しないだろうと思ってね。

でも、うっかり欠席の通知ハガキを出すのを忘れて

かほるさんはわざわざ家に連絡をくれたらしい。

母は電話口で私がまだ結婚しないことを愚痴っていたようだ。

もうねそんな愚痴をかほるさんに聞かせないでよ。


それからもう何年経ったかなー。

あのかほるさんの近況は知る由もないが、

きっと素敵に生きていると思う。

そう信じている。

(注:本名ではなく仮名を使いましたが、そんなに遠くないです)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする