チェルノブイリ子ども基金・事務局だより

チェルノブイリ子ども基金スタッフが綴る事務局の日々。

チェルノブイリ原発周辺の森林火災、鎮火 

2017-07-13 12:26:47 | Weblog

チェルノブイリ周辺の森林火災のニュースについて、
子ども基金のボランティア平野進一郎さんからの情報です
(翻訳・コメントも平野さん)。

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ロシア通信などにより、チェルノブイリ原発周辺で、6月30日までに森林火災が発生。
現場は放射性廃棄物などが保管されている立ち入り制限区域内で、
火災の影響で大気中の放射線量が基準値の2.5倍に上昇、といった報道がありました。
森林火災については、すでに鎮火した模様です。

この基準の2.5倍の放射線が観測されたというニュースに関して、
ウクライナのオスタプ・セメラク環境・天然資源相は、
これはロシアのマスコミによるフェイクニュースであると述べていましたが、
実際にウクライナ環境省の発表では、火災最前線で一時2.5倍という数字が観測されていたようです。
ウクライナの政府とマスコミは、ロシアメディアによるフェイクニュースであるとして、
この情報を公式 に否定しています。

ただロシア側の記事も、
ゾーン(原発を中心とした半径30キロ圏内、居住立入禁止区域)自体の放射線量が2.5倍になった、
あるいは放射性物質処分施設に危険が迫っているかのように誤解させる不安を煽る内容で、
当然批判されるだろうというものです。

同じロシアの関連記事でもブリャンスクの地元ニュースは、モスクワのものと違っています。
むしろロシア当局への批判記事になっていて、
現実に問題に 向き合っている地域とモスクワの報道とかなり温度差が感じられます。

以下、関連のニュースをいくつかご紹介します。

2017年6月14日
チェルノブイリ原発3号炉でボヤ、ベラルーシ国内の放射線量に変化なし

BELTA(ベラルーシ国営通信)
http://www.belta.by/society/view/radiatsionnyj-fon-v-belarusi-v-svjazi-s-zadymleniem-na-energobloke-3-chaes-ne-izmenilsja-252565-2017/
ベラルーシ水文気象・放射能汚染管理・環境モニタリング共和国立センター
放射線・自然環境モニタリング局のエレーナ・ボゴヂャク副局長は、
BELTA通信記者に対し、
チェルノブイリ原発3号炉構内で昨日発生した
ボヤに伴うベラルーシ国内での放射線量の変化はみられないと明らかにした。
それによると、
ベラルーシ国内ではチェルノブイリ原発事故の被災地域に放射線監視の自動化システムが機能しており、
自動的にガンマ線量が計測される地点が各所に配置されているという。
「我々の観測データによると、この1昼夜間でガンマ線量の値に変化は見られない。
しかし、それでも放射線観測システムは、
普段より高い頻度で計測する態勢に移行している。
状況はコントロール下にある」
水文気象センターのボゴヂャク副局長は、このように話している。
また、この特別態勢による大気中の放射線モニタリングは、
専門家たちが、放射線量に変化はなかったと確認できるまでの間、数日間継続される。
昨日から計測はすでに何回か行われているが、
その観測結果は、
長年にわたって観測されたこの地域のバックグラウンドの値に相当するものとなっている。

ウクライナ国家核規制監督局のデータによると、
チェルノブイリ原発3号炉構内第509号区画で煙が立ち込めたとの情報は
6月13日15:57に通報され、16:00には鎮火された。
発表によると燃えたのは放射性廃棄物ではなく、通常廃棄物だった。
また、放射線量に変化はみられなかった。
今回のボヤの原因は、特定されていない人物が禁止箇所で喫煙したことによるもので、
現在、当局による捜査が行われている他、
発電所構内の防火体制に対する追加確認作業が実施されている。
今回の出来事によるチェルノブイリ原発3号炉及び同原発構内の放射線状況に対する
否定的影響は生じていない。
現在、同原発3号炉に核燃料はない、
また、今回ボヤの起きた区画には、技術機材は配置されていない。
チェルノブイリ原発構内の放射線量に変化はみられなかった。

2017年6月30日
チェルノブイリのゾーン内で起きた火災による放射線レベルの上昇は起きていない

Ukrains’ka Pravda
http://www.pravda.com.ua/rus/news/2017/06/30/7148299/
チェルノブイリのゾーン内で起きた火災による放射線レベルの上昇は起きていないが、
ロシアのマスコミはすでに嘘の情報を広めている。
これは、ウクライナのオスタプ・セメラク環境・天然資源相が、
自身のfacebookで述べているもの。環境相は次のように記している。
「無人化ゾーン内では、かなり大規模な火災が続いている。
ウクライナ国家非常事態局は、その消火のための措置を全面的に実施している。
同時に一部のロシアのマスコミはすでに、
あたかも放射線量が上昇しているかのような嘘の情報を広めている。
そのため私は無人化(立入禁止)ゾーン管理庁指導部に対し、
世界のマスコミに実際の状況に関する情報を特別態勢で提供するよう指示を出した。
記者たちに対しては、用心深い立場で、フェイクニュースを広めないようお願いする。」


2017年6月29日
無人化ゾーン内火災現場地区の放射線状況について

ウクライナ政府公式サイト(環境・天然資源省)
http://www.kmu.gov.ua/control/uk/publish/article?art_id=250101255&cat_id=244277212
無人化ゾーン内の放射線状況は、国営特殊企業Ekocentrの自動放射線状況管理システムにより
39地点において常時監視されている。
データは24時間態勢で1時間に1回、管理センターに送られ、
非常時には2分に1回送られる。
無人化ゾーン内での火災による放射線の影響を考慮し、
放射線状況に対する監視が強化されており、
ガンマ放射線の等価線量の大きさや
火災発生地区の空気中における放射性核種の含有に関するデータが特別態勢で分析されている。
特殊企業「チェルノブイリ森林」の当直担当によると、火
災は、6月29日13:00にVektor地区で始まり、
現在、火災はルビヤンカ森林区第336区画地区で継続中。延焼面積は約25ha。
火災現場地区には3カ所の自動放射線管理システムの監視ポイントがある。
各ポイントのデータによるガンマ線等価線量の大きさに目立った変化はみられず、
その変動幅は、各観測ポイントの通常の変動の範囲内にある。
等価線量の基準レベルは超えていない。
また、災発生当初より観測機器を備えたEcocentrの機動特別班による監視が行われている。
その放射線監視のデータによると、
火災現場地区の空気中に含まれるセシウム137のレベルは、
2017年6月29日19時、火災最前線において2.5E-2Bq/m3を観測し、これは、
公衆衛生基準「無人化ゾーン及び無条件(義務的)移住ゾーン内対象物の放射能汚染に関する
基礎的基準レベル、解除レベル及び実効レベル」の定める基準レベルを
2.5倍上回る(セシウム値基準レベル=1.0E-2Bq/m3)。
地表面から1mの等価線量レベルは0.70μSv/h、
ベータ粒子密度の値は燃焼現場近くで60粒子/(分・cm2)、焼け跡で120粒子/(分・cm2)。
火災現場は、「西方跡」と呼ばれる放射能汚染レベルの高い地域に近く、
消火活動にあたる隊員に対しては、
呼吸器を保護するための防具を必ず用いるよう勧告されている。
無人化ゾーン内及び隣接地域において現在、放射線状況の悪化は観測されていない。
放射線状況はコントロール下にあり、
今後の情報は随時特別態勢で確認の上、提供される。

*補足
ウクライナ国家非常事態局の発表によると、無人化ゾーン内の放射線量は、
許容レベル0.08mR/hに対して、0.03-0.04mR/hのレベルにある。
16:00現在、放射線レベルは基準値内に収まっている。
(2017年6月29日 ニュースサイトObozrevatel (ウクライナ)
https://www.obozrevatel.com/kiyany/crime/67923-privlekli-vertolet-i-samoletyi-v-chernobyilskoj-zone-otchuzhdeniya-voznik-sereznyij-pozhar.htm より)


2017年6月30日
チェルノブイリのゾーンでの火災によるベラルーシ国内の放射線量に変化なし

BELTA(ベラルーシ国営通信)
http://www.belta.by/society/view/radiatsionnyj-fon-v-belarusi-v-svjazi-s-pozharom-v-chernobylskoj-zone-ne-izmenilsja-gidromet-255234-2017/
ベラルーシ環境省水文気象・放射能汚染管理・環境モニタリング共和国立センターの
マリア・ゲルメンチュク第1副所長は、BELTA通信記者に対して、
ウクライナ領内のチェルノブイリのゾーン内で発生した火災による
ベラルーシ国内での放射線量に変化はみられない、と明らかにした。
ゲルメンチュク第1副所長は次のように話した。
「我々には、ウクライナ領内のチェルノブイリのゾーン内で自然環境下の火災が発生した
という情報が届いている。
その延焼の方向は、東方向とのことだ。
ベラルーシ領内、ゴメリ州内では放射線モニタリングシステムが常時態勢で稼働しており、
ガンマ線量が計測されている。
今のところ線量の増加は見られない。
隣接する一連の観測所でも追加的に3時間毎に計測が行われているが、
やはり上昇は見られない。
今のところ状況は安定しており、今後変化があるとは、我々は捉えていない。」

2017年7月1日
チェルノブイリ原発無人化ゾーン内の火災鎮火

ニュースサイトLife (ロシア)
https://life.ru/t/%D0%BD%D0%BE%D0%B2%D0%BE%D1%81%D1%82%D0%B8/1022707/v_zonie_otchuzhdieniia_chiernobylskoi_aes_likvidirovan_krupnyi_pozhar
ウクライナ国家非常事態局広報部の発表によると、
チェルノブイリ原発無人化ゾーン内で発生した大規模な森林火災は、完全に鎮火した。
またそれによると、焼失面積は約25haで、
消火には2機のヘリコプターMi-8と2機の飛行機が投入され、
空から火災現場に水が投じられた。
発表によると火災は地上と空からの消火活動により、モスクワ時間で13:25に鎮火した。
すでにLifeが報じたように、
ゾーン内での大規模森林火災の発生の知らせは、6月29日の晩に伝えられた。
その際、ウクライナ環境・天然資源省の発表を引用した一連のマスコミ報道で、
この火災により放射性廃棄物貯蔵地近くの放射線レベルが
許容基準を2.5倍超えたと報じられた。
その後、ウクライナのオスタプ・セメラク環境・天然資源相は、この情報を否定し
、嘘を伝えているとしてロシアのマスコミを非難した。


2017年7月1日
ロシア・ブリャンスク州内で放射線状況に対する監視が強化されたが、データは全面公開されず

Bryansknovosti.ru (ロシア)
http://bryansknovosti.ru/%D0%B2-%D0%B1%D1%80%D1%8F%D0%BD%D1%81%D0%BA%D0%BE%D0%B9-%D0%BE%D0%B1%D0%BB%D0%B0%D1%81%D1%82%D0%B8-%D1%83%D1%81%D0%B8%D0%BB%D0%B8%D0%BB%D0%B8-%D0%BA%D0%BE%D0%BD%D1%82%D1%80%D0%BE%D0%BB%D1%8C-%D0%B7/
非常事態省は、
ウクライナの放射の汚染地域(チェルノブイリ原付近)で起きた自然火災に伴い
生じる恐れのある非常事態や、
放射性物質を含む燃焼生成物がロシア領内へ拡散する危険性に対処し、
その被害を最小限に食い止めるための特別態勢を敷いた。
ブリャンスク州非常事態省の公式サイトによると、
7月1日6:00現在、ブリャンスク州内の放射線状況は安定しており、
地域のバックグラウンドレベルを超えるガンマ線量は記録されていない。
さらにガンマ線量値については
州内のスタロドゥプ、スゼムカ、ポガル、トゥルブチェフスク、セフスクの5地点から
観測データが得られている。
そのデータによれば、
有害物質濃度の最大許容レベルの基準を満たしているだけでなく、
年平均値以下となっている。
ただし、1986年のチェルノブイリ原発事故災害で最も被災した州内南西部諸地区(!)の
モニタリングデータは得られていない。
ちなみに、2015年8月にチェルノブイリ近くで森林火災が発生した際には、
煙がブリャンスク州南西部諸地区にまで達した、
Gazeta.Ruの記事に記されたデータによると、
具体的に無人化ゾーンからの煙はプリピャチを回って、
ロシア国境南西部方面へと向かい、
ズリンカ、ノヴォズィプコフを経てクリンツィ近郊を回り、さらにムグリンまで達した。
これらの居住地の住民たちは、焦げ臭い匂いを感じたものの、
その煙がどのようなものだったのか知った時にはあとの祭だった。
この記事ではさらに、
「Greenpeaceロシア」の森林プログラム責任者である
アレクセイ・ヤロシェンコ氏の言葉を載せている。
ヤロシェンコ氏は特に、2015年8月、放射線量の変化は、
煙中の放射性粒子の存在を調べることとは全く違うと指摘し、次のように語る。
「残念ながら、我々には空気中の放射性物質の粒子による汚染をモニタリングするシステムがないし、
ブリャンスク州内にもそうしたシステムが存在しないことを我々は知っている。
そのため、このチェルノブイリから流れる煙がもたらす健康への危険性について評価することが出来ない。
放射線量は人に対して単純に外部から影響を及ぼすものだが、
浮遊した放射性物質の粒子は、人体の内部まで入り込むものだからだ。」

今日、7月1日の朝、ノヴォズィプコフ市統一当直指令局は、
ウクライナ領内の放射能汚染地域で発生した
森林火災による危険性に対処する非常事態省側の管理強化策に組み込まれていなかった。
ノヴォズィプコフ16消防隊は我々の取材に対し、
強化管理は機能していると明らかにしている。
また放射線状況に対するモニタリングも行われており、
非常事態省の人員も機材も、完全に即応体制がとられているという。
しかし、ノヴォズィプコフ、クリモヴォ、ズルィンカの住民たちは、
せめて非常事態省の公式サイト上であっても、
モニタリングの観測データを見る必要があるだろう。
実際、スゼムカあるいはトゥルブチェフスクの有害物質最大許容レベルと
ズルィンカやクリモヴォのそれでは、
2つの大きな差があるからだ。

Fontanka.ruがウクライナ国家非常事態局の発表をもとに伝えるところによると、
チェルノブイリの無人化ゾーン内の火災の消火作業は、
3日目も続けられ、7月1日の延焼面積は、3分の1以下に抑えられた。
当局の発表によると、
ルビヤンカ森林区の火災は、6月29日正午ごろ、
鉄道敷設のための伐採作業時に出火し、約25ヘクタールに広がった。
消火作業には120名以上の人員と、36台の特殊車両、
さらに2機の飛行機とヘリコプターが投じられた。
土曜日朝までにその延焼面積は7ヘクタールまで抑えられている。
ウクライナ非常事態局の発表によれば、この火災による死傷者は出ていない。
また、無人化ゾーン内の放射線量は、基準値を超えていないという。


2017年7月2日
チェルノブイリのゾーン内での火災は鎮火するも、ロシア・ブリャンスク州では、
放射線状況のモニタリングが続けられる

Bryansknovosti.ru (ロシア)
http://bryansknovosti.ru/%d0%bf%d0%be%d0%b6%d0%b0%d1%80-%d0%b2-%d1%87%d0%b5%d1%80%d0%bd%d0%be%d0%b1%d1%8b%d0%bb%d1%8c%d1%81%d0%ba%d0%be%d0%b9-%d0%b7%d0%be%d0%bd%d0%b5-%d0%be%d1%82%d1%87%d1%83%d0%b6%d0%b4%d0%b5%d0%bd%d0%b8/
ウクライナ国境と接するブリャンスク州内では
放射線状況のモニタリングが実施されている。
7月2日6:00現在、州内の放射線状況は安定しており、
この地域のバックグラウンドを超えるガンマ線量は計測されていない。
ただし、発表では依然として
1986年のチェルノブイリ事故災害によって最も大きな被害を受けたブ
リャンスク州内南西部諸地区のモニタリングデータは示されていない。


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