ケミストの日常

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遺族の暴走に歯止め

2011-01-15 17:10:02 | 教育関連
子どもが自殺をする、親にとっては受け入れがたい現実です。

そんな現実を前に、真実を明らかにしたいとの思いもあるでしょう。

また、自殺の原因を作った周囲の人間に対する様々な思いもあるでしょう。

事後対応のまずさなどによる不満の蓄積もあるでしょう。

それでも一線を越えてはならない、そういった判決があった、という話題がtwitterのタイムラインで流れていました。



日本において、医療関係者や教育関係者を「加害者」とする被害者遺族の涙は、メディアが伝えるニュースにおいて最上級の価値があった、そういった現実もあり、遺族の暴走を助長する報道が横行していました。

そういった風潮の被害者と言ってもいいのかもしれません。

校長を殺人容疑告訴、自殺生徒の母親に賠償命令
 2005年に長野県立丸子実業高校(現・丸子修学館高校)1年の男子生徒(当時16歳)が自殺した問題を巡り、殺人容疑で告訴されるなどして精神的な苦痛を受けたとして、当時の男性校長が、男子生徒の母親と代理人の弁護士を相手取り、600万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が14日、長野地裁上田支部であった。

 川口泰司裁判長は「原告の社会的評価を低下させ、名誉を傷付けた」として、母親と弁護士に計165万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた。

 母親の告訴について、川口裁判長は「自殺を予見することは困難で、犯罪の嫌疑をかける客観的な根拠はなかった」と判断した。

 判決によると、男子生徒は05年9月から不登校となり、同12月6日に自宅で自殺した。母親は06年1月、校長を殺人容疑などで告訴。内容を記者会見やブログなどで発表したが、長野地検上田支部は07年10月、犯罪に当たらないと判断した。
(2011年1月15日10時06分 読売新聞)


元校長への名誉棄損認定 高1自殺で遺族に賠償命令
 自殺した高校1年の男子生徒の遺族に殺人罪で告訴され、精神的苦痛を受けたなどとして元校長が損害賠償を求めた訴訟で、長野地裁上田支部は14日、生徒の母親と代理人の弁護士に計165万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 川口泰司裁判長は判決で「告訴1 件に客観的根拠がなく、元校長は名誉を傷付けられた」と認定。新聞への謝罪広告掲載も命じた。

 判決などによると、男子生徒=当時(16)=は長野県上田市の県立丸子実業高(現丸子修学館)のバレーボール部員だったが、2005年12月に自宅で首つり自殺。母親は06年、部活でのいじめが原因でうつ病になった男子生徒に、元校長が登校を強要、自殺に追いやったとして長野地検に告訴1 件したが、同地検は07年、不起訴処分にした。
2011/01/14 21:41 【共同通信】


イジメによる不登校から自殺へ。

遺族の心の中にある、学校への不信・不満。

それが殺人容疑の告訴につながり、さらには記者会見・ブログでの発表とつながっていく。

せめて、過失致死の告訴だったら、事態は違っていたのでは、と思います。

流れを見ても、校長を殺人容疑で告訴はどう考えても無理筋。

それを無理筋と指摘できる環境が回りになかったのか。

いけいけで、弁護士ともども突き進んでしまったのか。



結果としての「母親と弁護士に計165万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた」という地裁判決。

賠償金はともかく、謝罪広告は心理的に受け入れるのは辛いだろうな。

「虚偽告訴」での逆告訴による刑事罰がないだけでもまし、とも考えることが出来ますが、社会的にはそれなりのバッシングも受けそうだし。



心情を思うと、やりきれないですね。

その矛先はどちらへ向ければいいのか。

実は、そういった状況に遺族を追い込んだ、「入れ知恵」をした「善意を装う者」がいたはず。

そういった連中がどういった動きを見せるのか、むしろそっちに注目したほうがいいかも。


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