数年前のマスメディアの扱う「インターネット」というのは、悪の情報サイト、誹謗中傷・名誉棄損、不法コピー増長といったような、ネガティブなイメージで語られることがほとんどだったと思います。
「違法」扱いでなくても、ネット愛好者を「特殊な傾向の変人」として紹介されることも多々ありました。
ここにきて、ネットの位置づけが変わってきたなあと思った最初のきっかけは、尖閣問題のビデオ流出でしょうか。
テレビはyoutubeに投稿された動画をそのまま流し、新聞も大きく報道で扱いました。
当然その報道の中では、ネットのネガティブなイメージはほとんどなく、youtubeも以前は違法コピー投稿サイトといった勢いで扱われていたものが、個人が動画を広く公開するサイトとして紹介されるようになりました。
また、テレビがyoutube等の投稿動画をそれと明示せずに好き勝手に使用しているということもだいぶ明らかになってきました。
年末特番などで、以前多分ネットで見たことのある動画が、衝撃映像としてテレビに乗ったりするのを実際にリアルで見ることができました。
実際のところ、動画投稿者にテレビでオンエアすることの承諾を得てから放送しているのかどうか、確認はとれないのですけれど、尖閣ビデオについては、投稿者不明の段階で報道がなされていましたから、厳密な意味でテレビも堂々と著作権法に違反した報道を行っていることがわかります。
また、
少なくとも岩上さんによる小澤さんへのインタビュー(昨年の12月23日)の動画は無断使用がなされたようです。
「悪意ある二次使用」とは、まさに記者クラブメディアのこと。続くRT @hatakezo 畠山理仁 総務省記者クラブ幹事社からの報告。 RT @craft_box: @hatakezo 【理由2】二次使用され悪意ある使用によって誰かの不利益になる可能性を危惧する意見がある
続き。私の行った23日の小沢氏インタビュー。マスコミ各社の問合せに対し、画像使用について、クレジットをきちんと出すことなどを条件に了解をし、その確認書を求めた。ところが。。
続き。署名返送してきた社もあったが、挨拶もなく、私に断りなく使用し、引用についての条件も守らず、取材対象者に対する必要以上に辛辣なコメントを添えて報じた社もあった。不利益になっている典型例。ネットやフリーの著作権、知的財産権への配慮もない。記者クラブメディアに言われたくない。
ほとんどの社ですよ。確認書に署名して返送してきたのは、わずかに3社のみ。配信ずみの動画だけでなく、こちらが独自に撮影した写真も無償提供したのに。RT @ftomoki @iwakamiyasumi たわけたメディアは何処ですか?僕抗議したいです
厄介なのは、私に直接、言ってこないで、他の人間に文句を言う点です。電話してきたある記者クラブの記者に、私が「ネットメディアの著作権についても考えてほしい」と話すと、すぐに「岩上が金品を要求した」という「風説の流布」を流し、小沢サイドに文句を言いに行く。メチャクチャです。
続き。小沢サイドから、「本当ですか? うちとしては金品の要求はやめてもらいたいのですが」と。もともとしていないし。でたらめな言いがかりに、こちらも、小沢サイドも翻弄された。自分たちもコンテンツビジネスをやっているくせに、他人の著作権は踏みにじって、恬として恥じないマスコミ。
続き。このツィッター上でも、有償で提供したのか、と言ったツィートが一時見られた。すぐに答える気にもなれなかったのは、そのため。インタビューが終わっても、まだ「風説の流布」が続いている、という事実にげんなりした。
あのね、「使わせる」も何も、断りなく勝手に使って居るんですよ。大半の社は。問答無用なんです。RT @hato17 @iwakamiyasumi 岩上さん、やっぱりマスゴミに映像使わせるべきでなかった。あいつら、卑怯。
※リンク先、twitterは流れて追いきれないのでtwilogの方も
2010/12/28 twilog.org/iwakamiyasumi/date-101228
2010/12/29 twilog.org/iwakamiyasumi/date-101229
マスメディアにおけるネットコンテンツへの著作権法規への遵守意識の軽さは、そのままマスメディアのコンテンツもネットにおいて同じ扱いを受けることについて、マスメディアが批判できなくなるということ。
このブログでも従来、著作権の扱いについては「引用」ルールを守ってきたし(厳密には解釈の争いはあると思うけれど)、動画についてはおそらく違法と思われるコピー動画へのリンクはしないなどの自己規制をかけてきましたが、マスメディアによって著作権のあり方がなし崩しとされてしまうと、メディアのコンテンツの扱いも変えてしまっていいのかもしれません。
まあ、引用をちゃんとするというのは科学者の性でもありますので、既存メディアのようなひどいことは、多分これからもしませんけれど。
それから、下世話なところでは、大桃美代子さん麻木久仁子さん、山路徹さんの不倫騒動。
こちらも既存メディアのネットの扱いが変わったなと思わせる騒動でした。
実は、たまたまtwitterのタイムラインで大桃さんの例のつぶやきのリツィートをかなりオンタイムに近い状態で目撃しました。
それから、twitter上で引用してのコメント、リツィート、話が一気に広がっていました。
この騒動がメディアに乗るのに一日位はタイムラグがあったと思います。
この騒動の際にもマスメディアはtwitterというものを比較的中立に紹介して、報道を組んでいたように思います。
小澤さんのインターネットメディアへの出演は批判的に報じていたマスメディアですが、昨日菅さんがインターネットメディアに出演した際にも中立的な報道をしていました。
菅さんはインターネットメディア出演の前に、テレビ朝日にも出演してその時の視聴率が平常の半分に低下と言う事態を引き起こしています(産経による)が、各社マスメディアに「テレビ朝日の番組で云々」という報道は流れなかったのに対し、昨日のネットメディア出演では多くのマスメディアが言及した記事を出しています。
例えば毎日
菅首相 「なえる」が「『やーめた』はない」
毎日新聞 1月7日(金)21時50分配信
菅直人首相は7日夜、インターネット放送の番組で、「過去の首相が比較的短く辞めた原因がなんとなく分かる。気持ちがなえる。俺はこんなにやってるのに、なぜ評価されない。これ以上やってもだめだ、となえる。日本の(政治)システムは、タイトな国会審議など首相をなえさせる要素がたくさんある」とぼやいた。
ただ、首相は世襲政治家が首相に多かったことを念頭に、「私はやや変わり種で、徹底的にやってみようと思う」と政権維持への意欲を強調。「気持ちがなえて『やーめた』ということは選択肢にない。成長、財政、社会保障、地域主権、外交に次の展望が見えるところまで頑張る」と語った。
ここの「インターネット放送」とは
ビデオニュース・ドットコムで、ここの神保哲生さんは科学報道においてトンデモ報道をやった過去のある、このブログにおいてはいわくつきの人物ですが、テレ朝出演がニュースにならず、ネット出演がニュースになるというのは、マスメディア間の牽制の故なのか、聞き手の力量による菅さんから引き出した話の質の差なのか、それはちょっとわかりませんけれど。
神保さんは民主党政権が誕生した時に、記者会見オープン化に関しては最右翼と言ってもいいくらい情報発信をしていましたが、その後の民主党代表選で菅さん支持を明言して、以降の情報公開への後ろ向きな姿勢が顕わになってきた現政権についてはどのように思っているのでしょうかね。
最近、神保さんから会見オープン化とか、そういった情報発信が聞こえてこないのですよね。
と、ちょっと脱線しかけましたけど、
広島市の市長の「退任ネット動画直接アップ」もそうですが、政治家がネットメディアで語り、それがありのまま生の動画として配信され、マスメディアがそれを後追いで伝える、ネット上で動画の記録は公開され続け、人の関心をひくものについては対訳も作られ公開される、そういった流れは定着していきそうです。
報道におけるネットの位置づけが変わってきた理由の一つは、やはり、匿名から実名への変化があったからかなあ、とも思います。
科学に関する報道については、官公庁における一次情報の積極的なインターネット公開により、メディアによってどのように必要な情報が捨てられ、どうでもいい危機を煽る論調がつくられているか、が誰にもわかるようになりました。
司法判断に関しても、判決文が全文公開されネットで確認でき、しかも法律全文も確認できる、そうなってくると、弁護士の適切な見解を参考にしつつではあっても、報道が判決を伝える時の恣意的な切り貼りが見えてきます。
政治家が直接twitterやブログで情報発信をする時代、そしてありのままを伝えることを重視するジャーナリストが活動している現状、実名での直接の情報発信は、さすがのマスメディアも無視できなくなって、きがつくと、マスメディアの記事はネットの後追いでしかない、そういった状況が今後もどんどん進むのかなあと思います。
このブログは匿名ですが、リアルの知り合いで気づいてる人は何人かいますし、ネットで知り合った関係でリアルの私を紹介することは普通にやっています。
ただし、完全実名に踏み切るかというと、匿名だから書ける内容も含んでいるので、このブログ運営者としては匿名を継続するという選択肢しか今のところないのですよね。
休日なのでとりとめもなく。
※まとめると
実名化によってマスメディアはネットを無視できなくなっている
ネット参加者という多勢の前に無勢のマスメディアはコンテンツの質と量と早さで後れを取り始めている
マスメディアによる著作権法違反のネットコンテンツの濫用は、マスメディアの持つコンテンツの扱いの濫用につながる
こんな感じ
だからでしょうかね。
最近のメディアのヒステリックな動向は。
もうひとつ注目している
畠山さんの記者クラブ問題は、田中龍作ジャーナルにて続報が入っていますが、
1)フリーの動画撮影はひき続き認めない。
2)記者クラブ問題について繰り返し質問がなされることは極めて遺憾。
3)議事(記者会見)の円滑な運営に協力いただけない場合は記者会見への参加を認めない。
という通達があったということで、互いに後には引けないでしょうから、ガチンコ対決の第三幕となりそうです。
1月5日 畠山さんが総務省の大臣会見において記者クラブによって禁止されているインターネット動画中継を強行
1月7日 引き続きインターネット動画中継を強行し、記者クラブ問題を大臣に質問
で、上の通達があった、というのが現状。
総務省のホームページでは
大臣会見・発言が広報資料で掲載されています。
平成23年1月5日 冒頭発言と質疑応答
平成23年1月7日 冒頭発言と質疑応答
記者クラブ問題は、マスメディアが伝えていないだけで、どんどん明らかになりつつあります。
そして、報道を管轄する総務省において、大臣がどういった意識でいるのかもまる見えです。