猫のひたい

尾崎杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

台北ストーリー

2017-07-15 23:36:32 | 映画
1985年の台湾映画「台北ストーリー」を観にいった。
台北市内のガランとしたマンションの空き家を訪れる男女2人。女は、ステレオを
あそこに、テレビはここに、と夢を膨らませている。男は気のない様子でバッティ
ングの素振りのフォームをしながら「内装に金がかかりそうだ」、「私、今度昇進
するから大丈夫」。女はアジン(ツァイ・チン)、不動産会社で働くキャリアウーマ
ンだ。男はアリョン(ホウ・シャオシェン)、少年時代はリトルリーグのエースとし
て将来を嘱望されていたが、今は稼業を継ぎ、布地問屋を営んでいる。2人は幼な
じみ。過去にはそれぞれ色々とあったようだが、なんとなく付き合いが続いている。
順調に思えたアジンの人生だったが、突然勤めていた会社が買収され解雇されてし
まう。居場所を見失ったアジンは、アリョンの義理の兄を頼ってアメリカに移住し
新たな生活を築こうと、アリョンに提案する。しかしアリョンにはなかなか踏ん切
りがつけられない。

エドワード・ヤン監督作品。ホウ・シャオシェン監督が主演・脚本・製作に参加し
ている。80年代の台湾のノスタルジーが感じられる映画である。雑多な感じの街を
バイクで疾走していく若者たち。ネオン。富士FILMの大きな看板。日本人が見ても
懐かしい感じがする。アジンとアリョンは長年なんとなく付き合っている関係であ
る。でも一緒に暮らしてもいいと思っている。だがアジンには男の影、アリョンに
は女の影もちらついている。
アジンの父親は商売下手で、アジンはいつも父親に苛ついている。だが父親が背負
った借金の肩代わりを、アリョンはしてやろうとし、そんなアリョンの古風な考え
にアジンはまた苛つく。女の方が現実的なのだ。キャリアウーマンだったアジンは
無職になってしまった。それならいっそ結婚してアメリカへ行こうとアリョンに言
うが、アリョンは結婚にはけじめが必要だと言う。アリョンの言うけじめとは何な
のか。地元には少年野球の仲間もいるし稼業もあるアリョンは、今一つ煮え切らな
い。そして言い争いをしてしまった2人には、悲劇が待っていた。
エドワード・ヤンとホウ・シャオシェンは年齢も同じで、親友で、台湾ニューシネ
マの波は彼らから始まったと言われる。エドワード・ヤンが若死にしてしまったの
はとても残念なことだが、ホウ・シャオシェンにはこれからもいい映画を作っても
らいたいものだ。

良かったらこちらもどうぞ。エドワード・ヤン監督作品です。
「牯嶺街少年殺人事件」
「恐怖分子」




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