猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦

2017-08-25 22:42:53 | 日記
チェコ・イギリス・フランス合作映画「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺
作戦」を観にいった。

1941年冬、ナチス統治下のチェコ。イギリス政府とチェコスロバキア亡命政府の
指令を受け、2人の軍人、ヨゼフ・ガブチーク(キリアン・マーフィ)とヤン・クビ
シュ(ジェイミー・ドーナン)がパラシュートでプラハに潜入した。彼らの目的は、
ナチス親衛隊大将ラインハルト・ハイドリヒの暗殺、コードネーム「エンスラポ
イド(類人猿)作戦」だった。国内に潜むレジスタンスの案内で、ヨゼフとヤンは
隠れ家に向かう。滞在先となるモラヴェツ家の夫人(アレナ・ミフロヴァー)と息
子のアタ(ビル・ミルナー)はレジスタンスの一員だった。夫は何も気づいていな
いが、家政婦のマリー(シャルロット・ルボン)は事情を知っているらしい。ヨゼ
フとヤンは愛する祖国の未来と平和のために、無謀ともとれる作戦に臨む。

実際の事件に基づいた戦争サスペンス映画である。ハイドリヒ暗殺事件は第二次
世界大戦中、最も凄惨な史実の1つと言われているらしいのだが、こんなことがあ
ったなんて知らなかった。ラインハルト・ハイドリヒはチェコを統治していたナ
チスの大将だが、あまりに残忍なために「金髪の野獣」「プラハの死刑執行人」
などとチェコ国民に言われ恐れられた。そのハイドリヒが、レジスタンスの若者
たちによって暗殺された。作戦は成功したに見えたが、想像を絶するようなナチ
スの報復が待ち受けていた。
リアルな緊迫感と迫力に満ちていて、とてもおもしろかった。ヨゼフとヤンの隠
れ家になったモラヴェツ家、善良な家族だが、妻と息子がレジスタンスで夫は何
も知らないなんてことあるのだろうか。そういう時代だったのだろうが、ちょっ
と驚いた。ヤンが木で小さな人形を彫っていて、作戦決行の前にそれをモラヴェ
ツ夫人に手渡し、夫人がポケットに入れるシーンがあって、私は何の意味がある
のかわからなかったのだが、あんな残酷な展開が待っていようとは…ショックだ
った。
終盤のクライマックスの教会での戦闘シーンは長く、本当に観ていて辛かった。
映画はかなり事実に忠実に作られているらしく、ヨゼフとヤンも実在の人物であ
る。ハイドリヒ暗殺後のチェコの被害や犠牲を考えると、暗殺は正しかったのか、
考えさせられる。それでも彼らは戦いたかった。ヨゼフの「俺はチェコ人だ」と
いうセリフが印象に残る。ナチス・ドイツの、そして戦争の恐ろしさを改めて思
い知らされる映画だった。




全般ランキング

人気ブログランキング

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雨にゆれる女 | トップ | 眺めのいい部屋 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿