シャーロットの涙

☆映画と音楽、その他、芸術鑑賞記録と残しておきたい日々の雑記☆

雪に願うこと

2006-05-31 18:34:57 | 映画「や」行の作品
東京国際映画祭でグランプリ、監督賞、最優秀男優賞、観客賞の四冠を受賞・・・

もとは農耕馬だったという輓馬(ばんば)たちが数百キロ以上もあるソリを曳きながら障害を越える、北海道の開拓精神が生んだレース“ばんえい競馬”

息が白く立ち上るその映像からは、北海道の冬の厳しい寒さが伝わってくるような空気の緊張感を感じた。雪の白さが人の肌をより綺麗に魅せる。

そして馬がまたかわいい。
競技の時はたてがみを編むのね。普通のサラブレッドより大きくて体重も1トンを越すらしい。人になつく様や怒るシーン、競技中も何度も撮り直したりきっと大変だったろうに…

矢崎学を演じた伊勢谷友介 、演技は硬いなあ。いつもあのような感じなんでしょうか。挫折して13年も音沙汰なかった故郷に戻ってくる役柄でしたが、どうも社長っていう雰囲気を持つ青年には見えなくて話の説得力に欠けたかな。

過去の描写が一切映像ではなく台詞のみだから、どうも現在に至るまでの学という人物像が薄く感じた。だからどうも我儘なちょっと嫌な奴に見えてしまってもったいない。母に自分を認識してもらえなかった時の動揺した感じは、唯一心にぐっときたけれど。

他のキャラクターに関しても同様で、過去の描写はまるでない。でもそこがキャリアの分かれ目なんだろうか…佐藤浩市、小泉今日子、山崎努 、草笛光子、津川雅彦、香川照之、椎名桔平など豪華実力派揃いで、存在感はどのお方も抜群。

ばんえい競技の躍動感はかなり感じたし、そこに見るエネルギーはパワフルで、一歩一歩進むその姿が人生そのものを表すかのようなものを感じた。これは演技としては馬達にも賞をあげたいくらい。

自分の居場所をなくし、その喪失感を抱き帰って来た青年がまたスタートラインにもどる設定。流れとしては多少次のシーンを予測できてしまう所が少しあっけないけど、家族の在り方を考えさせるような意味もこめて話は流れていく。

兄の威夫(佐藤浩市)の静かな父性ある演技に、北海道の自然の厳しさや懐の広さ、大地の暖かさなんかを感じて、彼の今までのイメージが少し私の中で払拭できたかな。

「雪に願うこと」・・・何を学は願ったのだろうか。テーマ性も個人的に消化しきれずに余韻を引きずる… 
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8 コメント

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Unknown (へー太)
2006-06-01 10:57:28
伊勢谷友介はちょっと硬さが目立ちましたよね。



あんまり演技が上手くない感じです。



「嫌われ松子の一生」の時は、あのテイストだったからか、気にならなかったですけど。



4冠のうち納得できたのは、佐藤浩市の男優賞だけでした・・・
学・・・ (charlotte)
2006-06-01 12:35:18
へー太さん

うわ~、先に来ていただいてしまった!

ありがとうございます

あの~、原作を読んだわけでもなく、例によって何の前知識もなかったのですが、これって学が主人公じゃないのですか??

どうも兄貴の方が主役を食ってましたよね。・・・とちょっと今回は辛口になりましたけど。

なんか会社社長というより、「嫌われ松子の一生」を見たあとだからホストクラブでも経営してるって感じにどうしても見えてしまったですよ・・・
TBありがとうございました☆ (Ren)
2006-06-02 07:05:54
泣かせる作品なのかと思って見に行きましたが

お話は割と淡々と進んでじわじわ~っでした。

どうしようもなくイヤなヤツに見えた学が

ちょっとはマシになるのストーリーでしょうか。

あまり学には気持ちが入り込めませんでした。

どう考えても主役は佐藤浩一さんでした☆

Renさん (charlotte)
2006-06-02 16:33:49
こんにちは!

そうね、やはり脇役陣が豪華すぎてちょっと埋もれ気味?だった学。

あの語り口調がもう少し柔らかくなってたら違った印象だったかもしれません。

伊勢谷友介 って方は、結構影がありそうな感じですね。パワーはありそうなんでこれからに期待してます。
おはようございます♪ (ミチ)
2006-06-13 09:44:08
日本が負けてしまって記事を書く気も起こらない・・・。

この映画、普通に良かったと思うのですが、厳しい事を言うと主役がいまひとつだったのではないでしょうか。

やつれた感だけはありましたが(顔に脂肪無さ過ぎ~)

馬と共に生きる人たちが良かったので、それだけは収穫かな。

頑張って邦画もご覧になっていらっしゃるじゃないですか!
まなぶ (charlotte)
2006-06-13 21:55:25
ミチさん

そうですねえ~、負けた後は脱力感でいっぱいでした…

ところで、学はやはり存在感なかった気がします。

もちろん主役ですから出番はたくさんありますが、やはり周りが良すぎましたよね~

そうそう、顔がやつれてます。



もう邦画がんばっちゃいますよー一応日本人ですから。爆

「タイヨウのうた」、「やわらかい生活」、「ゆれる」も…見ようかなあと思ってます。

こんにちは♪ (miyukichi)
2007-02-17 16:05:49
 TBどうもありがとうございました。
 よろしくお願いします。
 
 ばんえい競馬、魅力的でしたよね。
 佐藤浩市さんもすごくよかったです。
miyukichiさん (シャーロット)
2007-02-18 21:27:00
ようこそ
お馬さんにも賞をあげたいほどです。
佐藤さんの存在感はぴか一でした。
また遊びに来てくださいね。

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