スチャラカランナーの日々

運動部経験なし、40代マラソンランナーの趣味日記。ランニングも趣味のひとつですから。

「螺旋館の奇想」折原一/著

2005年12月11日 | 
 「螺旋館の奇想」折原一/著読みました。「螺旋館の殺人」を加筆訂正したものとの事。文庫化の際にということではなく行われてたものですので、著者自身気に入った作品なのだろうと思います。
 また、解説を読む限りでは著者の作品の中でも評価の高い作品のようです。

 これも解説で触れられていますが、私も読み始めて映画「デストラップ 死の罠」という作品を連想しました。
 デストラップはアイラ・レヴィンの戯曲を映画化したもので、私は学生時代にシネマスクエア東急で映画を観ましたので、20年くらい前の映画ということになります。主演はクリストファーリーブ(「ある日どこかで」や「スーパーマン」の人ですね。今度映画がリメイクされますが)

 本作でも次々とどんでん返しがありますが、残念ながらあまり驚きはありませんでした。もちろん予測していたということでもないのですが、これは新本格といわれる作品には多く見られますが、キャラクターを描く部分に力を入れないのでサスペンス的な部分では、あまり盛り上がれない。
 私自身は新本格と呼ばれる作品は結構好きですが、サスペンスを描くときにはトリックを中心に描くやり方が不利になっていると思います。

 この作品でも残念ながら「デストラップ」の時に感じた衝撃や意外性にはちょっと及ばないかなと言うところ。これはヴィジュアル化されているもとそうでないものとの違いもありますが。
 作品の構成の複雑さ(これはトリックに通じるのでやむを得ませんが)のせいもあると思われます。

 これはあくまで相性の問題だと思いますが、私はそれ程評価できません。トリックや構成は面白いと思いますが、残念ながらサスペンスを全く感じませんでした。 もともとパロディ的な作品なので、キャラクター面では意図的なのかもしれませんが。本当に著者の作品の中でも評価の高い作品なのでしょうか?


 ところで、「このミステリがスゴイ」が発行されこのブログでも取り上げた「扉は閉ざされたまま」石持浅海/著が2位になっていたのに、書店のフェアで気がついた。

 設定はミステリマニアに受けやすいとは思っていたが、それ程評価していなかったのでかなり驚いた。感性がかなりずれているのかも。

 今日もノートパソコンを腹の上に置いたまま眠ってしまっていました。


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